【議論】ガザ市民に実は信頼されていなかったハマス
- 信頼されていないハマス
- 表現の自由がないガザ
- 自治政府は「足手まとい」
- 果たせなかった合意
- 和平を望まない指導者たち
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イスラエルについての本はもちろん、パレスティナについての本も、日本語を含め、世界中で山のように書かれていますが、パレスティナ人組織の内幕について書かれた本は、驚くほど少ないです。
パレスティナ人全体の歴史や、犠牲者についての本はたくさんあります。ただ、ハマースやファタハ、イスラーム聖戦といった、いくつもの乱立した組織の最近の内幕についての本は、非常に少ないです。
これは、1つには調査が困難なこと、
もう1つには、下手なことを書くと、刺客が送られてくることで、特にパレスティナに住むパレスティナ人は書けません。
そしてあと1つは、これは欧米や日本でのことですが、パレスティナ人組織の内幕というのは、パレスティナ支援をしたい人々、あるいは多くの左派にとって、「不都合な真実」であるからです。
パレスティナで前回議会選挙が行われたのは2006年、前回大統領選挙が行われたのは2005年です。
選挙で政府が選ばれなくなって久しいです。
背景として、まず、2006年の議会選挙でハマースが議会第1党と首相の座を獲得した後、ファタハのアッバース大統領がハマース内閣とハマース自体を壊滅させようとしたことがあります。1種のクー・デタです。
それに対抗して、ハマースはガザ地区を武力によって実効支配しました。これも1種のクー・デタです。
以後、選挙もないまま、2つに分かれたパレスティナの領土の内、ヨルダン川西岸地区はファタハが、ガザ地区はハマースが支配する、という状態が続いています。
ハマースの統治は、恐怖支配で、イスラエルと命がけで戦おうという勢力でも、自分たちの支持基盤を侵食するおそれがあれば、容赦なく粛清します。
また、イスラエルへの内通者という容疑で、日常的にパレスティ人を粛清し、遺体を電柱などにぶら下げています。昨日も2名が殺害されて吊るされました。
ファタハについてもハマースについても共通していることは、アラブ諸国や先進国から寄せられる支援を独占しており、他勢力に譲る気はない、ということです。
ファタハは私腹を肥やし、ハマースは武装に使う、という点が違いますが。
公金がほとんど外国の隠し口座に送られるのと、対イスラエル攻撃(そして報復攻撃される)に使われるのとどちらがいいか、という2択になっています。
貴重なデータであることと、統計上の信頼性には疑問が残るがやむを得ないということは前置きし。
別に政党支持率30%の事案なんてまともな選挙のある国でも珍しくありません。
岸田内閣の自民党支持率が30%を切った事例はどれだけあったでしょうか。一応直近の衆参の選挙は(その妥当性はともかく)岸田内閣の下で行われたものですが。政権への不支持率50%弱についても同様です。
20年近く選挙がないということは、選挙でトップを選ぶということはどういうことなのかイメージ出来なくなっている可能性もある、ということを理解する必要があります。
少なくとも25歳以下には経験はありませんし。
それは「メリケンでは選挙でプレジデントなるものを選んでまつりごとをさせるらしい」ということを参考にした戊辰戦争時の函館政府での事例と整合させるとよいでしょう。あのときは榎本武揚が選ばれましたが、イメージが出来ないとこういうことになります。
昔に事例があったとしても、それをどの程度イメージ出来ているかは別です。
不信ということの裏付けはもう少し別の形で行う必要があるように思います。
例えばいま、ガザではなく北東部のもう1つのパレスチナに向かえるなら向かうかどうか、とか。少なくとも向こうだってパレスチナですが、向こうはアッバス議長等のところになります。そしてよく考えれば今回の対象とはなっていません。
例えば選挙でトップを選ぶ形への移行は望むか、とか。別に今のままで良ければ望まなかった筈です。シンガポールとかが比較的そうなっているように。サウジアラビアが免税などにより伝統的にそうであると言われているように。
むしろ政権への支持率が高いことのほうが、それが独裁政治であることとセットであることのほうが多いようにも思います。北朝鮮のように。
支持率なんて何を考えるにおいても大した指標にはならない。国政に対する信頼調査なんて、その国の大衆のナイーブさを表現するだけでしょう。
○○合意に、そこで語られているような意味が大してないことも通例ですね。
ロシアとウクライナの間で交わされていたミンスク合意も、実は単なる時間稼ぎの為にロシアを騙す(行動を留めさせる)口実だったことが、当時の立会人当事者であったメルケル元独首相やオランド元仏首相ら自身によって語られています。
裏切られるためにあるような言葉ですね。
そういう皮肉に皮肉を重ねたようなものこそ政治なのだろうと、これを読んでいて思わずにいられませんでした。逆に言えば、何でもナイーブに言葉通り受け入れすぎていると逆に何も理解出来なくなるのがこの世界でしょう。
つまり、人間の起こすあらゆる政治的な場面では、そこにある言葉と逆であるような状況があるからこそ、その言葉がそこで産まれたのだと、常にそのような逆説性を見出して理解すべきなのだと思います。
詐欺的な政治家ほど信頼を語り、敵対する勢力ほど将来の融和への希望を語る。本当に信じるべきなのは、具体的に実際的に今そこで何が行われているかということだけです。
何も言う必要が無いのなら、そのような言葉はそこには産まれないのです。
信頼がないからこそ、信じてくれと言う。ちゃんとしてないからこそ、これからはちゃんとしますと言う。安全性が疑われているからこそ、わざわざ安全だと言う。放っておくと挨拶をしないからこそ、教室にはいつも挨拶をしようという標語が掲げられる。
これは人間の言葉が持つ原則です。
こちらにも、ガザ地区における反ハマスの事が書かれていますね。2017年のことですが、イスラームに基づく統治を進めたが結局ガザ地区の問題を変えられず、汚職も相まって民心が離れてるとのこと
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/11/29/36150.html
>大多数は二国家の共存を支持したのです。
宗教が対立している国同士が共存するという成功事例が、残念ながらない。共通の敵として“地球環境の危機”が本格的に到来すれば、国同士でも揉めている場合ではなくなるので手を握れるのか。と感じた次第。
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