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ふるさと納税巡る交付税減額は違法 泉佐野市が差し戻し審でも勝訴

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ふるさと納税制度で多額の寄付金を得たことを理由に国が特別交付税を減額したのは違法として、大阪府泉佐野市が取り消しを求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が9日、大阪高裁であった。牧賢二裁判長は国の減額決定を違法として取り消した一審・大阪地裁判決を支持し、国の控訴を棄却した。

牧裁判長は判決理由で、ふるさと納税の寄付金は特別交付税の算定の基礎となる「基準財政収入額」に当たらないと判断。寄付金を理由に減額できるかは「立法者が政治的、政策的観点から判断すべきだ」として、総務省による省令改正は「地方交付税法の委任の範囲を逸脱して違法」と結論付けた。

泉佐野市は2018年度、寄付者にギフト券などを贈るキャンペーンで全国トップの約498億円を集めた。総務省は19年の省令改正で寄付金額を踏まえて特別交付税の配分を決める仕組みを導入。市への19年度の特別交付税は18年度比で約4億4千万円少ない約5300万円となった。

交付税額はその後も23年度に約1億1900万円、24年度に約2億3600万円がそれぞれ減額された。今後、市側の主張を認めた判決が確定すれば、国は省令の見直しなどを迫られる可能性がある。

市は20年、減額を違法として提訴。22年の一審判決は市の訴えを認めたが、23年の二審・大阪高裁判決は「裁判の対象にならない」として請求を却下した。最高裁は今年2月、裁判対象になると判断し二審判決を破棄、同高裁に審理を差し戻した。

判決を受け、村上誠一郎総務相は「判決の内容をよく精査し、関係省庁とも協議の上、対応を検討する」とのコメントを出した。泉佐野市の千代松大耕市長は「国は上告せずに速やかに減額決定を取り消すとともに、違法な総務省令を即時に廃止することを望む」とした。

成蹊大の武田真一郎教授(行政法)は「地方交付税法は国が交付税を恣意的に変更しないよう厳格に規定されている」と指摘。「ふるさと納税の寄付額を理由に減額する場合は明確な法律の規定によるべきで、省令改正による減額を違法とした判決は妥当だ」と話した。

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