高市総裁の取材前、「支持率下げてやる」発言 時事通信が謝罪

染田屋竜太 真田嶺
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 自民党高市早苗総裁への「囲み取材」を待っていた報道陣の一部が「支持率下げてやる」などと発言したとされる動画が、X(旧ツイッター)などのSNS上で拡散された。日本テレビがインターネット上で生中継する中で、報道陣の声をマイクが拾ったとみられる。時事通信社は9日、この発言が自社の男性写真記者であることを認め、「報道の公正性、中立性に疑念を抱かせる結果を招いた」として厳重注意したと発表した。

 自民党本部で7日夕、朝日新聞を含めた報道各社は、高市氏が公明党執行部との会談を終えて取材対応のために姿を見せるのを待っていた。

 会談は当初の予定時間から長引いていたという。この動画では、高市氏がまだ現れないことを知った一部の報道陣から、笑い声とともに「えー、ひどい」「支持率下げてやる」「支持率下げるような写真しか出さねえぞ」などといった声が上がった。

 Xでは、ライブ配信の切り抜き動画を含む投稿が、8日夜の時点で約3700万回表示された。YouTubeやTikTok、Instagramといった他のSNSでも同様の動画が拡散され、「冗談であれ、許されない発言」などといったメディアへの批判的なコメントが並んでいる。

 時事通信社は9日、コーポレートサイト上で、自社の男性写真記者が他社の写真記者との間での雑談中にこの発言をしたことを認めた。朝日新聞の取材に、「高市総裁をはじめ、自民党関係者の皆さまに強い不快感を抱かせた」などとして、自民党におわびをする意向を示した。

 7日の同じ場面ではこのほかにも、「イヤホン付けて麻生さんから指示聞いたりして」などといった発言があったが、これについては「当社関係者の発言ではない」とした。

 日本テレビの中継動画は、配信終了後、しばらくは配信全体を視聴することができたが、現在は編集され、高市氏の報道対応の部分だけを配信している。日本テレビは朝日新聞の取材に、「編集は通常行っている作業です。本編以外の部分については、見逃し配信用にアーカイブ化する際に、カットしております」と説明。さらに「ご指摘の音声につきましては弊社の関係者による発言ではございません」とした。

「いつでも見られている」という感覚を

 慶応大メディア・コミュニケーション研究所の津田正太郎教授の話 ただでさえ既存メディアに対して「偏向報道」などと厳しい目を向けられている昨今、雑談だったのかもしれないが不適切な発言であるのは間違いない。最近はさまざまなところにカメラがあり、記者の言動も世の中にさらされ続ける時代。「いつでも見られている」という感覚を持ち、報道に臨むべきだ。

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この記事を書いた人
染田屋竜太
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故 国際ニュース(アジア)
真田嶺
東京社会部|サイバー、ネット、AI
専門・関心分野
SNS、移民、国際情勢、ポッドキャスト
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    秦正樹
    (大阪経済大学准教授=政治心理学)
    2025年10月9日13時45分 投稿
    【視点】

    テレビや新聞といった伝統的メディアは,これだけ「マスゴミ」やら「オールドメディア」やらと揶揄されているのに,一体何をしてるのだろうという失望しかありません.私も多くの新聞・テレビの取材を受けたり,プライベートで食事などを通じて意見交換をする

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