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多摩モノレールが2030年代半ばに箱根ケ崎まで延伸 武蔵村山市「鉄道空白地帯」が解消へ

小林拓矢フリーライター
多摩モノレールは高架線を上手に活用した路線だ写真:イメージマート

 多摩都市モノレールは、5月9日に国土交通大臣から上北台~箱根ケ崎の事業特許を取得した。根拠法は軌道法で、本来ならば路面電車などに使用される法律である。2030年代半ばの開業をめざして、工事着手に向けた手続きを進めることになった。

 上北台は現在の多摩モノレール上北台駅であり、箱根ケ崎は八高線の箱根ケ崎駅周辺となる。駅は7駅新設される。東大和市に1駅、武蔵村山市に4駅、瑞穂町に2駅が設けられる。建設キロは複線で7.0km。事業費は約1,290億円を予定している。

 支柱・桁・駅舎といった骨格を形成する構造物は「インフラ部」として東京都が整備し、その費用は約900億円を予定している。車両・電車線(動力用電力供給)・券売機といった運行・経営に必要となる部分については、「インフラ外部」として多摩都市モノレールが整備し、約358億円を見込んでいる。また、このモノレールの導入区間となる新青梅街道の拡幅は、着手済みである。なお、コスト削減のために、新しくできる各駅は対向式ホームではなく、島式ホームにすることにした。

 このモノレール延伸区間は、何の役に立つのか?

多摩モノレール路線図(多摩都市モノレールプレスリリースより)
多摩モノレール路線図(多摩都市モノレールプレスリリースより)

鉄道空白地帯の解消

 武蔵村山市は、東京都の島しょ部を除く地域では、鉄道の駅が一つもない自治体である。その自治体に、鉄道ができる。武蔵村山市内から、西武線沿線や中央線沿線へのアクセスが向上し、公共交通ネットワークが強化される。

 多摩モノレールは東京都内では弱いと言われる南北移動を強化する路線であり、その路線網の拡充で地域の発展につながるという役割を持っている。

 何かとバスに頼るしかなかった武蔵村山市の住民にとっては、非常にありがたい話ではないだろうか。

 モノレールは、道路上に高架で路線を設けるのが簡単ということもあり、鉄道路線の建設としてはふつうの鉄道よりも低コストで手間が少ない。

 そういったシステムを利用して、鉄道空白地帯を解消するのは意義があることだ。

「地域課題の解決」としての多摩モノレール

 多摩モノレールは、多くは道路上に高架路線として設けられ、急勾配・急曲線をものともしない。すでに地域ができあがっているところに、道路の拡幅などの対応策を採用した上で路線を設けるようになっている。

 今回の上北台~箱根ケ崎延伸も、そのようなスタイルである。

上北台駅(筆者撮影)
上北台駅(筆者撮影)

上北台より北は延伸を想定した構造になっている(筆者撮影)
上北台より北は延伸を想定した構造になっている(筆者撮影)

 人がいないところに鉄道をつくるのは簡単だが、ある程度人がいるところに鉄道をつくるというのは難しいものである。しかし、バスだけに公共交通を担わせるという状況は、地域住民としても不便なものはある。

 鉄道はほしいが、そう簡単には作れない。そういうところこそモノレールの出番だ。そもそも多摩地域は、都心に向かうには便利だが、地域内の移動が不便というところがある。

 しかも今回延伸するエリアは、地域内移動にも地域外への移動にも不便なところだ。

 地域課題の解決策として、モノレールはもっと活用されるべき交通機関である。

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ありがとうございます。
フリーライター

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。鉄道関連では「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」などに執筆。単著に『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)、『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)など。鉄道以外では時事社会メディア関連を執筆。ニュース時事能力検定1級。社会調査士。

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