わいせつ表現によって助長され、犯罪の原因にもなる漫画・アニメというものを私達は文化だとは絶対に認めません。 - 健全な社会を目指し・・・ - Yahoo!ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

表現規制を推進する人はどんな人だろう?
と思っていたが、今回、こんなブログを見つけた。どうやら実際に漫画・アニメ規制を推進し、議員ともコンタクトを取っている人のブログのようだ。
少し読んでみたが、ありとあらゆる意味で酷い内容のブログだった。

〈引用〉
わいせつ表現によって助長され、犯罪の原因にもなる漫画・アニメというものを私達は文化だとは絶対に認めません。認めさせません。
〈引用ここまで〉
こちらから引用しました→わいせつ表現によって助長され、犯罪の原因にもなる漫画・アニメというものを私達は文化だとは絶対に認めません。

漫画やアニメが犯罪を助長している……と語るこのブログ。では以前にも取り上げたこのデータから。
テレビアニメ放送本数と幼女強姦被害者数の比較
テレビアニメの本数と少女への性的被害を比較したグラフ。誰がどう見ても減っている。グラフはわかりやすく、アニメの本数との比較も行っているが、このデータを見ただけでも、アニメや漫画が女児への性的被害が増えている証拠にはならないということがよくわかる。
とはいえ、確かに性犯罪がゼロというわけではないが。
このブログでは、コミックマーケットが性犯罪の原因となっている、はっきりと「温床」と語っているが――懸命なる方々はよくご存知であろう、コミックマーケットはごく一部のアニメファンが行く場所であり、そこで売買するのも基本的にごく一部のアニメファンのみに限定される。ここで販売されているものが、一部のアニメファン以外の人達の手に届くということは基本的にない。なにせ、接点がない。書店にすら並ばない。かなりマニアックな専門書店へ行けば手に入るが、興味のない人がそういう場所に足を運ぶことはまずないだろう。私の周囲には、そういうお店自体がない。
コミックマーケットで販売され、消費されるものというものは、ほとんどその小さなコミュニティに限定されるのだ。
それが、「性犯罪の温床になる」なんてあり得るだろうか?

〈引用〉
あの漫画家たちが余計なことをしたせいで今国会での成立がだんだん難しくなってきた。
しかし、継続審議、改憲、175条など、そして参院選でどこまで勝てるかなどにもよるが、切り札となる策はまだ残る。
〈引用ここまで〉
こちらから引用しました→慌しい一日だった

「あの漫画家たち」呼ばわりされているが、間違いなく赤松健さんのことだろう。どうやらこのブログ主は、まだ表現規制への執着を失っていないようだ。

この人の他の記事を読んでわかるように、思想的に相当に偏った、いや“屈折”していることがわかる。
〈引用〉
高すぎる最低賃金の問題、本来なら撤廃すべき有給休暇制度・・・。
企業に損害を与えるにも関わらず、余程の事では解雇できない解雇規制・・・。
一定の就労時間を越えると残業とみなす制度などが企業を困らせてきた。

世間は「ブラック企業」と言い特定の企業への誹謗が起こっている。
ワタミの会長、渡邉美樹氏も例外ではない。彼に対してもネット上での誹謗が絶えない。
しかし、本当は労働基準法等の法律そのものが間違っていると言わざるを得ないものである。
そして本当の彼を知る者は知る。インターネット上の噂に惑わされずに彼を支持する立場の人間は彼のすばらしさを知っているのだ。

(中略)

話が離れたが、ワタミの会長、渡邉美樹氏の自民での起用で彼が当選すれば、最低賃金撤廃などをはじめ労働関係の法律に大きな変化をもたらすことになるだろう。

もはやただ働けばお金が貰えるというのは時代遅れ
本来は事業などが成功したときにのみ労働者は報酬を得るという形でなければならない。
「一定時間働いただけで報酬」というのは実に企業にとっては非効率であり、むしろ労働者は事業の参加者。
そういった参加者はまず参加するだけの負担をしていただかなければならない。
企業一番負担することになる中で一番ムダなものとされているのが、実は人件費であり、多くの企業はこの人件費をいかに減らし、なくしていくかに悩まされた。労働基準法などにある企業に不利な制度のせいである。

ワタミは人件費をなくすための手段をとっていた。ただし、詳細はここでは語るまい。

過去、特定の企業において過労死による死者が出たという話もあるが、必ずしも企業に責任はあるかというとそうではない
「楽」をしようなどと怠慢な過ごし方をし、世の厳しさを受け入れようと努力しなかった者こそが問題ではないか?
世は厳しくなければならず、鬼畜な社会に勝つためには甘えた生活など絶対に許さない
〈引用ここまで〉
こちらから引用しました→参院選・ワタミ会長、渡邉美樹氏の自民からの出馬。

ワタミの渡邊美樹を賞賛するこの記事。
「ただ働けばお金がもらえるというのは時代遅れ」………………驚いた。開いた口が塞がらない。働いてもお金がもらえない。刑務所ですら、内職業務に給料が発生するというのに。
しかし渡邊美樹が政治家になれば、「働いてもお金がもらえない社会が来る」ということがはっきり判明した。もはや自民党に票を入れるべきではないだろう。
間違いなく言えることだが、この人は「働いたことがない」のだろう。あるいは、自分の力だけで生活したことがないのだろう。そういう経験が少しでもあれば、こんなふざけたこと言えるはずがない。お金がないと生活ができない、という問題を完全に見落としてしまっている。「鬼畜な社会に勝つためには甘えた生活など絶対に許さない」などと書いているが、その本人が甘えた生活観の上で書いてしまっていることがよくわかる。

彼の脳内で作られた理想社会のイメージは、これだけではなさそうだ。
〈引用〉
妨害派はあの改正案で漫画アニメ自体をなくすのも最終的な目的と思われているがそうではない。それすらもあくまでひとつのステップに過ぎないからだ。あくまで取締りの利権を作る方々や様々な協力を各党に依頼した政調会長をも知らないアメリカが主導のある計画のためであるが、機密事項にもなっている内容も含まれ私達でも存じないことも含まれている(※ 反転文字になっていた部分)

性犯罪の定義を拡大しなければばらない理由がある。
性犯罪は被害者の人権を侵害されているだけでなく、最終的には地球の環境問題にもつながりかねない、重大な問題である。
地球の環境問題にもつながるという点はまだ周知されていない部分が多い。過去にtwitterを利用していたマドワーヌの発言を見た者ならご存知だろう。

『人口爆発問題』

日本では高齢社会・少子化や東日本大震災などの犠牲により人口は減少したというが、だからといって安易に人口増加を強引にさせようというのはハイリスクである
ベビーブームが数回きていた当時の人口増には環境問題への懸念があった。のちの高齢社会を生み出した。少子高齢化だからと強引にベビーブームを起こそうとしても必ず失敗するだろう。
また、マドワーヌの方は、高齢者をいかに寿命を延ばさせるかに言及していたが現実的ではない。
寿命を延ばしたところで脳の機能は生きている間は永久に機能できるとは限らないからだ。
そうなれば、健全な社会のためを思想が高齢者が保てるという保証がなくなるという問題がでてくる。
私の持論としては、結婚や出産が許可される条件を大きく制限された中で生まれる今後の世代には徹底した教育をすることこそが望ましいといえる。間違っても現在の10~30代を中心に蔓延している間違った思想を植えつけさせないように気をつけなければならないだろう。
〈引用ここまで〉
こちらから引用しました→あれは計画のひとつに過ぎない。
性犯罪が由々しき問題であることは同意しよう。しかし、彼はそれが「地球の環境問題」に繋がると語る。
はい??
少子化が進行し、働き手が不足している問題は、世事に疎い人でもよく知られている問題だと思う。しかし彼は、人口が増えると地球環境を悪化させるからそうすべきではない、と語るのだ。漫画規制は、その計画の一端であるという。しかもその計画は、アメリカが主導とする秘密計画であるという。
あまりにも飛躍しすぎて頭が痛いが、整理しよう。
エロ漫画を読む→性犯罪が触発される→レイプによる人口爆発が起きる→地球環境が悪化する
どうやら彼は、エロ漫画が切っ掛けであちこちで性犯罪が起き、それが原因による人口爆発が起きる、だからその問題を回避するために、エロ漫画を規制しよう、というのだ。
……理解できた人は右手を挙げてください。

〈引用〉
16歳以上の女性と婚約や結婚されれば淫行していいというのは非常にとんでもない考え方であり、このような考え方では、淫行目的で婚約を結ぼうとする出会い目的の若者が増えかねない懸念もある。
「あらゆる性行為は堕落した行為であり、また、33歳になるまで家庭を持つことを禁じ、安易に恋愛に走る行為も制限しなければならない」と訴える市民団体もいる。私達は、早く未成年に対して性行為・安易な恋愛を行うことを全面禁止にし、20歳以上についても当事者経済状況をふまえた精密な調査を受け、認めた場合にのみ結婚を許されるという方式をとるべきだと言及させていただく。

(中略)

これを見越して、多くの学校で取り入れられていることについて改めるべき事柄をあげる。
・共学制から男子校・女子校で分けるように統一する。
・同時に教員による犯罪を防ぐために男子校には男性教諭、女子校には女性教諭のみを徹底させる
・13~22歳の若者が淫行などの性犯罪被害受けた時の服装について以下の統計を示したものであるが、とくに学校制服着用しての淫行が目立っていることから、学校制服について、多くの学校で取り入れられている女子制服のスカートをスラックスなどのものに変更させる必要が強まっており、すでに一部では取り入れている学校がある。

■13~22歳の若者が淫行などの性犯罪被害受けた時の服装
データ 13~22歳が性暴力を受けた場面
〈引用ここまで〉
こちらから引用しました→だからオフ会そのものも違法化の対象にしろと言ったのだ。

高年齢出産のリスクちらの記事は、突っ込みどころが同時多発的に展開されているので、頭の整理がかなり大変だ。
「33歳になるまで家庭を持つことを禁じ」るべきという主張があるが、30を過ぎてからの高年齢出産に高いリスクがあるのはご存知だろうと思う。流産や未熟児などのリスクが高くなる。彼は今まで以上に晩婚化するべき、と語っているが、こういうリスクについては理解しているだろうか。また、出産後も育児には相当な体力が必要だ。そういう理解があっての発言とはとても思えない。
また恋愛そのものを「安易」と語るのは本格的にどうかしている。このブログでは、恋愛そのものを忌避すべきものとして書かれ、恋愛そのものをグロテスクな現象として捉えているようだ。恋愛に「走る」と書いているが、この「走る」は普通では「犯罪に走る」といった場合に使う言葉だ。つまり彼は、「恋愛」を「犯罪」に相当する虞犯行為と見なしている、というわけだ。
データが載せられているが、これが実に奇妙だ。「コスプレ着用時に強姦を受けた件数」、なんてものが書かれているが、一体どこからこんなデータを作り出したのか……。もしもそんな事件があってもレアケースだと思うのだが(正直、イメージできないです)。また件数が異様に多い。2012年度のレイプ被害者を合計すると6803件も起きていたということになっている。本当にそんな凄まじい数でレイプ事件が起きているのだろうか? 別のデータを見てみることにしよう。
データ 強姦被害者数
ネットで検索すると、すぐにこんなデータが見つかる。データが2006年までしかないのだが、だいたいの数は把握できるだろう。(→幼女レイプ被害者数統計
中学生被害が500人をはるか下回り、中学生以上未成年までの強姦被害が1000人以下となっている。ちなみに被害者総数は2000人を下回っている
幼女レイプ被害者数統計
こちらは上のデータから小学生の部分だけを抜き出したもの。2006年では被害者数46人と出ている。
嬰児殺しと幼児殺害被害者数統計
ついでにこちらも載せておこう。嬰児殺しの被害者数だ。
どちらも、無論あってはならない事件だ。しかし彼がブログに掲げているような年間被害者数6000人という数にはどうやっても及ばない。そもそもレイプ事件が多い年ですら、総数が2500人なのだ。
出自すら書かれていない。こんなデータを信じることはできない。
一方、上のデータは警察庁が発表した公式な数字から作られたものだ。どちらが信用するべきか、言うまでもないだろう。

■■■■■■■■■■■■

ざっとこの人のブログを読んでみて、軽く目眩がした。いったい彼は、何と戦い、何を目指しているのだろう。
いや、目指しているものは明白だ。ブログタイトルに「健全な社会を目指し・・・」と書かれている。その彼が考える「健全な社会」とは何だろうか? 文章の節々に、彼が抱いている理想が見えてくるものの、その理想があまりにも跳躍しすぎて理解ができない。はっきり言えば「地に足が付いた考え方」とはとても思えないのだ。
「健全な社会」を理想としてあるならば、当然「不健全な社会」という対比的イメージがあり、その実例こそが今の社会であるという認識なのだろう。しかしその「不健全な社会」として彼が示してみせた事例があまりにもファンタジックだ。彼が言うには、少女強姦事件は年間6000件にも及ぶと言うが、我が国がそんなにレイプ大国だとは恐れ入った。いったいどこのデータを参考に説明しているのか聞きたい。
こうしたファンタジックな空想に対して彼が考えた対策がまたユニークだ。漫画やアニメを規制すべきだ。漫画やアニメに規制をかければ性犯罪は劇的に減るはずだ、と彼は考える。性犯罪が減れば、自ずと人口や抑制され、世の中はより平和になる……これが彼が描いてみせた理想社会の絵空図だ。どうやら彼は、人口が増える原因の第1位がレイプだと考えているようだ。我が国は、そんなたくさんの「望まれない子供」がいたのかと驚いてしまう。
そういうのは、小説の中だけにしていただきたい。

しかし笑っている場合ではない。どうやら彼は、議員などに直接コンタクトを取るなどをして、規制を訴えかけているようだ。単にブログに妄想を書いているだけではない。その妄想を、現実にしようとして具体的活動をしているのだ。もしかしたら平沢勝栄議員は、彼に騙されているのかも知れない(→自民党・平沢勝栄議員「漫画やアニメに影響されて青少年らが性犯罪に走っている。よって規制を検討する」)。単におかしなブログを書いている人、と思って野放しにするわけにはいかないのだ。こういった人の暴走を止める必要があるのだ。
現実に、彼(あるいは彼ら)の積極的なロビー活動の末、ビックサイトの社長が表現規制派の元の警察官僚・竹花豊が就任した。
(あるいは彼ら)が頭の中で作り出した“ファンタジー”は、“現実”として着実に広がりつつあるのだ。

“現実”とは、世界中の人間が普遍的に共有されている感覚ではない。国が違えば、時代が違えば、宗教が違えば、現実に対する認識もガラリと変わる。また、隣に住んでいる人同士であっても相容れないものがある。それは当然だ。“現実”は人の数だけある。
彼は、彼の頭の中で“レイプ大国日本”を作りだし、“漫画とアニメを規制すればレイプ犯罪は減る”と考え、またさらに、“人口が増える原因はレイプ”であると考えているのだ。彼は自分が空想で作り出した「社会イメージ」を自分で信じているのだ。
小説家は、紙の世界に虚構を作り出すのが仕事だが、無論、虚構を作り出すにはかなりの程度の現実感覚という立脚がなければならない。普遍的な社会が、どんなふうに現実を見てどのように現実と接しているか。これを把握した上で“敢えて嘘”を描くのが小説家の仕事である。紙の世界に理想を描いているが、もちろん現実がその通りになっていないことは充分に承知した上で描いている。
しかし彼は、明らかにいって“現実”と“非現実”の区別が付いていない。はじめに“現実は人によって違うもの”と書いたが、彼が抱いている“現実”へのイメージはファンタジーにすぎないものと断言できる。何せ立脚するものが何もない。小説家が“あくまでも嘘の世界”として描く理想世界のほうを現実であると混同してしまっている。かなり危険な思想を持った人間とも言えるだろう。
彼の描く“現実”と“理想”は、そのどちらも小説として描いたとしてもリアリティがなさすぎるのだ。小説にしてもリアリティのないストーリーを、“現実”だと信じているのだ。

それはともかく、この人のブログをよく読んで欲しい。そして多くの人に見てもらいたい。こういう人が、今まさに漫画の表現規制を押し進めているのだ。

■ 関連記事→【児童ポルノ法規制】日本の児童ポルノは0.1%に過ぎない。