「“トレパク”特定班が凄すぎる」「次から次へと発覚」 江口寿史氏の“パクり”問題、ネタ元女性と和解も「取り下げラッシュ」が起きるワケ
■なぜ“トレパク”は起き続けるのか? 直近では、2022年に人気イラストレーター・古塔つみ氏の作品の多くが“トレパク”だということが、SNSで相次いで指摘された事案が思い起こされる。 2019年には、「銭湯絵師見習い」として活動していたアーティストの勝海麻衣氏が、大正製薬のエナジードリンク「RAIZIN」のイベントでライブペインティングを行った際に描いた絵が、イラストレーター・猫将軍氏の作品に酷似しているという指摘を受けた。
2024年に発刊された書籍『マンガ・イラストにすぐ使えるキャラポーズ図鑑 自然なしぐさからアクションまで あらゆるポーズ1800』に、トレースの疑いがある図版が多く含まれているとして、出荷停止、絶版となった。 本書は、中国で出版された書籍の日本語翻訳版だったが、原書にトレースの図版が使われていたため気付くのが難しかったと考えられる。 こうした問題が起き続ける理由はいくつかある。 1. そもそも、オリジナルと模倣の区別の基準自体があいまいである
2. ネット上に画像があふれているため、トレースが容易になっている 3. デジタル技術の進展により、画像の加工が容易になっている 4. 規制やルールの強化に、クリエイターの意識が追い付いていない 5. (2と同じ理由から)既存の画像やイラストと類似したものが存在してしまう 6. 一般ユーザーによる“パクり”の特定が容易になっている ■解決策はあるのか? ネット上での「特定」はさかんに行われているが、事前にトレースを見抜くことは難しい。
依頼する企業や、仲介する広告会社は、問題が起こらないように細心の注意を払っている。当然、商標のチェックは行うし、類似のデザインがあれば制作者に修正を求める。 たとえば原作のパロディーやオマージュをした広告を作る場合は、原作の権利関係者に説明し、承諾を得るというプロセスを取っている。 たとえ法に触れていないとしても、批判やクレームが想定される場合は、できる限りそれを回避するように努めるのが通常だ。