「“トレパク”特定班が凄すぎる」「次から次へと発覚」 江口寿史氏の“パクり”問題、ネタ元女性と和解も「取り下げラッシュ」が起きるワケ
漫画家・イラストレーターの江口寿史氏による、写真を無断でトレースして商用利用する、いわゆる“トレパク”問題が波紋を広げている。 【写真】「あまりにトレース?」江口寿史氏のイラストと、モデルとなった女性 複数の企業が使用していた江口氏のイラストを取り下げている状況だが、新たな疑惑も相次いで発覚しており、問題がどこまで広がるか現時点ではわからない状況だ。 商用作品における“パクり”問題はこれまで何度も起こっており、問題視されてきた。にもかかわらず、こうしたことが起き続けるのはどうしてだろうか? この問題を防ぐための手立てはあるのだろうか。
■江口寿史氏の行為は「違法」なのか 最初に今回の経緯を整理しておこう。 10月3日、ルミネ荻窪で行われるイベント用に江口寿史氏が描いたポスターについて、一般女性がInstagramに載せていた写真を無許可でトレースして制作していたことが発覚した。 江口氏と当該女性がXにて経緯を説明し、女性からは事後承諾を得た旨も報告された。 これを受けて同日、ルミネ荻窪は「制作過程に問題があった」としてポスターを撤去。6日には同ビジュアルを「今後一切使用しない」と発表した。
その後、江口氏の過去のイラストについても、同様の疑惑が浮上した。 10月4日に眼鏡量販店のZoffが「確認作業を進める」、5日にセゾンカードが「使用を見合わせる」、10月6日にデニーズが「使用を控える」と発表している。 こうした動きの背後には「特定班」と呼ばれるネットユーザーの動きがある。彼らは、江口氏の作品の元ネタとなった画像を調べて特定し、SNS上で報告し合っている。これによって、数々の“パクり”疑惑が露呈している状況だ。
江口氏の行為は、「肖像権」「著作権」「パブリシティ権」の侵害の可能性があると指摘されているが、現状では明確ではない。 また、火種となったルミネ荻窪のイラストは、モデルとなった女性から承諾を得られている。法律的には問題ない状況になったはずだ。なぜ、違法行為が確定していない段階で取り下げられたのだろう? ■「取り下げ」になるのは必然だった 広告をはじめとする商用ビジュアル・デザインに関しては、「法に触れていなければ問題ない」という言い分は通用しない。