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Conversation

【赤字の企業の立て直し方】 今日はこの質問について持論を述べたいと思います。 最初に断っておきますが、僕は赤字企業をV字回復させる秘策など知りません。 「赤字から急回復する為に何をしたのか?」とよく聞かれるのですが、僕が社長になった当時の社内はこんなイメージでした。 ↓↓↓ みんなで船に乗っていて 水がどんどん浸水し、船内に水が上がってきています。 船員から 「大変です、どこからか水が漏れています」 と報告を受け、船長は 「穴が空いてる箇所を探せ!」 といって、皆んなで手分けして穴を探すのですが一向に見つかりません。 穴が空いてる箇所を見つけることができれば、そこを修理して塞げば終わりなのですが、どんなに探しても、それらしい穴は一向に見つけられません。 しかし、その間もどんどん水嵩は増えていきます。 船内に入り込んできた水を、バケツで汲んで外に捨てていきますが、追いつかず、どんどん浸水は進んでいきます。 このままでは、船は沈没してしまう… 結局、どこから水が漏れていたのかというと、実はいろんな隙間から少しずつ漏れ出していたのです。 一箇所では気にならない程度に水が染み出しているだけでしたが、その数が何百ヶ所にも広がっていて、気づけば染み出した水の量は船を沈めるには十分な量になっていたのです。 そこで、船長(社長)として自分が何をしたのかというと、当たり前ですが、根気強く一箇所づつ修理していきました。 接客を見直して、買い上げ率を0.5%向上させる。 検品基準を見直して不良品率を1%下げる。 仕入れ原価を見直して、粗利率を0.7%向上させる。 シフトの効率化を図り人件費を1%下げる。 物流を見直して、配送コストを0.4%下げる。 価格設定を見直して、客単価を1%上げる。 銀行と交渉して利息を0.1%下げる。 これで今月は営業利益が4.7%上がった。 また翌月も更に同じように細かな改善を積み上げ、営業利益率を5%まで上げれた。 そして翌々月も… こんな感じで、気にしないで見てると見落としてしまいそうな細かな改善や改良を続けて、0.1%単位で利益や売上を積み上げていきました。 そして週次で損益を確認し、月次で損益を確認し、四半期で損益を確認し、そしてその積み上げで最終的に決算が良くなっていく。 もし同じような状況に陥ってる方にアドバイスがあるとすれば、後はその改善・改良を実行するスピードを出来る限り早くしていくことでしょう。 金額に直すと、仮に月1%=100万円の改善だった場合、年間では12%=1200万円もの利益貢献になります。 改善するなら1日でも早いにこしたことはありません。 スピードが持たらすコストは過小に評価されがちですが、これも同様に積み上げると大きな影響が出てきます。 残念ながら企業経営には、魔法も無けれは必殺技もありません。 赤字の会社を立て直す為にできることは、ただ細かな改良・改善を愚直に積み上げていくしかないのです。 そして赤字から回復した後、会社を成長させる為にやるべき事も、同様に日々、地道に細かな改良・改善を積み上げていくだけです。 たまに大ヒットする商品や、サービスを出して急成長する企業もありますが、それらは日々の地道な努力の積み重ねの上で、たまたま生まれたボーナスみたいなもので、話題になっているその部分にだけスポットライトをあてて、研究したところで、再現性なんて、ほとんどありません。 もう一つ、OWNDAYSではよく「良いブランドの定義」をオーケストラに例える事があります。 オーケストラは、全員の演奏がピタリと合わさって初めて、その曲が持つ世界観を表現する事ができます。 しかし、楽器のチューニングが微妙にズレてる人や、少しだけリズムを外してる人、出すべき音圧が出せてない人、etc.... 1人1人の演奏だけを個別に聞いても、問題が無い程の僅かなズレやミスでも、全体で演奏した時に、その微細なズレが重なると、正体不明の違和感が起き、得体の知れない気持ち悪さを生み出します。 ブランドも同じで、様々な部署や仕事に携わる人達が細部まで神経を張り巡らして、高い完成度を持ち、更にそれらがピタリと一つに合わさった時に、初めて優れたブランドが生まれるものだと思います。 経営者の仕事とは、結局、ピンチの時も、平時の時も関係なく、さながらオーケストラの指揮者のように、「細かい違和感」にどれだけ敏感に気付き、妥協せずどこまでこだわって改善・改良を繰り返す事ができるか? これしかやれる事は無いと思うのです。 偉そうに書きましたが、これはあくまで僕の持論であって、正しいかどうかは知ったこっちゃありません。 頭の良いコンサルタントの人なんかは、ひょっとすると、V字回復の必殺技とか、急成長させる魔法を知ってるかもしれませんので、そんな人に出会ったら、素直に必殺技や魔法を伝授してもらってください。