千葉県船橋市小室町の介護施設「シンシア船橋」で短期入所生活介護の利用者の入浴回数が不足していたとして、市は8日、介護保険法に基づき、新規利用者の受け入れ停止と介護報酬3割減の行政処分にしたと発表した。処分期間は11月1日から3カ月間。
市によると、短期入所生活介護の入浴回数は介護保険法に基づく省令で1週間に2回以上と義務づけられている。市の監査で、2023年12月、24年2~5月と7~9月の計8カ月で、延べ152人(実人数47人)の入浴回数が週1回と不足して、不足回数は計568回に上った。施設側は、職員の退職や休職が相次いでいたと説明したという。
市は入浴回数不足は高齢者虐待(介護・世話の放棄・放任)に当たり、その状態を解消できないまま利用者を満床(定員54人)まで受け入れ続けたことは利用者の人格尊重義務に違反すると判断した。人格尊重義務違反による行政処分は船橋市では初めて。
施設が一体的に運営する介護予防短期入所生活介護についても同様の処分にした。
施設は「株式会社グローバル総合研究所」(名古屋市)が運営している。【石塚孝志】
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