【パリ=三井美奈】フランスのルコルニュ首相が6日、就任から1カ月足らずで辞任した。5日に発足させた内閣が下院で信任を得られない見込みとなったためで、マクロン政権で退任した首相は昨年来、5人目になった。政局混迷に歯止めがかからず、総選挙を求める声が強まっている。
ルコルニュ氏は6日、首相府で演説し、「任務が果たせる状況ではない」と述べた。来年の予算をめぐり、与野党や労働組合の代表と話し合ったが、共通の立場を見いだせなかったと説明した。仏大統領府は、マクロン大統領が6日に首相の辞意を受け入れたと発表した。
ルコルニュ氏は9月9日、下院で信任を得られずに退任したバイル前首相の後任として、首相に任命された。約3週間にわたって組閣協議を続け、中道左派の野党からも支持を得ようとしたが、実現しなかった。5日に新内閣を発表したが、バイル前内閣をほぼ引き継ぐ陣容で、閣僚を出す中道右派、共和党からも反発が出ていた。
共和党や極右「国民連合」は大統領に下院を解散し、総選挙を行うよう要求。大統領の辞任を求める声も出ている。総選挙は昨年夏にも行われた。