保育士をやっている妹が、保育園で1番人気のある絵本、と教えてくれました。自分は書店員で児童書担当ですが見た事がなかったので調べてみたら絶版との事で残念!子ども達はおじいちゃんの表情に興味津々で、ページを捲るたびに真似をするそうです。是非復刊を!
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顔は面白い 天野祐吉
何が面白いといって、人間の顔くらい面白いものはない。テレビが面白いのは、面白い出来事や演芸を見せてくれるからというよりも、いろんな人間の顔を次から次へと見せてくれるからだ。
野球や相撲の中継にしても、試合そのものを楽しもうと思ったら、現場に出かけて見るほうがいいにきまっている。テレビがテレビとして生きるのは、なんといっても、江川の顔や朝潮の顔がアップになるときで、その表情を見ているほうが、少なくともぼくには、試合なんかよりずっと面白いことが多い。
その江川も含めて、巨人の選手たちはおしなべて無表情である。その無表情は、一流企業のエリート社員の無表情に、あるいは中曽根サンの無表情に、どこか通じているように思う。それにくらべると、ロッテの落合なんかは、実に表情が豊かだ。あれは下町のワルガキが、立派に大人になったという感じの顔である。
顔は変わるものだ、という。たしかに子どもから大人になっていくにつれて、人間の顔は何度か変わっていく。その変わり方がいい変わり方ならいいけれど、大人になるということがだんだん無表情になっていくプロセスだとしたら、これはとても悲しいことだ。
ぼくは昔から、いい顔になるよりも面白い顔になりたいと思ってきた。アラン・ドロンのような生まれついての二枚目ならいざ知らず、しょせんぼくのような顔では、面白い顔にならないかぎり、女性にモテないだろうと思ったからである。いまのところ結果はさんざんだけれど、なァに人生は長い、勝負はこれからだと、いまも自分をはげましつづけている。
念のために言っておくと、ぼくがめざしている面白い顔は、珍奇な顔のことではない。表情が豊かで、いきいきとしていて、いつまで見ていても飽きないような顔である。そんな顔のカタログをつくってみたいと、ある日フッと思ったことが、この絵本の出発点になった。
基本情報
- カテゴリ
- 月刊誌
- ページ数
- 24ページ
- サイズ
- 21×20cm
- 初版年月日
- 1986年01月01日
- シリーズ
- こどものとも年少版
- ISBN
- ー
- テーマ
- ー
みんなの感想(3件)
おじいちゃんの顔が写っているだけなのに。図書館で見かけて思わず手に取って、引き込まれました。CMの世界で著名な天野祐吉さんのシンプルな文がついていて、おじいちゃんの豊かな表情と相まって、つい笑ってしまったり、しばし考え込んでしまったり。子どももおとなも楽しめて、読んだ後になにかが心に残る絵本です。紹介したい絵本ですが、手に入らないのがとても残念。ぜひ復刊をお願いしたい一冊です。
学生時代、絵本の読み聞かせサークルで読む本を探していた時に、小さな図書館の分館で出会った絵本です。 俳優 加藤嘉の様々な顔をアップで捕らえ、その一枚一枚に付けられた絶妙な一言。白い背景と真っ白なマオカラーの白シャツとにより、顔以外の視覚情報を極力排除することで、名優の表情を際立たせています。加藤嘉の表現力にもうならせられ、忘れられない名作です。 しかし図書館で手に取ることは可能でも、手には入らない…再版を切望しております!
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