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気になるA村さんのその後

A村さんからの退職届は本人を説得しいったん保留にしたが、C松課長から配置転換の話を出され途方に暮れたD森部長は、B中主任を呼び状況を説明したところで、「君はどう思う?」と尋ねた。

「A村さんはウチの課を希望して配属されたのでやる気があり、課長から指示された業務もそつなくこなしています。そこは定期人事異動に渋々応じた前任者とは違います。特に私が今担当しているチームは人手が足りないので、ぜひメンバーに入れたいです。じゃないといつまでたっても彼は仕事を覚えられません。4月には後輩が入るので今の状態ではマズイでしょう?」

「でもC松課長がOKするだろうか?前任者にパワハラ呼ばわりされたトラウマがあるみたいだし…⋯」

「それは、企画経験がない彼をいきなり当時いちばん大変なプロジェクトに入れた課長のミスです。今回はそこまで難儀ではないし、私もA村さんには気を配るようにします」

「わかった。よろしく頼む。C松課長はこっちで説得するよ」

D森部長の説得に応じたC松課長は翌日、A村さんのプロジェクトメンバー入りを正式に決めた。知らせを聞いたA村さんはすぐに退職届を撤回した。そしてC松課長は正式に他部署への異動を願い出た。そして……。

プロジェクト発足日の朝、A村さんに衝撃が走った。B中主任がC松課長の後任として急遽昇進したのだ。これからは課全体の総括者となるため、自らプロジェクトチームを率いることはなくなる。

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「せっかくアピールしたのに、もうB中主任と一緒に仕事できないなんて……」

ショックで顔が曇ったA村さんを見たB中課長は笑顔で言った。

「大丈夫。週に2回の個人ミーティングで自分のノウハウをしっかり教えるから、わからないことがあったら何でも聞いてね」

A村さんは安どの表情で頷いた。

 

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