やる気マンマンの入社3年目社員が「ホワハラ」を理由に退職を希望…どうしたら予防できた?どうやって引き止める?

様々なハラスメントが問題になる現代において、「パワハラ」とは対極の「ホワハラ=ホワイトハラスメント」なるものも存在する。ホワハラは、上司や先輩が部下や後輩、同僚に対して仕事の負荷をかけないよう過剰に気を使って仕事や指示を与えないことを言う。受けた側は成長の機会を奪われたと感じるのだ。 

実際にどんな行為がホワイトハラスメントにあたるのか?部下指導のさい「ホワハラ」を予防するポイントとは?事例をもとに、社会保険労務士の木村政美氏が解説する。 

本記事の登場人物 
A村さん:25歳。大学でインテリアデザインを学び、甲社の商品企画課に配属された。熱心で向上心があり、B中主任を尊敬している。しかし、入社後プロジェクトに参加させてもらえず、C松課長から雑務ばかり任されている。

B中主任:35歳。A村さんの隣席にいる先輩。これまでに複数のヒット商品を生み出しており、周囲から一目置かれる存在。A村さんは、B中主任が参加するプロジェクトミーティングを見学するたびに刺激を受けている。

C松課長:40歳。A村さんに雑務ばかりを指示し、プロジェクトに参加させない。A村さんが先輩の仕事を手伝いたいと申し出ても、「自分たちの仕事で君に残業させるわけにはいかない」と拒否する。

D森部長:45歳。甲社の総務部長。以前C松課長に、「仕事に慣れていない部下に過剰な仕事をさせない」ように注意した。今回は逆にA村さんの扱いをホワイトハラスメントではないかと指摘、C松課長を混乱させている。

ホワイトハラスメント(=ホワハラ)とは

ホワハラとは上司や先輩が部下や後輩、同僚に対して仕事の負荷をかけないようにと過剰に気を使って仕事や指示を与えないことで、結果的に精神的な負担を与え、成長の機会を奪う行為をいう。

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ホワハラが誕生した背景は、2020年に施行された労働施策総合推進法の改正法(パワハラ防止法)により、パワハラやコンプライアンスへの意識が高まったことと関係が深い。適切な指導でもケースによってはパワハラと言われることに過敏反応した上司や先輩が、部下や後輩に対して指導などの接触を避けることで意思疎通や関係が希薄になり、結果としてホワハラが発生しやすくなったと考えられる。

上司と部下におけるホワハラの一例としては

・上司が「あとはこっちでやるから」と言って部下に残業をさせない。

・部下に負担をかけないよう、簡単な仕事ばかりを割り振る。

・部下に「そんなに頑張らなくてもいい」と言って自らが仕事を手伝う。

・メンバーであっても、「聞いているだけで大変だろう」と思い、ミーティングの参加者からはずす。

・運動会や社員旅行など休日に開催される会社行事には、「疲れるだろうから参加しなくていいよ」と言う。

・部下がミスや遅刻をしても「指摘したら傷つくかも」と思い、注意をしない。

などがあげられる。全体的に言えるのは、部下が求めていないにもかかわらず、上司の考えで勝手に業務量や業務内容を軽易なものに変更する、業務上の指導や注意をしないことである。

ホワハラの特徴は、ハラスメントの加害者となる上司には悪意がなく、むしろ部下の心身に過度な負担がかからないよう配慮していることだ。だからその言動に対して自分がハラスメントをしている自覚がないばかりか、部下思いのいい上司だと思われていることを期待している。しかしもし部下が「仕事面での成長を妨げ、キャリアアップの機会を奪うことは一種の嫌がらせだ」と感じた場合、ホワハラを受けたと思われる可能性があるのだ。

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