light
The Works "第24話 小さなわがままと大きな罪" includes tags such as "ようこそ実力至上主義の教室へ", "綾小路清隆" and more.
第24話 小さなわがままと大きな罪/Novel by ピカチュウ

第24話 小さなわがままと大きな罪

3,589 character(s)7 mins
1
white
horizontal

朝比奈なずなの独白


私は2年Aクラスの朝比奈なずな。クラスのリーダーで、生徒会で副会長をしている南雲雅の取り巻きの1人。私にとって一昨日まで非常に気に食わない展開が続いていた。展開?そんなのは決まってる。学年に敵がいなくなった雅の学年に独裁政権を敷いた。学年では、誰も止めれる人がいなかった。桐山くんはなすすべなく敗れ、唯一対抗できそうな鬼龍院さんは学校の特権に興味はなく雅を相手にしようともしなかった。調子に乗ったアイツは、敵対する生徒を退学に追い込んで学年そのものを掌握した。高校生活はもうすぐで折り返しを迎えるけど、Aクラスでの卒業はもう決まったのも同然。この学校に入ってAクラスで卒業できることに越したことはない。でも、理屈と感情は別だ。

今は堀北先輩がいるから歯止めはかけられてるけど、卒業したらどうなるかは私でもわかる。学校そのものを支配するつもりなんだろう。ただAクラスを目指してひたむきに戦ってた雅はどこに行ったの?

そんな中、昨日期待できる1人の1年生が現れた。その子は、可愛い後輩である帆波のクラスメイトの綾小路くん。彼の名前は会う前から知っていた。帆波の口から何度も聞いたことがある。帆波はいい子だけど特定の誰かを褒めちぎることはない。だから、饒舌に話す綾小路くんとは会ってみたいと思っていた。勉強、スポーツは優秀、初めてだったらしいボーリングもすぐにマスターしてたし、能力は極めて高いと思う。それに雅と綾小路くんは似てるようで違う。昨年、入学して雅がリーダーに名乗りをあげたとき反対した子を力でねじ伏せた。でも、綾小路くんは自分の力を成績と結果で見せつけた。それに綾小路くんのことをよく思ってない子たちもいるそうだけど放置してるらしい。それに雅はクラスを引っ張り私たちをAクラスに導いたけど、綾小路くんは試験を捨てるなどAクラスを狙ってるのか、と突っ込んでしまいそうになった。兎に角、綾小路くんの考えを知りたい。だから、昨日の夜に会う約束を取り付けることができた。昨日ゲットした連絡帳からチャットを開いて、詳細が来ているか確認した。


ランニングから帰ってくると、シャワーを浴びて軽く朝食を食べる。フレンチトーストを多めに作ったが、今日の客人は食べるだろうか。生徒会長と副会長にメッセージを送り、部屋の掃除をして待つ。

11時になると、インターホンが鳴り開けると2年Aクラスの朝比奈先輩が立っていた。

綾小路「どうぞ、お入りください」

朝比奈「お邪魔しまーす」

先輩座らせてから、アイスコーヒーを淹れた。コーヒーを淹れるのは自分でも飲むから慣れてきた。ココアやお茶も淹れれる。今話すことではなかったか。

朝比奈「淹れてもらってごめんね。あと、砂糖ほしい」

綾小路「わかりました。フレンチトースト作ったので、小腹がすいてれば食べてください」

朝比奈「それじゃあ、遠慮なく」

昨日も思ったが、かなりフランクな人だな。同学年の他クラスからはBクラスのリーダーということで警戒の的にされている。クラスメイトや平田など一部の生徒を除くとまとも話したこともなければ、上級生は堀北、橘、南雲しか話したことはない。今目の前にいる朝比奈先輩は昨日挨拶しただけだ。正直なところ断るつもりでいたが、この上級生がどんな人物なのか見極めるために了承した。先輩が姿勢を正すと、マグカップを置いて話を聞く姿勢になった。

朝比奈「昨日の今日でごめんね。初対面から24時間も経ってないのに」

綾小路「別にいいですよ。むしろ先輩のほうが良かったんですか?」

朝比奈「何が?」

オレには疑問があった。後輩とはいえ初対面の異性の部屋に入って大丈夫だったのか。ハニートラップの可能性も視野に入れていたが、ケヤキモールで会ってるところを見られる方が面倒だからオレの部屋にしたんだが。

綾小路「後輩とはいえ初対面の異性の部屋で。襲われる可能性は考えなかったんですか?」

朝比奈「別に~?」

それは心外だと言われる。

綾小路「そんなあっさり答えられると、逆に理由を聞きたくなりますね」

朝比奈「帆波が大丈夫だからって。さすがに私もそのくらいのことは考えるよ?でも、帆波が言うなら問題はないと思って」

綾小路「それだけですか?表の顔と裏の顔を使い分けてるかもしれないんですよ」

朝比奈「一応、人を見る目はあるから」

綾小路「そうですか」

朝比奈先輩がそう言うならこれ以上言うことはない。本題に入るとしよう。朝比奈先輩がオレに何の用かを。コーヒーを一口飲んで話を切り出した。

綾小路「オレに何の用ですか?」

朝比奈先輩「君の考えを聞きたくってさ」

綾小路「いつもAクラスに上がることだけを考えてますよ」

朝比奈「そうなのかな。部屋を見渡すだけでも、参考書とかはないから勉強してる感じはしないし、だからといってトレーニングしてるようにも見えない」

綾小路「勉強に必ず参考書がいるかと言われればそうではありませんし、トレーニングにダンベルとかがいるかと言われればいらない。そういうことですよ」


朝比奈「それもそうだね」


そういうと、朝比奈先輩はフレンチトーストをモグモグおいしそうに食べていた。


朝比奈「アイスコーヒーとフレンチトーストの組み合わせもいいね」


綾小路「砂糖をたくさん入れていたようですが、甘すぎませんか?」


朝比奈「そう?甘いの結構好きだしよくわかんなーい」


綾小路「先輩は、オレの考えを聞いてどうしたいんですか?」


朝比奈「聞いてくれる?私たちのちっぽけなわがままで、大きな罪を」


私の考え(独白)を伝えた。綾小路くんは表情を全く変えることなく聞いていた。それが怖く
もあり、態度を変えないから安心もした。


綾小路「ようは、オレに副会長を潰してほしいと?」


朝比奈「ちょっと違うかな。昔の雅に戻してほしいの。堀北先輩じゃ期待できそうにないからさ」


綾小路「歴代最高の生徒と言われてるんですよね?オレよりも頼りになると思いますよ」


朝比奈「んー堀北先輩は違う気がする。私の勘だけど。少なくとも先輩からは動かないと思
う。それで、生徒会には入るの?」

まあ妥当だな。あの男が学校の規律を乱すことでなければ看過するだろう。この学校は学年別のクラス対抗が主体で回ってる。他学年に口を出すつもりがないのだろうな。


綾小路「入ろうと思います。さきほど、南雲先輩にメールをいれました」


朝比奈「それなら、すぐにわかると思う。私が雅を止めてほしい理由を」


綾小路「拝見させてもらいます」


すると、朝比奈は部屋を物色し始めた。ベッドの下を覗いたり...彼女の名誉のためにもこれ以上は語らないでおく。


朝比奈「ふむふむ。ビデオレコーダーとか使ってないでしょ?」


何で、わかった。オレの思ってることをすぐに理解したのか、すぐに教えてくれた。先輩はよく使うらしいが、俗世間の知識がないオレには宝の持ち腐れだ。


朝比奈「埃被ってるから普段使ってない証拠」


朝比奈「私で、ビデオ持ってきたんだ!見よう」


綾小路「ここで、ですか?」


朝比奈「うん、ここで!」


内容はまさかのホラー映画だった。この人、ホラー系は見れるのか、と疑問に思う。オレとしては結構好みであるため大歓迎だ。


しかし、30分ほど経つと映画の内容よりも朝比奈先輩の悲鳴をあげてオレの裾を掴んでるほうが気になった。そこからなんとか1時間はなんとか耐えることができた。

綾小路(やっと、終わったか)


朝比奈「ふぅ、面白かった」


綾小路「悲鳴をあげてたのは、オレの空耳ですか?」


朝比奈「う、うるさいな。年上を揶揄うんじゃありません。私、帰るね。聞いてくれてありがとう」

朝比奈先輩は逃げるように帰っていった。


雅は綾小路くんに負けた後、堀北先輩が卒業したら次の遊び相手は綾小路くんだって言ってたけど、嫌な予感がする。取り返しのつかないほど失ってしまう。今まで敵を作りすぎた雅に味方してくれる子は果たして何人いるのか。

だから、そうなる前に

―どうか、最初の雅に戻してあげてー

あの無気力そうにしてる後輩くんなら何かできるんじゃないか。そう思わずにはいられなかった。


今回はなずな回でした。これもどこで入れるか探り探りで考えていました。これで夏休み回は終わりです。夏休みだけで半年かかりましたが、自分にしてはよく8話もかけたと思っています。内容が薄くストーリー的に進展があるかどうか微妙な話でしたが、読んでいただきありがとうございます。次回からは2学期に入ります。

Comments

  • 南雲って原作小物感凄かったけど実際の力量も気になるなあ〜

    July 9, 2022
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
Popular illust tags
Popular novel tags