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7月の修善寺温泉読書会

 「修善寺温泉読書会」は、月に1回、近代文学作品を読み、その感想を話したり聞いたりする会……なのですが、1年に12回、会を開催するうち、2回は「好きな本紹介」の会を設けております。
 7月開催はこの「好きな本紹介」会。過去に開催したどの会よりもたくさんの参加申込があり、持ち寄られる本も非常にバラエティに富んでおりました。ヤッター!
 今回は開催レポートにかえて、紹介頂いた本の一部を、参加された皆様の紹介・感想とともに紹介できればと思います。
 紹介順はランダムです。
 (全部は紹介しきれず、恐縮ではございますが、ご了承願います…!)


●風が吹くとき(レイモンド・ブリッグズ)

老夫婦が素敵な生活を送っているなか、少しずつ生活に異変が生じはじめます。牛乳が届かない、電話が通じない……
「国が大丈夫と言っているから大丈夫」と思い続けた末に…… 老夫婦は一体どうなってしまうのか?

(紹介の要約)

 紹介くださった方が、デヴィット・ボウイが主題歌を担当する、同作品のアニメ映画の予告を見て、原典である絵本の購入に踏み切った、とのことでした。

 昨今の世相を鑑みるに、人ごとでは済まされない部分があり、大切なことが著されているような印象を受けました。



●残穢(小野不由美)

山本周五郎賞受賞作で、ストーリーや文章がしっかりとしていて読みやすい。
半分ほど読むと、読者がストーリーのなかに巻き込まれていく「仕組み」がつくられており、ホラー好きの中でも『家にこの本を置いておきたくない』という読者が出てくるほど。

(紹介の要約)

 夏だから、ということで、ホラー小説を紹介くださった方もいらっしゃいました。
 ホラーに疎くても、タイトルだけは知っている「残穢」。紹介くださった方曰く、「この作品を『めちゃくちゃ怖い!』と思う人と『全く怖くない』と思う人がいる」と仰っていたのも、何だか不思議でおっかないところです。紹介くださった方は前者とのこと。後者派の方がもしいらっしゃいましたら、そっと教えてください。


●ももたろう(ガタロー⭐︎マン)

 絵本の筋書きとしては、一定数以上の日本人が知っているはずの、あの「桃太郎」そのままなのですが、絵に込められたPOWERが壮大でした。漫⭐︎画太郎先生のブランド力のなせるわざですね。
 紹介くださった方は、これを中学校での読み聞かせボランティアで読み聞かせた、とのこと。「中学生を相手に桃太郎なんて持っていっていいんですか?」と伺ったのですが、曰く、「これ、メチャクチャ面白がってもらえました」とのこと。

YouTubeで紹介動画がアップされておりました。圧倒的POWERです。



●世界のお墓文化紀行(長江曜子)

写真集としても美しい上、世界のそれぞれの場所で「死」がどのように受容されているのかを知ることができる。ぱらぱら読むのも、じっくり読むのも楽しい。

(紹介の要約)

 ぱらぱらと本をめくりながら紹介頂いたこの本。その「パラ見」だけでもどこか心惹かれる写真がたくさんあり、周りの参加者から「本をよく見せてほしい」という声があがっていました。
 当事者意識をもって【死】を見つめるのは辛く苦しいことではありますが、そういう意識からは少し離れた地点から【死】を見つめる本なのかしら、と、紹介頂くなかで感じました。


●行動経済が最強の学問である
●応援消費がよく分かる本

 購買行動にかかわる2種類の本を持ち寄りくださった方もいらっしゃいました。頂いた紹介のなかでは、

・「『つい』買ってしまう」「『つい』選んでしまう」を誘発するのが行動経済学
→例えば、スーパーのレジ横のガムを「『つい』買ってしまう」、松竹梅にランク分けされた弁当の「竹」ランクを「『つい』選んでしまう」……といったふうに、購買行動における『つい』を探究することで、ひとの購買活動をある程度コントロールできる

・反対に、個人の意思や価値観を購買行動に落とし込むのが「応援消費」
→例えば、「アニメの聖地である」沼津に観光に出かけること、天災の被害に遭った場所(の付近)で作られた農産物や工芸品を買うことを通して、アニメや生産地への「応援」を行える


こういう購買のありようが二つながら存する…… というところに目をつけていらっしゃる方から本を紹介頂きました。
(稿者の理解が及ばず、的外れなことを言っている可能性があります…! スイマセン!)



●蜜蜂と遠雷(恩田陸)

音楽好きにはたまらない! ピアノコンクールの話です。4名の主要登場人物が予選のたび絞り込まれていくスリル・臨場感が活写されています。
文章で音楽を巧妙に表現できており、作中登場曲を聴きながら文章を読むと、音楽・文章のどちらもをしっかりと味わえます。

(紹介の要約)

映画化もされ、いっとき書店を大いに賑わせていた印象のある本作。稿者は造詣が深いわけでは全くないのですが、造詣の深い方が本作を読み解くと、いろいろなことが見えてくるようです(↓)。 すごい…!




「会への参加は難しいけれど、本紹介をしたい」「もっといろんな本を知りたい」という方は、ぜひ、修善寺温泉で刊行のフリーペーパー「湯文好日」のwebサイトも併せてご覧ください。


 「修善寺温泉読書会」は、月に1回、近代文学作品を読み、その感想を話したり聞いたりする会です。
 SNSで次回以降の開催予告を適宜アップしておりますので、よろしければご覧ください。
 ご都合がつきましたら、是非修善寺でお会いしましょう!

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県東部でもそもそと暮らしています。
7月の修善寺温泉読書会|ンダ
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