助成金詐欺事件のアルカディアが運営していた福岡市・天神の結婚式場、別会社が改装し再オープンへ
新型コロナウイルス対策に関する国の助成金約7200万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた結婚式場運営会社「アルカディア」(福岡県久留米市)の元社長の被告(55)ら元幹部4人の判決で、福岡地裁(岡本康博裁判官)は8日、「被害は多額で悪質」として、元社長の被告に懲役4年(求刑・懲役6年)、他の3人には、いずれも懲役3年、執行猶予5年(同・いずれも懲役4年)を言い渡した。 【写真】福岡地方裁判所
アルカディアが運営していた結婚式場のうちの一つ、福岡市・天神の式場について、横浜市の結婚式場運営会社「BP」が改装した上で来年6月頃を目指して、再オープンする。BPはア社元従業員を対象にスタッフを募集している。
BPの担当者は「突然大好きな仕事を失った方の手助けをするとともに、福岡での経験を生かしてもらい一緒に盛り上げていきたい」と話している。
婚姻減に「ジミ婚」「ナシ婚」
ブライダル業界では倒産や廃業が相次いでいる。
東京商工リサーチによると、2024年度の結婚式場運営業や結婚相談業などの倒産件数は13件で、過去10年で2番目に多かった。また、同年度の休廃業・解散は4~12月までで37件となり、23年度の35件を超えて最多を更新した。コロナ禍で急減した挙式数が回復していないことなどが影響しているとみられる。
厚生労働省の人口動態統計によると、婚姻は最も多かった1972年の約110万組から減り続け、2024年には約50万組に減少。同社の担当者によると、婚姻の減少とともに、家族など小規模で開催する「ジミ婚」や、写真撮影のみで式を開かないなどの「ナシ婚」が広がりつつあることも倒産や廃業の背景にあるという。