職員が通勤手当を不正受給の八王子市、住居手当・扶養手当も計256人が返納…最高額は118万円
東京都八王子市職員の手当の不正受給問題をめぐり、市は7日、計256人の職員が計2094万円の住居手当と扶養手当を返納していたと発表した。自宅購入後も住居手当を受給していたケースが複数確認されており、最高額は118万円に上った。市は「必要に応じて再調査し、悪質なケースがあれば、処分する」としている。(長谷部耕二) 【図解】一目でわかる…これだけの職員が手当を返納した
発表によると、2018年4月から25年9月までに、職員36人が住居手当計435万円、220人(238件)が扶養手当計1659万円を返納した。
市労務課によると、住居手当は、賃貸住宅に住んでいる35歳未満の職員に対し、毎月1万5000円が支給される。読売新聞が市に情報公開請求して開示された資料などによると、最高額は、23年度に返納した主任の職員の118万5000円で、自宅を買った後も6年以上にわたり、手当を受給していた。
規則違反にあたる自宅購入者や実家に住んでいた職員は、数人ずついるという。夫婦共働き世帯で支給要件にあたらないケースもあった。
長期にわたり不適切な支給を見逃した理由について、市労務課の冨沢知恵子課長は「年末調整時などで、自宅を購入したかどうかを完全には確認していなかった」と説明した。
一方、扶養手当は毎月、子ども9000円、配偶者や父母などを対象に1人当たり6000円が支給される。配偶者のパートや子どものアルバイトなどの収入が1人当たり年間130万円以上の場合、支給の対象から外れるが、年末調整まで気付かずに受け取っていた職員が多くいたという。最高額は、18年度に主任の職員が返した66万1500円。
同市では、部長ら管理職4人を含めた97人の職員が通勤手当を不正受給した疑いで、計1671万円を昨年12月に返納していたことが、読売新聞の報道で先月中旬に発覚したばかり。通勤手当について、市は今月中をめどに、不正受給額を確定させ、職員の処分を行う方針だ。
相次ぐ手当の返納の発覚について、市職員課の石川智也課長は「市議会からの要請もあったため、他の手当の返納状況についても公表した」とする。住居手当や扶養手当を返納した256人は現時点で懲戒処分を受けていない。石川課長は「処分は返納の理由、金額や役職などを踏まえ、過去の事例や他自治体の動向を参考に決定している」とした上で、「再調査で悪質な点が見つかれば、処分も検討する」と話した。
全国市民オンブズマン連絡会議で事務局長を務める新海聡弁護士は「各種手当など福利厚生の制度の趣旨が職員に十分認識されていないことは、きちんと説明してこなかった自治体当局の責任でもある。八王子市には単に不正を処罰するのではなく、再発防止策や制度の見直しを徹底的に実施することが求められる」と指摘している。