東京
番組名やニュース、出演者などを検索
緊急時のため、命を守る情報をみなさまに広くお伝えしています。

外国人観光客乗せる「白タク」 東京 銀座で一斉交通取締り

(更新)
東京都

日本を訪れた外国人観光客を自家用車に有料で乗せる「白タク」行為を防ごうと、警視庁は、外国人観光客に人気の東京 銀座のメイン通りで、7日に一斉に交通取締りを行いました。

警視庁によりますと、東京 銀座では、インバウンドの回復とともに「白タク」とみられる車両が目立ち、客待ちで路肩に長時間停車し、交通の妨げになっているという通報が相次いでいるということです。

中国の「国慶節」の大型連休で多くの観光客でにぎわう7日、警視庁は、百貨店やブランド店が建ち並ぶ銀座のメイン通りで一斉に交通取締りを行いました。

取締りでは、中国版のSNSを通じて、観光客が運転手を募集していたケースなどが確認された一方、現金のやりとりを否定したり「友達の送迎だ」と答えたりする人が多く、違法な営業だとその場で確認できたケースはありませんでした。

警視庁は「白タク」行為を防ぐため、今後も取締りや外国人観光客への呼びかけを強化することにしています。

築地警察署の遠藤伸生交通課長は「『白タク』を利用すると事故の際の補償がないなどリスクも多い。観光客は正規のタクシーや電車などの公共交通を使うようにしてほしい」と話していました。

「白タク」の存在知らない観光客も

中国 広州から銀座を訪れていた中国人のカップルは「地下鉄で銀座に来ましたが、違法なタクシーの存在は知りませんでした。知らず知らずのうちに使ってしまわないか怖い」と話していました。

また、事業許可を得ていない、白いナンバープレートの車から降りてきたベトナム人の男性は「1日貸し切りで観光目的で送迎してもらっていて、仲介者を介してまとめて旅行代金を支払っているため、運転手と現金のやりとりはしていない」と話しました。

男性に「違法な『白タク』の可能性はないか」と質問したところ、「わからない」と答えました。

違法な「白タク」 横行の背景と対策は

交通と観光の制度設計に詳しい日本大学理工学部の轟朝幸教授は、初めて日本に来る外国人観光客にとっては、都内の公共交通機関の乗り換えが複雑などの理由で、「白タク」などのプライベートな移動手段に需要が流れるおそれがあるとしています。

轟教授は「違法な『白タク』が横行しているということは、ニーズに対応した供給ができていない証しで、交通網から客が逃げると公共交通の体系自体が崩れていってしまう。悪循環を防ぐためにも事業許可を得たタクシーなどのドライバーの増員やライドシェアの活用をより検討する必要がある」と指摘しています。

また、「『白タク』はドライバーや車両の管理など安全性を担保する制度の適用外で安全への信頼が置けない営業形態だ。最近ではSNSやアプリを通じて客が白タクを依頼するケースもあるため、ネット上の取り締りを行うなどして実態を解明していくことが求められるのではないか」と話していました。

緊急時につき受信契約の必要なくご利用いただけます。通常時でもサービスをご利用になりたい方は下記を確認してください。