ゲオモバイルは画面割れも買い取り2087人の相談員が支える。中古スマホ市場は6年連続過去最高で2029年に400万台突破予測
画面割れのiPhoneも、バッテリー膨張端末も買い取る――。中古スマホ最大手のゲオモバイルが9月29日、これまで非公開だったデータ消去工程を初めて報道陣に公開した。世界標準のシステムによる完全消去を軸に、2087人の相談員や全国800店舗への物流網を背景にした品質管理の実像を追った。 【写真で見る】各店舗に配置されているBlancco社製データ消去端末。状態確認も半自動で行える ■専用端末でデータを消去、破損スマホも積極買い取り 中古スマホで最も懸念されるのがデータ消去の確実性だ。ゲオは世界標準のBlancco社製データ消去ソリューションを導入。物流センターと一部店舗に設置し、完全なデータ消去を実施している。
発表会で公開されたデータ消去工程では、端末をPCに接続するだけでBlanccoシステムが自動インストールされ、各種機能チェックが始まる。スリープボタン、サイレントキー、近接センサー、ディスプレイの色表示、LEDバックライト、タッチパネル反応などを順次確認。1台あたり約5分で完了し、最大10台を同時処理できる。 検査で問題が見つかった端末は店舗販売せず、本部へ転送される。他社では買い取りを断られることが多い画面割れやバッテリー膨張も、ゲオでは積極的に買い取り対象としている。電源が入らない端末は個人情報保護のためメモリ部分を粉砕後、部品取り業者へ販売。画面割れ端末はリペア業者や海外市場へ販売される。ただし、ネットワーク利用制限が×の端末や技適マークがない端末は盗品の疑いや法的制約から買い取りできない。
クリーニングは各店舗で統一された手順で行われる。アルコール洗剤とマイクロファイバータオルで本体を清拭し、スピーカーやLightningコネクターのほこりは綿棒や爪楊枝で除去。「全国の店舗で同じ作業が標準化されている」(ゲオモバイル錦糸町マルイ店店長・氷見木綿子氏)。 ■「最新から最適へ」消費者意識の変化が追い風に 中古スマホの市場は急速に拡大している。MM総研のデータによると、2024年の販売台数は320万台で6年連続過去最高を更新。2029年には400万台を突破すると予測される。