学士から修士まで5年で修了、大幅増に向け制度改正へ 文科省が方針

島崎周
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 学士と修士課程を通常より短い計5年で修了できる大学を大幅に増やすため、文部科学省が制度を改める方針を固めた。

 今年度内に省令(大学院設置基準など)を改正し、来年度からの導入を目指す。大学院生は人文・社会科学系で減少が目立つ。修了までの年数を短くして大学院進学を促し、高度な知識を備えた人材を増やす狙いがある。

 学士と修士課程は、通常、大学で4年、大学院で2年学んで修了する。今も計5年で修了できる道はあるが、大学が認めた成績優秀者向けの特例などに限られる。

 改正案は、大学院の修業期間を「1年以上2年未満」にできるようにするもの。必要な学修時間や教育の質を保つため、文科相の認定を条件とする。

 1年修了のコース設置を望む大学が、5年間の一貫教育の計画書を出し、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の審査を経て認定される流れを想定している。

 また、学部生が修士課程を先取り履修することで、在学期間が短縮できるようにもする。

 文科省は、この案を中教審に諮り、省令を改正する考え。今後、学部の修業期間の短縮も検討するという。

 文科省によると、修士課程の入学者は7万8991人(2024年)で、この20年で4%増。博士課程は1万5744人で14%減った。ともに人文・社会科学は大きく減っている。

 文科省の担当者は、5年間の一貫教育により「大学から大学院にかけて連続性をもち、密度の濃い学びができるようになる」と説明。大学ごとに一貫教育の課程を整える制度にして「質の高い学びを保障したい」と話す。

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この記事を書いた人
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権