ブルーアーカイブ クローンティーチャー   作:セサミストリート

25 / 37
戦いにおいて、無駄なものは一切ない。常に応用をきかせろ


アビドス高等学校

「…参ったな」

 

ここはアビドス自治区…いや、自治区とは名ばかりの砂漠だ。アビドスは気象の変化が激しく、朝は熱く夜は寒い。この気象はアビドスでは日常的なものとなっているのは資料で確認はしていたが、まさか自治区のほとんどが砂漠となっていたのは驚きだった。マップは現在のものがなく、今は何年も前の地図を頼りにアビドス高等学校を目指していた。

それが過ちだったのが今ではどうでも良くなってきている。

 

「…この道はさっき通ったな」

 

今いる道は比較的砂漠の影響がない歩道を歩いているが、アビドス自治区はほぼ人がおらず、アビドス高等学校に未だたどり着いてない。俺が道に迷ってしまうとは…キャプテン・レックスがいたら間違いなく指導されてるな。

 

「…少し休むか」

 

俺は電柱の側に座り、背中のジェットパックの燃料を見る。ここ数日間上空でアビドス高等学校を探していたが一向に見つからず、燃料もほぼなくなっていた。

 

「さて、どうしたものか…」

 

ヘルメットを脱ぎ、額の汗を手で拭う。この砂漠は前に来たタトゥイーンに似ている。あの惑星は砂漠で出来ていて、食料や水も限られる。更には賞金稼ぎやハンターなども多く在籍し、犯罪が後が立たない。それに比べこのアビドスの砂漠はタトゥイーンより幾らかはマシな方だ。そういえば、スカイウォーカー将軍はタトゥイーンから来たという話を聞いたことがある。そのせいか、砂を嫌うことがあるといった意外な弱点を知ったときは少し笑ったな。

 

「……あの」

 

タトゥイーンのことを考えている最中、声をかけられた。声の主に顔を上げると、そこには見たことのない車?に乗った少女が目の前にいた。

 

「……大丈夫?」

 

目の前の少女はウルフのような耳を持ち、左右の目の色が違う。背中に背負っているバックから見える銃で、この少女はアビドスの生徒だと俺は理解した。

 

「…あぁ、大丈夫だ。今の所はな」

「あ、生きてた。電柱に寄りかかってたから、てっきり死んでるのかと」

「…まぁ死にかけてはいるな」

 

俺は立ち上がり、腰マントに引っ付いた砂を手で払う。アーマーが砂だらけになっているが、今は気にしないようにしておこう。所詮は汚れるものだ。

 

「すまないが、アビドス高等学校は何処だ?そこに行きたいんだが」

「ん、アビドスは私の学校。案内できる」

「そうか、案内してくれないか?」

 

俺はできるだけ腰を低くし、少女の目線に合わせる。高身長がこんなにも不便だとはな…

 

「その前に、あなたは誰?アビドスに何の用?」

 

少女は無表情のまま、俺を警戒する。初めてあった人間にいきなり案内しろと言われたら、怪しまれるのは当たり前である。警戒を解いてもらうため、自己紹介をしておこう。

 

「俺は『シャーレ』のアッドだ。アビドスの支援物資を届けに来た」

「シャーレから…?証拠は?」

 

俺は腰のボックスから『シャーレ』専用のIDカードと『シャーレ』に届いた手紙を少女に見せる。

 

「これが証拠だ。納得したか?」

「…ん、これは間違いなくアヤネの手紙。本当に来たんだ、『先生』」

 

少女は少し驚いた顔をしたが、直様無表情に戻り、俺が『シャーレの先生』であることを認めてくれた。

 

「少し距離があるけど、歩ける?」

「問題ない。まだ行けるさ」

「ん、わかった。ついてきて」

 

少女は車?から降り、そのまま歩く…何故か俺の隣にいようとするが、案内してくれるなら何でもいい。

 

「わかった。頼む」

 

ーーーーーーーーー………

 

一時間ほどでアビドス高等学校の校門に到着し、俺は周りをバイザーで見る。見たところどこにも罠もなく、建物には所々罅がはいっている程度だ。暴力集団に襲われているなら何かしらの対策はしているとは思っていたが、ほぼ野晒しの状態だった。よく耐えれているものだ。

 

「自転車おいてくるから、ここで待ってて」

 

少女は校門に入り、姿を消す。俺はアビドス高等学校の座標をタブレットに登録し、物資を届ける手段を整える。すぐに終わったので校門の周りを少し歩き、何か不審なものがないか探してみる。

 

「なにもない…よく罠もはらず戦っていたな…ん?」

 

校門から離れた所に、太陽で光る「何か」を見つけた。この距離では見えないため、バイザーを眼鏡モードに変更し、光る「何か」にズームする。そこには、本来この惑星にはないものが俺の目に映った。

 

「あれは…N-1スターファイター…!?」

 

惑星ナブーの主力スターファイターがアビドスにあるのは驚いたが、あの手紙に書いてあった『別の星から来た人』が、まさか俺がいた世界にいる者にもっと驚いた。ズームしてもよく見えないが、ナブーファイターの特徴的な黄色の塗装ではなく、全体が銀色に塗装されたカスタム機であることはわかる。

 

「ん、おまたせ。教室に案内するね」

 

もっと見てみたかったが、少女が戻ってきたため、バイザーを上げる。

 

「あのファイターはどこで見つけた?」

「ファイター…?あの飛行機のこと?」

 

少女は俺が指さした方向を見ると少し笑った気がした。

 

「そうだ。あれは俺が前にいた世界の物だ。この星の技術力じゃ作れないはず…どこで見つけた?」

「見つけてない。『あの人』がここに来たんだよ」

「『あの人』?」

「ん、私の恩人」

 

少女はN-1スターファイターを見ながら、どこか懐かしそうな眼差しをしている。あのファイターのパイロットとは何があったんだ?

 

「あの飛行機は後で説明する。とりあえずついてきて」

 

少女は学校に歩き出し、俺は置いてかれそうだったので少女の後を追った。

 

ーーーーーーーーー………

 

「ただいま」

 

俺と少女はアビドス高等学校のとある教室に入り、少女は自分の家に帰ってきたように教室の仲間に話しかけた。

 

「おかえり、シロコ先輩…そこの人は?」

「わぁ☆シロコちゃんが大人を連れてきました!」

「あれ?今日は来客の予定はなかったはず…?」

 

教室にいたのは3人のアビドス高等学校の生徒。一人は黒髪のツインテールの少女、一人は黒髪のショートヘアで赤いメガネをかけた少女、一人はロングヘアーの比較的上級生のような少女だ。因みに髪型を知ったのはキヴォトスの資料を調べてるついでに知った。女性の扱いは慎重にするようにと前にコマンダー・コーディから学んだからだ。

 

「俺は『シャーレ』所属のアッドだ。支援物資を届けに来た」

「『シャーレ』…?!」

「わぁ☆支援要求が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」

「はい!これで…弾薬や補給品の援助が受けられます!」

 

3人は俺が来たことに喜び、喜びを分かち合っている。この光景は501軍団の勝利したあとの飲み会を思い出す。

 

「そうだ。よく頑張ったな。あと数分で届く予定だ」

「ありがとうございます!あ、ホシノ先輩にも知らせないと…あれ、ホシノ先輩は?」

「多分隣で寝てるんじゃない?私、起こしてくる」

 

ツインテールの少女は教室から出て、ホシノという少女を起こしに行った。彼女が戻る前に、色々と聞いておこう。

 

「アヤネというのは、君か?」

「はい。アビドス高等学校1年生の奥空アヤネです。支援要求を受理していただき、本当にありがとうございます。」

 

アヤネは深々と頭を下げ、俺に感謝を述べる。誰かにありがとうと言われ慣れていないため、俺は少しむず痒くなる。

 

「子供を守るのは『兵士(大人)』として当たり前だ。そこまで頭を下げなくてもいい」

「わかりました。でも…本当に嬉しいです。これでまたこの学校を守れるんだって…」

「…そうか。ところで聞きたいことがある」

「何でしょうか?」

「外に置いてあるあのスターファイターのパイロットは何処にいる?」

 

俺が一番気になったのは、あのスターファイターのパイロットだ。あのファイターは惑星ナブーの主力戦闘機であり、戦時中でも活躍した傑作機体だ。それが個人のカスタム機として所有になっているなら、俺がいなくなったあとの世界がどうなったか分かるはずだ。

 

「えっと…すみません。私達もわからないんです」

 

アヤネは申し訳無さそうに頭を下げる。

 

「わからない?どういうことだ?」

「『あの人』は私達が持っている電子機器を持っていなくて、ここに来るのも稀なんです。この前はシロコ先輩が偶然会えたから連絡が取れて…すみません」

「気にしなくていい。そのパイロットになにか特徴はないか?」

「特徴…」

 

アヤネは少し考え、顔をそらす。俺の考えでは、あのファイターのパイロットは間違いなく俺の世界から来ている。そのパイロットがナブー出身なのか、それとも何処かの賞金稼ぎかはわからないが、どうやってここに来たのかが気になる。

 

「ん、あの人は先生と同じアーマーを身に着けてた」

「…何だと?」

 

アーマーを身に着けている?俺の世界じゃアーマーを全身に着けているやつは数しれないが、それだけでも数は絞れる。だが、情報が足りない。もっと特徴的なものがあればいいが…

 

「…あの人は『マンダロア』という所から来たと言ってました」

「『マンダロア』だと?!」

 

惑星マンダロアはマンダロア宙域に属した惑星。かつてジェダイと敵対し、旧共和国の没落時にジェダイ・テンプルを略奪したことで知られる戦闘民族マンダロリアンの母星だ。つまり、パイロットはマンダロリアンであることは確定している。だが、マンダロリアンにはコムルク級ファイター/トランスポートがあるにも関わらず、何故あの戦闘機でこの惑星に来たんだ?

 

「ご存知なのですか?」

「…あぁ、マンダロリアンとは少々付き合いがある」

「では、『あの人』は帰れるのですか?!」

「ほんとにあるんだ…マンダロアって星…」

「ん、『あの人』は嘘はつかない」

 

3人の反応を察するに、どうやらここに来たマンダロリアンは善人のようだ。マンダロリアンにしては珍しい。俺が知ってるマンダロリアンは戦闘を好む無法集団としか覚えているが、彼らの戦闘スタイルは侮れないところが多い。特にベスカーアーマーはブラスターを弾く位の強度がある。俺もこのアーマーが気に入ってるが、出来ればベスカーアーマーのような強度が欲しい。

 

ダダダダダダダダダ!!!

 

マンダロリアンについて考えている最中、銃声が聞こえた。教室にいた俺と少女達はそれぞれの武器を持ち、窓際に隠れる。窓から外を見ると、見たことのないヘルメットを身につけた少女たちがこの学校を襲おうとしていた。

 

「ひゃーっはははは!!」

「撃て撃て!奴らはもう戦える手段はない!学校を占拠するのだ!」

「ヒャッハー!」

 

1個小隊ほどの数の少女たちがところ構わず撃ってくる。見たところ少女たちは集団で動いている。こういうときは、分隊に分かれて1〜2分隊が突撃、残った分隊が援護すればいいのに、全員が突撃をかましている…所詮は民間人といったところか。

 

「武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」

「しつこい人達ですね☆」

「あいつら……!!性懲りもなく!」

「こんな時に『あの人』がいたら…!」

 

3人はそれぞれの弾薬を取り、戦闘態勢に入る。動きからして、彼女たちは相当練度が高いことがわかり、俺が来る前にこの学校を守れた理由が分かる。それと同時に教室から扉が勢いよく開いた。

 

「ホシノ先輩連れてきたよ!ほら起きて!ホシノ先輩!」

「むにゃぁ…まだ起きてる時間じゃないよ〜…」

 

ツインテールの少女が戻ってきたと同じく、無理やり連れてきたもう一人の少女も来た。

 

「ホシノ先輩!ヘルメット団が再び襲撃を!それとこちらの方は『シャーレ』の先生です!」

「ありゃ〜それは大変だね〜…んん?先生?」

 

ピンク色のロングヘアーの少女は眠たそうにしていたが、俺を見た途端目を開いた。

 

「…何だ?俺のアーマーが珍しいか?」

「…いや、なんでもないよ。よろしくね〜」

 

ピンク髪の少女は俺から目を離し、持っている銃を手際よく動かす。先程までに寝ていたにしては、随分と動きが違う。どうやらこの少女がリーダー格だろう。

 

「ふぁぁ〜…おちおち昼寝もできないじゃないか〜ヘルメット団め〜」

 

言葉や雰囲気は緩く感じるが、彼女からの戦いの準備や振る舞いは歴戦の戦士に近い。かなりの戦いを経験してきたのだろう。

 

「すぐに出るよ。補給は受けれるから、出し惜しみせず使い切る」

「はーい、みんなで出撃です☆」

「私がオペレーターを担当します。先生は此方でサポートをお願いします!」

 

全員が戦闘態勢に入ったとき、空気は一変して殺気立っていた。余程あの集団に恨みがあるんだな。恨みとは恐ろしいものだ。

 

「アヤネ、俺も出る。お前は彼女たちのサポートをしてくれ」

「え!?先生も戦うのですか!?」

「ん、戦力は多いほうがいい」

「いやだめでしょ!?いくらそのアーマーがあるにしても危ないんだよ!?」

「わぁ☆先生も来てくださるのですね!」

「ん〜まぁ先生が私達を前線でサポートしてくれるならいいんじゃない?」

「皆さん!?」

 

多数決で俺が前線に出ることに賛成が多かったので、俺は戦うことを決意する。ジェット・パックの燃料は少ないが、この戦闘だけならなんとか飛べる。それに、この戦闘に役立つ「アイツ」が使えるはずだ。

 

「俺が囮になる。お前たちはそのまま下に降りて合流してくれ」

「この高さから飛ぶんですか?!」

「心配するな、俺にはジェット・パックがある。急げよ!」

 

俺は窓から勢いよく飛び出し、ジェット・パックを起動し、ヘルメット団の中心部分に飛行する。

 

「うぉ!?何だあれ?!」

「あ…あれ、『シャーレ』の先生じゃないか?!」

「構うな!撃ちまくれ!」

 

ヘルメット団は俺に食いつき、俺に向かって撃ってくる。しかし飛び回る物体を撃ち落とすのは至難の業、それも戦闘経験がないヘルメット団の攻撃には全く当たらない。

 

「こいつをやるよ!」

 

俺は腰のバックパックから「アイツ」を3〜4個を取り出し、奴らに投げ込む。投げ込まれたものはヘルメット団の足元に落ちる。

 

「何だコレ?」

「手榴弾…でも爆発しない?」

「虚仮威しのつもりかよ!」

 

落ちてきたものに何人かは逃げ出すが、爆発しなかったからか進行を始める。それと同時に、「アイツ」が爆発した。

 

「アババババ!」

「しびれレレレ…」

「がぁぁぁ!」

「おいどうした!?」

「何を投げやがったんだ?!」

 

直撃したヘルメット団の数人は倒れ込み、近くにいた仲間達がうろたえ始める。俺が投げたのは電磁パルス・グレネード、この世界で言うEMPグレネードだ。本来は電磁パルスを炸裂させてドロイドの回路を停止させる兵器。その効果の度合いは標的との距離や配置によって違いはあるが、有機物に使用しても同じ効果が出てくる。ほとんど遮蔽物がないこの学校に突撃をかましてくるヘルメット団には効果抜群だろう。動きが止まったヘルメット団の数人にブラスターライフルを構え、また数人が倒れていく。

 

「んぉあ!」

「くぅん!」

「ウボァ!」

 

無論スタンモードにしているので、あたった全員は気絶しているだけだ。しかし戦術もなしにここまで戦っていたのか、このヘルメット団とやらは…?

 

「すっご…ほとんど倒してる…」

「先生も飛ぶんだね」

「もう先生に任せたほうがいいんじゃないかなぁ~」

「何言ってるのホシノ先輩!この学校は私達が守るんだから!」

 

ツインテールの少女は飛び出し、ヘルメット団に容赦なく銃弾を浴びせる。あの突撃の仕方はハードケースにそっくりだ。

 

「私達も行きましょう!」

 

残された少女たちも合流し、戦闘に参加する。

 

この戦いが『シャーレ』の『先生』としての初戦闘になり、これからの始まりに過ぎなかった…

 

 

 

 




今回はここまで。ここで戦闘シーンを作る予定でしたが、次に持ち越します。

では、フォースと共にあらんことを…

本編(原作)だと先生は生徒の足をなめたりする過酷(死刑!)な大人ですが、アッドもそうであるべきでしょうか?

  • 舐めるべきや
  • ん、アッドも過酷するべき
  • う〜ん…微妙!
  • そこまでしなくても…
  • やめなされやめなされ…
  • 解釈違い
  • やっても…変わらないかな?
  • なんだったらためてたものをさらけ出せ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。