ブルーアーカイブ クローンティーチャー   作:セサミストリート

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人は支え合えるが、必ずしも二人とは限らない


警察官への道(4)

「これより、ドレミチーム臨時面談を始める」

 

誰もいない教室を借りて、俺はドレミチームと面談を始める。ドレミチーム全員の前に俺が一人座り、ドレミチームは全員横一列に座っている。

 

「「よろしくお願いします!」」

「しま〜す」

 

フブキ以外のドレミチームは一斉に頭を下げ、フブキは知ったことかと言わんばかりにヘラヘラしている。

 

「ちょっとフブキ!真面目にやってよ!キャプテンの前だよ!?」

「んぇ〜?めんどうじゃ〜ん…ゆっくりできるかと思ったら呼び出されたんだし〜」

「あなたがそんなんだから自分達まで評価が低いんだよ!?わかってる?!」

「み、皆さん…落ち着いて…」

「私だけじゃないと思うけどなぁ〜?」

「はぁ!?」

「そこまでだ、お前達」

 

ヒートアップしそうなところを俺は止めて、全員の意識をこちらに向ける。

 

「休憩中に呼び出したのはすまなかった。この面談は俺がお前たちと話がしたいから呼んだんだ。固くならず、リラックスしてくれて構わない」

「先生もこう言ってるわけだし〜私が悪いわけじゃないでしょ?」

「お前はリラックスしすぎだ。切り替えるようにしろ」

「は〜い」

 

フブキは気怠そうに座っていたが、俺から注意を受けたあとは他のチームと同じように姿勢を正しくした。フブキはかなりの面倒くさがりなのは知っている。だが、いざというときはしっかり動くし、周りの変化も誰よりも早く気づく。そこはフブキの長所と言える。

 

「よし、まずはお前達に聞きたいことがある」

「聞きたいこと、ですか?」

「あぁ、お前たちはこの訓練についてどう思っている?」

 

俺は少しだけ試すような質問をして、全員が眉をひそめた。

 

「訓練…ですか?」

「そうだ。この訓練は何もかもが初めてのことばかりだ。次もあることを考えたら、お前達訓練生の意見も聞きたい」

 

全員が顔を見合わせ、小声で話し合う。所々に不満の声もあるが、果たして何を言うのやら。

 

「はい!発言してもいいでしょうか!」

 

最初に勢いよく手を上げたのはキリノだ。彼女はこの訓練に参加する前から元気がよく、このドレミチームのムードメーカーだ…ただ、射撃に関してはこの訓練でマシにはなったが、人質を取った標的の人質にすべて命中したのは一種の才能なんじゃないかと疑った。

 

「許可する。言ってみろ」

「はい!本官はこの訓練が大好きです!このチームに出会えたこと、そして乗り越えた壁が多いこと、本官はこの訓練がずっと続いてほしいと思っています!」

「そうか、貴重な意見をありがとう。座ってくれ」

 

俺は座るように指示し、キリノはすぐに座った。

 

「私もいいですか?」

 

次に手を上げたのはヴァルキューレの生徒の一人、名前は洒落テイ。ドレミチームの中では優秀な方で、よく他の仲間から相談を受けたり、アドバイスをしたりと周りを見ることに特化している。しかし、ルールや規則に厳しく、自分に対しても評価が低いのが難点ではある。

 

「いいぞ」

「ありがとうございます。私はこの訓練で、様々な体験をしてきました。その過程で連携の大切さを学び、仲間との絆が強くなったと感じています。ですので、この訓練はあり続けたほうがいいと私は思います」

「つまり、協調性を学ぶにはとてもいいと言いたいのか?」

「はい、その通りです」

「わかった、座ってくれ」

 

洒落は座り、俺は二人の意見を紙に書いてまとめる。

 

「自分からもいいですか?」

 

3人目に手を上げたのは、上乃フアイ。彼女はドレミチームのリーダーでありライフルマンのポジションを持つ。勇敢さは誰よりも勝るが、訓練や作戦中で単独行動が多い。集団で過ごす中でも、最もタブーを冒している。

 

「いいぞ」

「はい。まず、この訓練はプライベートがありません。個人単位の時間が限られ、自分は息苦しさを感じました」

「もっと個人の時間を増やせば、この訓練は良くなると言いたいのか?」

「その通りです!もっと時間がほしいんです!」

「そうか…座ってくれ」

 

フアイも座り、俺はまた意見をまとめる。

しかしプライベートか…集団で過ごすのであれば多少は制限はつくのは仕方がないことではあるが、俺は全てに制限をかけたことはない。俺が制限として作ったのは『課業中は制服、課業外はジャージのみ』『起床は0600、就寝は2300』の2つぐらいだ。

 

「あの…自分もいいですか?」

 

4人目に手を上げたのは、上乃オモイ。彼女は上乃フアイの双子の妹だ。姿がそっくりなので仲間からはよく間違えられることが多い。唯一違うとすれば、姉のフアイは勇敢で妹のオモイは臆病なところだろう。

 

「いいぞ、言ってくれ」

「はい…最初は辛かったです。なんでこんなことしてるのかなって、ずっと訓練中に考えて…でも、みんなとここまでこれたのは、とても嬉しいんです。この訓練は、楽しさを教えてくれると思っています」

「なるほど…人と触れて、仲間との楽しさを過ごせることができる。と言いたいんだな?」

「はい…そんな感じです」

 

オモイはたどたどしく話すが、真っ直ぐ自分の意見を言った。彼女は基本的に臆病で、射撃訓練の際は銃声だけで泣いていたくらいだ。ドレミチーム全員でなんとか励まし、泣きながら参加できた。その時の得点はどのチームよりも高く、彼女はスナイパーとしてチームに献上している。基本的に姉のフアイと一緒にいることが多い。

 

「最後はお前だ、フブキ。何か言いたいことはあるか?」

「んぇ?私?」

 

フブキは自分が呼ばれるとは思っていなかったのか、少し驚いた顔をした。

 

「言っただろ?お前たちの意見が聞きたいと」

「いやぁ〜…私はないかな〜」

「そんなことはないだろ?何でも言っていいんだ。そのための場所なんだからな」

「ん〜…」

 

フブキは顔を上げ、少し考える仕草をする。

フブキは基本的にだらけている。この訓練期間でもドレミチームの誰とも関わらず、課業外は殆ど一人でいることが多い。そのせいでフアイとよくいざこざが起こってはドレミチームや他のチームが止めに入る。だが、フブキ自体はチームを嫌っているわけではない。むしろ積極的にチームと関わろうとはしているのは知っている。だが、その関わり方がわからないのか、またチームのバランスが崩れてしまう。一人の行動が他のチームに危険を晒してしまうのは本人が一番わかってはいるが、こればかりは俺が口を出すわけにはいかない。仲間との争いは、結局仲間でしか解決できないからだ。

 

「ん〜…まぁ、この訓練は楽しいよ?強いて言うなら…ドーナツが食べれないぐらいかな?」

「課業外はお前達の自由時間にしているから、ドーナツくらい食えるだろ?」

「いやぁ〜疲れたときにいつでも食べたいんだよね、糖分がないとやってけないよ、ほんと」

 

変わらずヘラヘラしているが、本心ではそうでないことはわかっている。チームに聞かれたくないのか、それとも言いたくないのか、そのどちらかかもしれない。

 

「…そうか、検討しておこう」

 

全員の意見を紙にまとめ、ファイルに挟む。

 

「あの…キャプテン」

 

俺を呼んだのは上乃オモイだった。

 

「何だ?まだ言いたいことがあるか?」

「いっいえ、そうじゃなくて…その…」

「遠慮するな。言ってみろ」

「わ…私達は最終試験に合格できますか…?」

 

オモイは今にも泣きそうになりながらも質問した。

正直に言うと、無理だ。この面談で改めてわかった。その理由は、このチームには協調性がないに等しいからだ。本人たちはなんとなくわかっているようだが、行動で示さなければなんの意味もない。

 

「…それはお前たちの行動次第だ」

「そ…それだけですか…?」

「そうだ、これはお前たちだけの問題だ。俺ができるのは乗り越える戦術と知識だけ。あとは、お前たちで乗り越えなければならない」

 

ドミノチームは全員顔を合わせながら困惑した。どうやら思っていた言葉とは違ったのだろう。

 

「面談は終わりだ。明日はお前たち最後の試験だ。すでに合格したチームは応援として見に来るぞ」

「えっ?!そ、それは…」

「…何を言われても、誰かに見られても冷静に対処しろ。それができなければ、一生合格はできないぞ」

「そんな……」

 

俺は席を立ち、扉を開ける。ドミノチームは変わらず困惑している。

 

「明日まで猶予はある。しっかり戦術を立てておけ」

 

俺はそのまま教室を後にした。

 

「…先生」

 

教室を出たら、壁にもたれ掛かっていたカンナがいた。

 

「聞いていたのか?」

「えぇ…彼女たちはどうするのでしょうか?」

 

カンナの声に不安が混じり、耳もたれている。

 

「俺は信じている。あいつらなら必ず成し遂げるはずだ」

「…そうですね」

 

ーーーーーーー………

 

アッドが教室から去ったあと、残ったドレミチームは沈んでいた。

 

「…どうしよう…私達…合格できないのかな?」

「泣き言を言わないの!絶対に合格するんだから…!」

「そのとおりです。みんなで乗り越えましょう」

 

キリノとフブキを除いた3人は話すが、それでも自身達に課せられた試練に不安を感じていた。

 

「……」

「…フブキ?」

 

フブキは立ち上がり、全員の前に立つ。

 

「…私はこのままだと合格できないとおもうんだよねぇ。今まで赤点ギリギリのラインだったし、他のチームからよく馬鹿にされるし」

「それはあんたが今までサボってきたからでしょうが!私達がどれだけ大変だったかわかってる?!」

「もちろんわかってるよ。だからさ、ここで考えを改めないといけないなって思ってさ」

「…フブキさん?」

 

ブブキは深呼吸をした後、頭を下げた。全員はあまりの唐突なフブキの行動に驚いた。

 

「今まで迷惑かけてごめん。許されることじゃないけど、私もみんなで合格したい。だから、ちゃんとみんなと向き合う」

「フブキちゃん…」

「なっ…何を今更!あんたのせいでどれだけ遅れてきたと思ってるの!?」

「お姉ちゃん!」

「黙ってなさい!この……!」

 

フアイは立ち上がり、フブキの胸ぐらを掴む。フアイの怒りは収まらず、今にも殴る勢いでフブキに迫る。対してフブキは今までの自身の罪滅ぼしとして、あえて抵抗はしなかった。

 

「あんたのせいで……あんたの……!!」

「お姉ちゃん!やめて!」

「やめてください!こんなことをしても…!」

「いい加減にしなさい」

 

テイの静止に全員が一瞬止まり、顔をテイに向ける。そのテイの顔は、静かに怒りをあわらにしていた。

 

「2人がこんなことで争って、何になるのですか?頭を冷やしなさい。それとも、ここでお互いの気が済むまで無駄な時間を過ごすのですか?」

「……」

「……」

 

フアイはゆっくりと手を離し、お互いに少しだけ距離を取った。

 

「フブキさん。貴方のサボり癖は確かに私達に迷惑をかけました。しかし、あなたは誰よりも周りを見て助けました。私もその一人です。貴方の謝罪は、とても高潔なことです」

「……」

「フアイさん。貴方は私達のリーダーで、不満の気持ちはわかります。ですが、貴方の単独行動で私達がどれほど迷惑を掛けたと思っているのですか?あなた一人の問題ではないのですよ?」

「……」

 

テイの言葉に、2人は顔を伏せる。キリノとオモイは、今の状況にハラハラしている。

 

「私達は助け合わなければなりません、一人では無理なら2人で、2人でも無理ならもっと多くの人で、そうやって助け合って成長をしていくのです。今こそ私達は、1つになるべきなのではないのですか?」

「……うん」

「……そうだね」

 

フブキが右手をフアイに差し出す。

 

「今更だってのはわかってるよ。でも、それでも、みんなと合格したい」

「……私も、同じよ」

 

フアイも手を差し出し、2人は手を交わす。するとテイも手を握り、見ていたキリノ達も手を握る。

 

「これで私達は本当のチームです。明日、必ず合格しましょう!」

「「「「お〜!」」」」

 

ドレミチームは再び団結し、明日の最終試験に向けて作戦を立てた。

 

ーーーーーーー………

 

「…私です。準備の方は?」

「ーーー…出来ています」

「それは結構です。探知されないよう細工も忘れないでくださいね?」

「ーーー…はい」

 

不知火カヤは電話を起き、暗い部屋の外を見る。

 

「…ふふふ」

 

誰もいない部屋で、一人不敵に笑っていた…。




はい!今回はここまで!遅くなってしまいましたが、こちらも随時更新していきます!
さて、ドレミチームは今回の面談で士気が高まり、明日の最終試験に向けて作戦を立てていきます。そんな中、カヤはどうやら何か企んでる様です。一体何を…?

では、フォースと共にあらんことを……

追記

コメント、誤字脱字報告ありがとうございます!すごく嬉しいので、これからもよろしくお願いします!

本編(原作)だと先生は生徒の足をなめたりする過酷(死刑!)な大人ですが、アッドもそうであるべきでしょうか?

  • 舐めるべきや
  • ん、アッドも過酷するべき
  • う〜ん…微妙!
  • そこまでしなくても…
  • やめなされやめなされ…
  • 解釈違い
  • やっても…変わらないかな?
  • なんだったらためてたものをさらけ出せ
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