「改造マリオ」というフロンティア
動画というのは、デジタルタトゥーではない。
簡単に消滅する。
このページに来た人は、見た方が良い。
改造マリオを知らない方は、入門オブ入門マリオ動画 YouTube)をまず見てほしい。動画制作者sistermind氏は、改造マリオプレイのブログを作っていた方で、自分はそのやり込みスタイルに別の方面で影響を受けている。
次の機会のときには、URL先がすでに無いかもしれないのだ。2015年9月10日、任天堂は「スーパーマリオメーカー」を発表、ユーザーはついに公式にヒットゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のオリジナルマップが作れるようになった。が、かつて、自分がエモいと思ったのは、このようなフィールドではない。
ベースはあくまで〈初代スーマリ: SMB1〉であり、軸は〈バグ技〉だ。
バグ技の数々は、
[Technique_List] for ALL SMB1 player...
ここに魔道書のごとく、一覧がある。
多くの者たちがこれを手に、フロンティア(未開拓地)へ旅立ったのだ。
ハードマリオへの覚書(2007.4.5)
バグ技である256 Worldを検索したとき、「スーパーマリオブラザーズ」の改造作品「マリオプロ」の存在を見つけたのが、ハード系改造マリオとの出会いだ。時を経て、ニコニコ動画にアップされていた「マリオプロ」のプレイ動画に感動する(1面ずつ必死でクリアしていく長期の連載動画で、孔明!!という単語が飛び交っていた。のちの、死屍累々氏のプレイ動画)。
で、他のも探し、見まくった。
任天堂のオリジナル制作者が一切想定していなかった、壁抜け(悪魔の技)など、様々な裏技を駆使しなければならないという尋常ではない難しさと、バグったような画面が、相当のレベルで関係性を持っている、という面白さ。つまり、プレイ技術の過酷さ(内容)が視覚的に表現(形式化)されている。これは、とてもモダニズムだ。
これを楽しむためには、数多くあるバグ技を知らなければならない。知ることによって、ああこれはこの手捌きなんだなと理解できる。
だから、繰り返すが、入門オブ入門マリオ動画(YouTube)は必見だ。
そもそも、自分のような第三者がハードマリオを楽しむためにはプレイ動画があってこそであり(なぜなら、ダウンロードしたとしても難しすぎてそれを技術的に楽しめない、だいたい理屈としてクリアできるだけで作者がクリアできないやつも多い)ゆえに、スーパープレイヤーが重要視されざるを得なくなる。オリンピック級の長距離選手が落ちたら真っ逆さまになるような飛び石コースを芸術的に駆け抜けていくどころか壁を抜けたりあり得ない行動をする映像を見るような感じだ。
つまり、過剰クオリティのマリオを作れる人がいて、過剰クオリティのプレイ能力を持った人がいて、それを同時に観賞することになる。プレイするというのはつまり楽しめているということだから、これは過剰な実験テキストを読書するためのシミュレーションでもある。
では、その過剰さはどこからくるのか?・・表現自体からかもしれないが、モデルの開拓精神かもしれないと自分は想像している。
ところで、これから改造マリオをプレイしたい方や作りたい方は、SMB アーカイブの"How to"にある七休氏のビギナーズガイドをよく読んでほしい。と、以前は打っていたが、今は Internet Archive でしか読むことはできない。つまり、もうこのカルチャーは終わってしまったのだ。
この文章は元々、2009年のはじめに公開されたが、2007年に手がけている。つまり、ページ制作からページ公開までブランクが2年近くある。それは、こういうネット以前のメディア的な動きが、趣味圏内の自由を奪うのではないかと不安だったからだ。
結局公開したのは、なんだかこのまま消えていくのではないかと、逆の不安をいだいたからだ(例えば2008年5月13日には、マリオ系一斉削除事件というのもあった)。
そもそも、プレイ動画は流れるコメントで楽しみやすい性質だったため、ニコニコ動画に上げられがちだった。それらの動画も、2024年カドカワへのサイバー攻撃で瀕死の状態にある。
前史「トンカチマリオ」
1985 ファミコンカセット版スーパーマリオブラザーズ(任天堂)
オリジナル開発スタッフ
宮本 茂(1952年生まれ) スーパーマリオブラザーズの生みの親。
近藤 浩治(1961年生まれ ラテン系なマリオ音楽を担当。地上の曲は、あのジャズ界の巨匠・渡辺貞夫氏の影響を受けて作られたという。サウンドプログラム、効果音、音楽を全部一人で担当。
手塚 卓志(1960年生まれ) キャラクターデザインなどを手がける。蔦の木に登るアイデアは、この方によるものらしい。
森田 和明(1965年生まれ) プログラマー
大槻 由日喜 プログラマー
1987 トンカチマリオ
YouTube(おおたけけチャンネル)
1991 スーパー真理ブラザーズ ver.7 by K1氏
まず「トンカチエディター」がある。これは、電脳 ウルフ アイ・ツー社が1987年7月1日に開発、販売したディスクシステム用の改造ツール(チートプログラム)で、ここに、正規の任天堂から認可されたゲームではない、ファミコン対象初の改造作品とされる「トンカチマリオ」が付属されていた。
「トンカチマリオ」に関しては、トンカチエディターを使用し「スーパー真理ブラザーズ」(スーパーマリブラザーズ)を作ったケイ1(けい1)氏の 伝説の改造・開発ツール(新リンク)を参照。この数ページに渡る非常に読み応えのある内容のなかから引用させて頂く。
「トンカチマリオ」は、様々な壁抜けを中心とした裏技を使わないとクリアできない作品でした。現在の改造マリオでは当たり前になっている、ツタ・丸キャラによる壁抜け、透明ブロックによる壁抜け、パワーアップキャラによる壁抜け、ジャンプ台を使った壁抜け等はこの作品で初めて提示されたものです。(……)このマップ構成は、スーパープレイヤーに対する挑戦であると同時に、「スーパーマリオの裏技は、原作のマップ構成で実現できる範囲にとどまらず、無限の可能性を秘めている」という暗示を与えるものでした。(……)そして、その裏技を誰でも簡単に再現できるようなマップを作るのが、「スーパー真理ブラザーズ」のひとつのテーマになっています。
核心的だ。
マリオ1は、バグ?が多いという一面が有り、開発者はそれを嫌う傾向にあります。そこで、マリオ2ではそのうちの幾つかのバグ?が起こらないように改造されています。しかし、マリオ1のバグは裏技とも言える楽しい物ばかりで、単にゲームをクリアするにとどまらず、無限の楽しみを私たちに与えてくれます。また、あまり知られていない裏技がまだ沢山隠されており、これらを「スーパー真理ブラザーズ」で明らかにする事が、私のライフワークのひとつになっています。
前史 M.K.H+M.K.S
ハードマリオ前史を続けると、
→ エミュレータ
→ 改造マリオ
19?? 海外の_Demo_氏によるマップ改造ツール"Mario Improvement"
1998.11.29、当初Mario Improvementでオリジナルマップを作成していたM.K.S(マリオ工作員S)とM.K.H(マリオ工作員H)とが「スーパーマリオ改造計画」を 発足。敵の詳細データを持つ けい1氏の協力を得てSMB Badguys Editorを完成(未発表)。ルーム属性変更プログラムsmbAttrを経て1999年の中頃、完全に自由なオリジナルマップの作成が可能なSMB Utilityリリース。2008/02/01のBBSに、SMBラボ閉鎖の報告が けい1 宛てに記されている。以下の3作は、M.K.H+M.K.S(もしくはどちらかの)作。
「マリオマニア」は、裏技系や鬼畜系ではなく普通にプレイしたく思わせる変さ。「マリオファン / マリオファン アナザーストーリー / マリオファン リローデッド」のシリーズは、マップ構成が面白い。「ボンバーマリオ」は下にファイヤーボールをだせる1面構成。
たった1面。1-1で終わりの改造マリオ。ただし完成度・技術力ともに極めて高い。何より素晴らしいのは、「そこそこの難易度」でありながら「裏ワザなどの特殊な知識は一切必要ない」という点。つまり誰にでも気軽に遊べて、それでいて面白いという、まさにHackRomのお手本のような作品なのです。
マリオプロ らりっぱ氏
この、地形がハードに変えられて、やたらと隠しブロックの罠があるヴァージョンとは別に、すべての敵がハンマーを投げてくる作者不詳のヴァージョンがある。
1999.12.13 神風 Mario Bros. 七休氏*
※ 2は2000.7.30
そもそも「神風マリオ」はギャグとして作った改造マリオでした。
1999年の夏頃、はじめてネットで一般公開した当時、すでに激ムズ改造マリオとしてマリオPROが名を馳せていましたが、それに難しさで対抗したわけではありません。むしろ影響を受けたとすれば、大昔のディスク版マリオ1の改造作品トンカチマリオです。テクニック以前に、まず大前提として、マリオのバグや裏ワザの知識がないと先に進めない、普通の人ではまったくクリアできないものを想定していました。
つまり、クリアできないことを笑ってもらうための作品だったのです。
ただし、100%クリア不能なわけではなく、一見進めないと思われる地形が、実は予想外な方法で突破できることにも驚いてもらおうと、IPSパッチの配布ページに加えて詳細な解説ページをもうけました。これが当サイトの出発点です (1999年冬)。
2001.11.29 誰でも簡単に作成できる正式版SMB Utilityリリース(フリーウェア)
2004.8.4 著作権者M.K.SがSMB Utilityのヴァージョンアップ作業を再開
1-1の最初のクリボーは「2115番地」の「06」です。
ファミリーコンピュータはパソコンの上でエミュレータとして復活しました。そしてある日、インターネットをさまよっていると、マリオを無敵にしたり、256Wをステージセレクトできるように改造をしているサイトを見つけました。それが麟閣さんの「ハックのススメ」でした。
そのうち海外のサイトでMario Improvement というツールも見つけました。(現在はZSNESの作者の一人で有名な、_Demo_氏が作った物です)(……)そうこうしてるうちにYY-MEというマリオエディタができあがったのですが… 後に、トンカチエディタというディスクシステムで動作するバイナリエディタでマリオが改造できた事や、けい1さんがそのサイトを開いている事、いきなり完成度の高いエディタを公開したマリオ工作員Sさん(M.K.S.さん)の存在を知りました
本史(2005年まで)
同じ制作者のマリオは、代表作ないし早い時期であるかで選択している。
2000.7.31 うねうねマリオ sy0氏
リレーマリオ参照
2000.8.5-8.11 水晶マリオ3 rbr(InterRbbr!!/crystal)氏
HP(chaotic valkyrie: 改造マリオ)
EVは2001.4.3
最初に「スーパーマリオブラザーズ1 のステージが改造できる」というのを知ったのは sy0さん のサイトを見てからでした。それまではグラフィックが改造できる程度だと思っていたのです。
2000.9.19 ! mario ドーコカラキ氏
●特徴 1. ハードプレーヤーが大苦戦するほど難しい。テクニックの練習になる。
2. 泣く子も黙る、世にも恐ろしいデモ。見ればわかる。(この技は攻略には不要です。)
3. スーパーマリオの状態を保たなければならないことが多い。
4. パックンフラワーの使い方が異常。
5. 入れる土管はあまり多くない。
6. 途中開始ポイント(エリアの中間地点)は、ほとんど無い。
7. 良問から悪問まで、力作から手抜きまであります。
8. 汚い地形が多いですが、それは作者の美的センスの悪さを露呈して……いるだけでなく、ハードプレーヤーの反則技をことごとく防ごうという工夫の表れでもあります。
9. 色々な敵キャラに!マークを書き込んでいます。
10. 他者の作ったマリオをあまりプレーしないうちに作り、それらの影響を受けないで、なるべく自分の発想に頼り、斬新なものを求めて作ったつもりです。
2000.9〜10頃 castle mario ~城マリオ~ ぎゃらん氏
「castle mario ~城マリオ~(Ver.1.01)」ほとんどのステージが城面で構成されています。又、0,1W以外は1エリアのみとなっています。その代わり1エリア当たりが長く、ちょpラレル除く)。
「negative-mario ver.0.705β」”ジャンプ封じ”の裏技(!?)を使ってゴール近くまで”普通に”ジャンプしないで進んで行くという理不尽なマリオ。他にも色々な裏技も多用するので難易度はかなり高いです。セーブなしではちょっとキツイと思います。/今回は3-4までの改造です。
2000.11.7-2001.2.21 手塁-Te-Luigi- Asu氏
難易度が高い謎解きの嵐。公開期間が短かった。後期版はこれがバラバラになったものらしい。
2001.2.21 手鞠-Te-Mario- Asu氏
(手塁体験版は2000.11.7)
以前の「手塁」製作開始から半年...、造れば造るほどドツボにはまって良い作品が造れなくなってしまいました。よって以前の手塁はそのすべてを斬り捨て御免にして、新たに製作を開始しました。皆様から多大なフィードバックをいただいておきながら、このような結果となり申し訳ありません。/以前のようにダラダラ造っても同じ道をたどりそうなので、次のようなやり方で造っていきます。
★1-1のみ
★禁じ手はパッチごとに表示
いかんせん以前の手塁は1-2がムズ過ぎて、それ以上やって下さる人が少なかったのが非常に残念でなりません。新生手塁では以前の手塁で「ここ!」と思う場面の再現も造りますので楽しみにしてください。
2000.11 リレーマリオ sy0/Asu氏企画
1W:かーねる (dao)
2W:crystal
3W:dice-j
4W:ぎゃらん
5W:七休
6W:Asu
7W+8-1:わんだー
8-2~8-4 sy0(ふはつだん)
リレーマリオの幕開けは2000.6月下旬にsy0氏が(リレーマリオが改造マリオ界に活気をもたらせば良いなという気持ちから) 話をAsu氏に持ちかけたところから始まる。翌年はAsu氏企画でリレーマリオ2が登場(1W:Asu 2W:d-6u 3W:Nemu^~` 4W:sy0)さらにsy0氏企画のリレーマリオワールド(2003年頃)もある。
2001.2.9-4.6 まり堕ち/無理ヲ わ氏 *
おそらく最初の不条理系マリオ。大半の人は最初の一画面から先へ進めない。「無理ヲ」は上の続編。大半の人は1ドットもスクロールできない。
2001.6.7 air ユウワン氏 *
2001 SUPER HAGEO BROS レイ氏 *
2002.06.29 athletic Mana.氏 *
2002頃 人畜マリオ 人畜生氏
「人畜マリオ」ストーリー:人畜マリオこと”ANIKI”は、通例のようにピーチ姫を助けるべく通例のように面を進めていきます。しかし、そこにはいまだかつてない恐怖や人間が持つ根源的な暴力、そして人畜として生を受けたANIKIの苦しみが静かなまでに動的に囁いています。そして最後の場面で、貴方は何を垣間見るのか!?
「人畜マリオ(地獄変)」ストーリー:ピーチ姫にXXXされたANIKIは、苦悩の果てに地獄に堕ちる。そこでは人畜の長所である肉体は全く通用せず、自我だけが己を支えるものとなっている。精神面では非常に弱い彼が、試行錯誤と自我崩壊の中で獲得したものとは!?
2002夏(ver0.98)-06末(ver1.00) Super Mario Pen ウヒ氏(PenDaYou)
HP(移転先) ようつべ ニコ動 プレイ動画が楽しかった。癒し系で多数のギミックが面白い。
2003.3.31 神風 Mario Bros. DX 七休氏 *
2003.7.24 HARD RELAY MARIO Mana./レイ氏企画 *
「ハードリレーマリオ」の企画が2003.4.3 に表立って立ち上げられる。仕掛人のMana.氏いわく《ハードマリオ系のリレーとかやろうとしています。今のところ私とレイ氏。》そして6人(Mana.氏、レイ氏、スノウアロウ氏、quark氏、ユウワン氏、七休氏)が集まった。
2004.1 TIME ATTACK MARIO 雪氏
2004.8.20 すぱマリ まいかみ氏
(すぱマリ2は2004.10.11)
HP(Internet Archive) リレーマリオ共同体(※リンク切れ)
2004.8.27 PM(Promotion Mario) ガルナ氏企画
HP(Internet Archive) Romia(※リンク切れ)
七休氏によるランダムワープパッチ使用、総勢18名による、土管に入るごとに飛ぶ面が変わるアンソロジー的宣伝マリオ。ガルナ氏はのちにRETURNS!として復活させる「極道マリオ」などを作ったりメールマガジン〈天使の翼〉を発行していたり、 〈Super Mario Ring 2〉の管理をしていた。
2004.9 βマリオ β氏
(シリーズ10作目のEXは2007.9) HP(Internet Archive)
最初に「マリ堕ち」が刷り込まれてしまっているので難易度の高い物が好みになってます。この作品の難易度も「マリ堕ち」目指して作ったので難しいです。
2005.2 ┃━┏┃(罫線)マリオ / orzマリオ 天津fan氏
2005.3 EXTRA MARIO BROS. ATA氏
スーパーマリオにメトロイドの要素を加えたうえに横(スーマリの面白さ)でも縦(スーマリ飽和状態をより遊ぶ)でもない斜め方向へぐっと引っぱるように作り込み、二次創作という域を出かねない外の光を見せかけた問題作。王道マリオファンからもハードマリオファンからも歓迎され、ユウワン氏に至ってはウェブ公開用の攻略マップまで作成。
参照。
後記
2006年以降については、きっといつか、もっと現場に近い誰かが語るだろうと期待する姿勢で、上記のリストは作られた。
スーパーマリオワールド とか でっていう とか知らないんで、その辺は裏組曲とかへ。あと、スーパーマリオワールドとかで一番特筆すべきなのはやっぱり全自動マリオだと思う。
また、M.A.R.I.O.氏による「MARIO」という2010年に海外で投稿されたホラーな件は、個人的には好み。
追記(2025.1)
2009年にウェブに公開してから15年、noteに公開したのは、このグレーというかブラックな初代系「改造マリオ」つまりハードハックマリオというカルチャーがあったことを、もっと多くの人に知ってほしかったからだ(ちなみに、アメブロにも数年前に公開している)。とはいえ、
も含め、前回の「改造マリオ」記事がまったくリアクションされないところをみると、noteカルチャーには刺さらないのか。
今回、当時のメモから、作者解説などをさらに引用してみた。
リンク切れが幾らかあるが、そのままにしている。URLが役立つときがあるかもしれないからだ。
わ氏「まり堕ち/無理ヲ」や、「HARD RELAY MARIO」とその面々(Mana.氏、レイ氏、スノウアロウ氏、quark氏、ユウワン氏、七休氏)は、別項目で扱いたい。
ぐちゃぐちゃなマップにも程があるAsu氏「手塁/手鞠」や、β氏「βマリオ」シリーズの記述も改めて掘りたいと思っている。
自分は、これら改造マリオを、実験小説とハックを考察するための、参考の観点で、ずっと眺めてきている(まぁ「HARD RELAY MARIO」をプレイしてみても、1ドットのスクロールすら出来なかったというのもある)。
追記2(4jouhan氏)
今回のページを作るにあたり、2011/02/10から2016/07/11まで改造マリオについて語っているブログ「4畳半暮らし」by 4jouhan の存在に気づいた。
未打開の改造マリオというページでは、
・水晶マリオEV(作・rbr氏) *修正版@パラレル Play:sistermindR
・Promotion Mario(作・ガルナ氏、他多数)
・THE RELAY(作・まいかみ氏、他多数)
・βマリオEx(作・ベータ氏)
と紹介している。
また、
・SUPER MARIO √5(作:帰氏)
・裏技Adventure(作・とりがら氏) 究極の練習用改造マリオ
の紹介なども。
4jouhan氏にもオリジナルの改造マリオがあり、BGMや幾らかのキャラが変わっていて(パックンフラワーがかわいい)とりわけ World 4 が見てて気持ちいい「PeCaMARIO」や、まさかの縦スクロール「わかしマリオ縦」などを発表。さらにYouTubeにプレイ動画もアップしている。
peercast史上において改造マリオが最も盛り上がっていたのは、2005~2006年あたりでしょうか
当時大人気の配信者「クソゲーの中の人」を中心に、それはもう大層なものだったようです
氏がプレイしていたものは概ね高難易度であり、理不尽な地形に四苦八苦しつつも打開する姿に、
多くの視聴者が熱狂していた様子は、断片的ですが私の記憶にも残っています
そして、おそらく氏へのネタ提供的な意味も含め、peercast独自の改造マリオが産み出されました
peercast産改造マリオには、共通した特徴があります
基本的にはグラフィック、システム等の改造はあまりされていなく、地形改造が主です
大体は裏技必須であり、高難易度の地形が満載です
そして定番のステージとして、ほぼ必ずどの作品にも「100秒面」があります
これは単純にタイムが100しかないステージというだけなのですが、かなりスリリングで、
見ごたえもやりごたえもあり、私も大好きです
1985年に任天堂が「スーパーマリオブラザーズ」を発表し、1887年の「トンカチマリオ」以降の前史があり、かつて自分が定義した本史が2000年から05年。4jouhan氏いわくpeercast全盛が2005年から06年。ゼロ年代後半もSMB1系改造マリオは展開していたことが伺える。というのも、4jouhan氏のブログは、100本以上こなしたという2011年にようやく始まったからだ(2006年以降を、ここではポスト本史としておく)。ちなみに冒頭で記したスーパープレイヤーの1人、sistermind氏の動画更新は、2009年〜12年だ。
4jouhan氏のブログは、2016年7月(最近全然改造マリオやってないな・・・昔はあんなに熱があったのに、時の経過か、新しい風が吹いて冷ましてしまったのか、もうすっかり・・・)まで続く。冒頭で述べたように、任天堂が「スーパーマリオメーカー」を発表したのは2015年9月だ。
かつて自分は、改造マリオから、想像力拡張の強靭さを見て、感動していた。しかし、うまく言えないので言語化しなかったが、実はハックというダイナミズムに何より感動していたのだ。
4jouhan氏が、そのブログに置いてある〈今まで作ったもの、作りかけたもの(DLPASS:4jhan)〉には、なかなかの八苦マリオ資料が入っている。これを眺めていると、もっと、沼りたくなりもする。
沼とは何だろう。
_underline, 2025.1 (改定 2020.2 / 初出 2007)
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