経産省所管の研究機関に28億円返納要求 検査院、事業終え「不要財産」に
経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究や調査業務に対する政府出資金などのうち約28億円が不要な財産になっていることが6日、会計検査院の調べで分かった。事業終了などで今後使われる見込みがないと判断し、国庫に返納するよう求めた。
NEDOはエネルギーや産業分野の新技術に関する研究を公募し、民間委託や助成をしている国立研究開発法人。水素や再生可能エネルギー、人工知能(AI)、ロボット、半導体などを研究開発する企業や大学を支援している。
検査院が調べたのは、NEDOが委託費や人件費として政府から総額約649億円の出資を受け、2013年度までに期限を迎えた計84件の事業。このうち約10億円は研究事業の終了後も他の独立行政法人が発行する財投機関債で運用し続けていたが、29年度までに償還期限を迎えるため、償還後直ちに返納するよう求めた。
研究成果によって生じた収益など約18億円は政府出資金に該当しないが、今後使う見込みがないと指摘。資産を清算したうえで、国庫への返納を要求した。
検査院は「不要財産と見込まれるかどうかの検討が十分でなく、政府出資以外の資産を国に納付する必要性の認識が欠けていた」と指摘。経産省は「検査院の指摘を受け、関係者と相談し適切に対応していく」とコメントした。