西九州新幹線開業3年「2年目からガタ落ち」駅前レストラン閉店…特急列車3分の1以下に「恩恵は全然受けていない」
進まない「整備方式・ルート」の協議
今年8月、「新鳥栖-武雄温泉」間のあり方について、佐賀県の山口知事は長崎県知事、JR九州の社長と1年3カ月ぶりに意見を交わした。 県の試算によるとフル規格で整備する場合の佐賀県の負担は1400億円以上。山口知事は、巨額の負担となるだけに改めて慎重な検討と地元の合意が必要との認識を示した。 佐賀県 山口知事: やみくもに前に進めても後で問題が発生する。ここできっちりと3者で、もしフル規格で何かやるのであれば、しっかり合意をした上でやらなければいけないというふうに申し上げた 観光業を支える立場から武雄市観光協会の山下会長は、現状へのもどかしさを口にする。 武雄市観光協会 山下裕輔会長: (現状のままでは)次世代にお前たち何やっていたんだって言われますよ。自分たちの覚悟ひとつで通るわけじゃないですか。通せるのに通さないことしているわけでしょう。それをなんと言い訳するのかという話ですよ
特急列車3分の1以下に激減した市町
一方、西九州新幹線の開業に伴い並行在来線になった長崎本線沿線の市町の現状はどうなのだろうか。 肥前鹿島駅では、新幹線開業前は1日に45本停車していた特急列車が14本、3分の1以下に減った。地元の住民からは不満の声があがっている。 太良町の住民: (新幹線の)恩恵は全然受けてないですよ。すごくローカルになっていますよ 鹿島市の住民: 息子が博多にいるけど行かなくなった 並行在来線の利便性はさらに悪化する可能性があるという。 長崎本線利用促進期成会会長 松尾勝利鹿島市長: 特急が14本から10本という話ですので、われわれとしては現状のまま走らせてくださいと まちづくりに大きな影響を及ぼすだけに長崎本線の沿線にあたる4つの市町は、JR九州に運行本数の確保などを要望したが、今後の見通しは立っていない。
駅前再開発 “期待”と“冷めた声”
一方、県と市は、鹿島・太良エリアの玄関口、肥前鹿島駅周辺を新たな観光拠点にするため、53億円をかけて駅舎の建て替えや駅前の再開発を計画している。 新しい駅舎には観光客向けの宿泊施設ができるほか、イベントなどが開催できる広場もオープンする予定で、旅行客にこの地域をゆっくり味わってもらう、いわゆるスローツーリズムを軸とした再開発だ。 しかし、駅前再開発への期待の一方で、市民からは列車本数の確保を急いでほしいとの冷ややかな声も上がっている。地元住民は…。 「(新幹線効果は)ないですね。嬉野温泉とか武雄温泉からたまに来る人もいるけれども。(駅前の再開発には)期待はしますよ。きれいになるから」 「そんなところにお金かけなくていいと思う私は。都会みたいな駅にする必要は全然ないと思いますよ」 「そこ(再開発)に予算をつぎ込むんだったら、電車の便をどうにかしてほしいです」 佐賀県の山口知事は… 佐賀県 山口知事: 新幹線が全てじゃない。素晴らしい地域っていうのは、どんなことがあっても行きたい観光地。そういう素晴らしいエリアを県は一生懸命地元の皆さんと作り上げていきたい 西九州新幹線開業から3年。「新鳥栖-武雄温泉」間の整備方式やルートの道筋も見えてこない中、並行在来線沿線の利便性は低下。課題はいまだに山積している。
サガテレビ