平均年収はバブル期世代<氷河期世代

そして、もうひとつポイントがある。この20年、女性の未婚率は大幅に上方シフトを見せている。

男性の未婚率も同じく上昇している。この間、女性の進学率は上がり、大卒総合職に占める女性割合も高まった。女性の正社員数は、2014年まで横ばいだったものが、それ以降、海老ぞるように増えている。

女性の平均年収も、バブル世代よりも氷河期世代が伸びていると本書2章で書いた。つまり、明らかに女性の社会進出とともに、未婚率は上方シフトしたと見て取れよう。

さて、この現象をどう読むか?

ここから先、「女性批判」と受け取られる論調が一瞬出るが、結論を急がず、最後まで読んでほしい。本書1章で提示した「熟年非正規は圧倒的多数が女性」という日本の宿痾に対して、しっかり意趣返しをすることにしたい。

女性も結婚相手に「容姿」を求めるように

出生動向基本調査には、「結婚相手に求めるもの」という項目がある。この返答の「重視する」と「考慮する」を足して「そう思う」傾向値とし、1992年から直近の2021年まで約30年の間に、独身者の心にどんな変化があったか調べてみた。

まず、男女ともに、昔も今も求める度合いが強いのが、「人柄」「家事育児の能力や姿勢」「仕事への理解」。

続いて、過去には女性と男性で乖離が見られたのが、年を追うごとに女性の数値が男性に近づいたものとして、「共通の趣味」(低下して均衡)と「容姿」(上昇して均衡)の2項目が挙げられる。

背景を推測するに、従来女性は、専業主婦やパート労働のため、男性よりも自由な時間が長く、「趣味」への要望度合いが高かったのが、総合職女性の増加により、趣味時間が減ったことがあるだろう。

また「容姿」への要望が男性並になった点も、女性の地位の向上が背景にありそうだ。

19世紀、文豪トルストイや女性活動家のエレン・ケイは、「生活力がない女性は、資金力のある男性に嫁ぐのが良し」と謳った。当時は相手に容姿容貌を求める余裕などはなかっただろう。それが、女性の収入も地位も向上すると、無理に好みでもない男性と結婚しなくても、一人で生きていけるようになる。そこで、容姿容貌への要望も強くなったと考えられる。