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J Med Chem
新規ピペラジノン融合ヒドロキシピリジノン、単純ヘルペスウイルスの遺伝子転写と複製を阻害
2025年6月20日
単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症に対する新たな治療戦略として、ピペラジノン融合ヒドロキシピリジノン骨格を持つ新規化合物が、アシクロビル感受性および耐性HSV株に対して有効であることが示された。この化合物は、ウイルスの遺伝子転写を非常に早期の段階で阻害し、さらにウイルス複製の後期段階も阻害するという、アシクロビルとは異なる作用機序を持つことが明らかになった。この研究成果は、Journal of Medicinal Chemistry誌2025年6月18日号に発表された。
混合ライブラリースクリーニングによる新規化合物の同定
研究チームは、従来の核酸系抗ウイルス薬で見られる薬剤耐性の課題に対応するため、社内の低分子ライブラリーを用いた混合ベースのスクリーニングを実施した。その結果、新規のピペラジノン融合ヒドロキシピリジノン骨格(A)を持つ化合物を同定した。ヒット化合物A11から構造活性相関研究を開始し、最終的にルシフェラーゼレポーター単純ヘルペスウイルス1型(luc-HSV-1)に対する阻害活性が大幅に向上したリード化合物A50の開発に成功した。A50は、アシクロビル感受性株および耐性株の両方に対して優れた抗ウイルス効果を示す一方で、細胞毒性は弱いという特性を持っていた。
アシクロビルとは異なる作用機序を持つ新規化合物
初期の機序研究により、リード化合物A50はウイルスの遺伝子転写を非常に早期の段階で阻害することが明らかになった。さらに、ウイルス複製の後期段階も阻害するという、アシクロビルとは異なる作用機序を持つことが示された。これは、既存の抗ヘルペス薬に耐性を示すウイルス株に対しても効果を発揮できる可能性を示唆している。また、A50の作用機序が従来の核酸系抗ウイルス薬と異なることは、薬剤耐性ウイルスの出現リスクを低減する可能性があり、単純ヘルペスウイルス感染症の治療における新たな選択肢となることが期待される。
マウスモデルでの有効性と安全性の確認
研究チームは、HSV-1株KOSを感染させたマウスモデルにおいて、A50の投与がウイルス複製を有意に抑制することを確認した。重要なことに、この動物実験では観察可能な毒性は認められなかった。この結果は、A50が前臨床段階において有効性と安全性の両面で有望であることを示している。単純ヘルペスウイルスは公衆衛生上重大な負担となっており、従来の核酸系抗ウイルス薬で見られる薬剤耐性の問題に対応するための代替治療戦略の開発が必要とされている。今回の研究成果は、新規作用機序を持つ抗ヘルペス薬の開発に向けた有望な道筋を提供するものであり、今後のさらなる開発が期待される。
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J Med Chem. 2025 Jun 18;