※ 再掲(加筆)
【昨日】
続行期日、次回不公開。
令和7年10月6日 第一回 損害賠償請求事件
原告 堀口英利
被告 株式会社リクルート
令和7年ワ略
※部
原告は、株式会社リクルートに対し、同社が運営するウェブサイト「北海道じゃらん」で発生したサイバー攻撃に関連して、名誉回復とプライバシーの権利回復を求めている。当時SNSを眺めていた人はこうした「サイバー攻撃」に関するツイートが何べんも流れてきたことがあるかもしれない。
訴訟経緯は原告のNOTEで公開している。
今年の3月19日、「北海道じゃらん」へのサイバー攻撃があり、犯人は原告の氏名、プロフィール画像、連絡先を無断で使用。あたかも原告が攻撃を行ったかのように見せかけた。
本件は冤罪(第三者による犯行)だったものの、リクルート社は調査完了と報告。原告がサイバー攻撃に関与していないという事実は公表せず。本件に関連して原告が求めた慰謝料の支払い、冤罪を晴らすための告知(ニュースリリース、サイト、電子メール)、個人情報の削除要請を行わなかったと原告は主張している。
本件で、リクルートの対応は問題を解決するどころか、対立を激化させ、事態をより混沌とさせているようだ。対立を避け、事態を鎮静化させるようなオプションが見えてこないのはどういった背景があったのか。
原告の主張を前提にすると、リクルート社は、自社の法的責任や評判リスク等の「自分の都合」を最優先。冤罪被害に苦しむ原告の「潔白証明」等の最大ニーズを完全に無視しているようにもみえる。まるで自己の立場を第一に守るかのように見えるリクルートの対応だが、「反社会的勢力の可能性」 といったレッテル張りまで行ったと原告はNOTEで述べている。
大企業の対応としては珍しい。(※もっとも、大企業を被告とする事件は東京地裁の個別具体的な例でも少数が今も係属している)
「名誉を回復してほしい」という訴えに対し、 要求を拒否。対話の前提となる傾聴も拒絶。自社のプラットフォームで冤罪被害が生じたことに、会社としての共感もなく、 原告の友人に詰問するなどの二次加害的な行動が行われたという。
リクルート社の硬直的な対応の背景には 、内部の調整がカギとなっただろうか。
本件がおおむね原告の請求通りであるとして、リクルート社の法務・コンプラ部門が 「絶対に認めない」と押していたのか。この場合、顧客対応や広報を担当する部署が謝罪対応を検討するにあたって、法務部門の方針と不一致という結末だったのかー
一般的な例として、自社サービスが犯罪の舞台として利用され、第三者の原告に具体的な被害(名誉毀損等)が生じていた以上、プラットフォームの事業者は被害者の名誉回復に協力する等の一定の配慮義務(注意義務)が問われることが通常だろう。
さらに、本件はSNSにおいて、粘着グダグダと「サイバー攻撃の犯人」等言葉をそえ、画像と名前が流布、二次被害が発生していた気がする。原告の主張に基づくと、 サイバー攻撃の犯人が行った名誉毀損(原告を犯人とする表示)に対し、リクルート社が事実を認識しながら訂正や告知といった適切な措置を怠ったことを問題にする。いわゆる「不作為」によって名誉毀損状態を維持、あるいは助長したという状況も問題にしているようだ。
私見では、前掲通り、大企業がこうした事件の被害者に対して「冷淡な対応」をするのは、あまり聞かない気もする。いずれにせよ、事件発生から、内部の議論、交渉経緯に至るまでの一切が法廷で明らかになれば、見えるものがあろう。
私が本件で最も関心を持つのは、リクルート社の 「Red Center」、いわゆる司令塔はどの部門だったのかという点である。そのうえで、当時原告(被害者)と協力して真犯人を追及すべきところ、被害者との間に新たな紛争を生み出した原因となった「内部の調整」の全貌を知りたいところだ。
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