数々のテロ・ゲリラ事件を引き起こしてきた過激派、中核派の最高指導者だった清水丈夫議長(88)が9月に議長を退任したことが分かった。清水元議長は51年間の潜伏を経て、5年前に姿を現したばかりだった。中核派では清水元議長の退任と同じ時期に、同派全学連の主要メンバーが離脱する内紛も起きており、組織の混乱がうかがえる。
60年安保闘争を指導
清水元議長は神奈川県生まれ。東大在学中に共産党に入党したものの、武装闘争放棄に飽き足らず共産主義者同盟(第1次ブント)を結成し、60年安保闘争を全学連書記長として指導した。その後、革命的共産主義者同盟(革共同)に参加し、昭和38年の分裂で革マル派とともに誕生した中核派に属した。
44年から公の場に姿を見せなくなり、50年に本多延嘉書記長が革マル派に殺害されて以降、地下から中核派を指導していたとされる。平成9年に議長に就任した。革マル派などからは「シミタケ」と呼ばれている。
清水元議長が指導者となって以降、中核派は、革マル派への内ゲバ殺人や東鉄工業放火殺人事件(昭和58年)、日本飛行機専務宅放火殺人事件(平成2年)、外務省審議官実父宅放火殺人事件(3年)の殺人事件ほか、京都御所迫撃弾発射事件(2年)などの反皇室ゲリラも起こしている。
清水元議長は令和2年、51年ぶりに公の場に姿を見せ、警察当局を驚かせた。翌年に記者会見し、警察官が殺害された昭和46年の渋谷暴動事件を巡り、中核派の組織的関与を認める一方、「殺害は許容していない」と強調。「革命闘争の中で犠牲は仕方がない」と話していた。
中央と全学連が互いに非難
清水元議長の退任と同じ今年9月、中核派中央は学生戦線トップの男性幹部を「女性差別・性暴力」などを理由に除名し、これに反発した同派全学連の矢嶋尋委員長(26)=学習院大=らが本部から追い出されている。
除名された男性幹部は矢嶋委員長の夫で、矢嶋委員長が夫や組織の女性差別体質について告発したところ、頭越しで夫の処分が決められたと反発。中核派中央と全学連は機関紙やネット上で互いを非難している。
中核派除名幹部の妻は全学連委員長 夫の女性差別告発したら「頭越しで処分決定」と非難