タイムリープ、タイムトラベル、時空がテーマのおすすめ小説15選|時を超える非日常の世界へ
タイムトラベルやタイムリープを題材にした小説は、非日常感と感動が詰まったジャンルですよね。今回は、そんな魅力あふれる「タイムトラベル」「時空もの」のおすすめ小説を15作品に厳選してご紹介します。
どれも個性豊かで、まるで物語の主人公として時間を超える冒険をしている気分に浸れますよ。自分が過去や未来に行ったらどうするだろう、と想像しながら読めば楽しさ倍増です!
『時をかける少女』筒井康隆
放課後の実験室、壊れた試験管の液体からただよう甘い香り。このにおいを、わたしは知っている――思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想いを描く。時をこえて愛され続ける、永遠の物語!
タイムトラベルものといえば、真っ先に名前が挙がる本作。1972年には島田敦子さん主演でテレビドラマ化、1983年に原田知世さん主演で映画化、2006年にアニメ映画化など9回にわたって映像化されています。さらに、漫画、絵本、ドラマCD、舞台などさまざまな媒体で翻案されています。
『リピート』乾くるみ
もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? ある日突然の電話で持ちかけられた、夢のような「リピート」の誘いに乗って、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて……。なぜ、犯人は「リピート」した者を狙うのか? 犯人は十人の中にいるのか? あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。驚愕のラストは絶対に見逃せない!
『イニシエーション・ラブ』の著者としても有名な乾くるみさんの作品。2018年に貫地谷しほりさん主演でテレビドラマ化されています。韓国でもリメイクドラマ化されています。
『七回死んだ男』
高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが――鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!
高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが……
――鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!
東西ミステリーベスト100の国内編70位にランクインした本作。タイムリープミステリーといえばこれ、と有名な作品です。軽やかに読み進められる1冊。コメディ要素を感じる点も多く、さくっと読めますよ。
『終りに見た街』山田太一
時下にタイムスリップしてしまった家族
東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。
脚本家として有名な山田太一さんのタイムスリップをテーマにした小説です。テレビドラマ化が3回、ラジオドラマ化が1回、舞台化もされています。2024年には大泉洋さん主演でテレビドラマ化されたことでも話題となりました。
『地下鉄(メトロ)に乗って 』浅田次郎
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
第16回(1995年)吉川英治文学新人賞受賞作。2000年に石川禅さん、毬谷友子さん主演でミュージカルとして舞台化され、2006年には堤真一さん、岡本綾さん主演で映画化、さらに派生ストーリーがテレビドラマ化されています。
『流星ワゴン』重松清
死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った――。
僕らは、友達になれるだろうか?
死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
『ビタミンF』の著者でもある重松清さんの作品です。2005年、2011年に舞台化、2015年に西島秀俊さんと香川照之さん主演でテレビドラマ化されています。家族をテーマとする小説を得意とする重松清さんらしい作品です。
『マイナス・ゼロ』広瀬正
1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械――それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは? 失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。
昭和45年に発刊された広瀬正さんの、タイムトラベルをテーマにした小説です。王道タイムトラベルもの。時間をテーマにした小説が多い広瀬正さんは、「時に憑かれた作家」とも呼ばれています。
『ターン』北村薫
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
『空飛ぶ馬』の著者としても有名な北村薫さんのタイムリープ小説です。2001年に牧瀬里穂さん主演で映画化されています。本作は、『時と人 三部作』のひとつで、『スキップ』と『リセット』とセットになっています。それぞれ独立した話で、時空をテーマにしています。
『ねじの回転-February moment-』恩田陸
近未来。時間遡行装置の発明により、過去に介入した国連は、歴史を大きくねじ曲げたことによって、人類絶滅の危機を招いてしまう。悲惨な未来を回避するために、もう一度、過去を修復してやり直す。その介入ポイントとして選ばれたのが1936年2月26日、東京「二・二六事件」の早朝。そして史実にかかわる3人の軍人が使命をおうことになる。過去の修復はできるのか!?
『蜜蜂と遠雷』、『夜のピクニック』などの著者である恩田陸さんのタイムトラベル小説。2.26事件をテーマにしているので、史実がわかっている方がより楽しめます。
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン (著), 福島 正実 (翻訳)
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──新版でおくる、永遠の名作。
1956年に発刊されたアメリカの小説家、ロバートA.ハインラインさんのタイムトラベル小説です。時空ものの古典的名作。小説の主な舞台は1970年と2000年で、2000年が未来として描かれています。1995年にラジオドラマ化、2011年、2018年に舞台化、2021年に山﨑賢人さん主演で、日本を舞台に翻案したもので映画化されています。
『青天の霹靂』劇団ひとり
学歴もなければ、金もなく、恋人もいない35歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、17年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る――。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。
お笑い芸人としても人気の劇団ひとりさんの2作目の小説です。2014年に大泉洋さん主演で映画化されています。さらりと読みたい時におすすめの1冊です。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾
東野作品史上、もっとも泣ける感動作! 世界累計1300万部突破!
あらゆる悩み相談に乗る不思議な雑貨店。そこに集う、人生最大の岐路に立った人たち。過去と現在を超えて温かな手紙交換がはじまる……張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合う、心ふるわす物語。
『容疑者Xの献身』、『流星の絆』などで有名な東野圭吾さんの長編小説。第7回中央公論文芸賞受賞作品です。2013年と2016年、2017年に舞台化。2017年には山田涼介さん主演で映画化、2020年にはミュージカル化されました。
『蒲生邸事件』宮部みゆき
一九九四年、予備校受験のために上京した受験生の尾崎孝史だったが、二月二十六日未明、宿泊している古いホテルで火災に見舞われた。間一髪、同宿の男に救われたものの、避難した先はなんと昭和十一年の東京。男は時間軸を自由に移動できる能力を持った時間旅行者だったのだ。雪降りしきる帝都では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた――。
大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇!
『蒲生邸事件』の真の主人公は青年ではなく「歴史」である。歴史的事件の肌ざわりをたくみに示しながら、歴史とは何か、そして歴史を評価するとはどういうことかを、さりげなくこの小説は問うている。(関川夏央「解説」より)
『ソロモンの偽証』、『模倣犯』などで有名な宮部みゆきさんのタイムトリップをテーマにした小説です。第18回日本SF大賞受賞、第116回直木賞の候補にもなりました。1998年にはいしだ壱成さん主演でテレビドラマ化、1999年にはラジオドラマ化されています。恩田陸さんの『ねじの回転-February moment-』と同様、こちらも2.26事件の史実がわかっているとより楽しめます。
『君の名残を』浅倉卓弥
累計130万部突破『四日間の奇蹟』の著者・浅倉卓弥が描いた、渾身の浅倉版「平家物語」である『君の名残を』が装いも新たに復刊します。幼馴染みで、剣道部主将を務める高校生・原口武蔵と白石友恵は雨が降りしきる下校途中、忽然と姿を消してしまう。二人が目覚めたそこは平安末期、動乱の前夜だった……。現代の高校生が、突然、平安時代の末期にタイムスリップし、それぞれが重要な歴史上の人物として生きていく壮大な歴史ロマンスです。
『四日間の奇蹟』の著者でもある浅倉卓弥さんの小説。巴御前、武蔵坊弁慶、北条義時の3人が平成からタイムスリップしてきたとする平安末期の平家物語を舞台としたミステリー小説です。壮大な歴史小説に仕上がっています。
『神はサイコロを振らない』大石英司
かつて、忽然と消息を絶った報和航空四○二
便YS?11機が突如、羽田空港に帰還した。
しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の
針は十年前を指したまま……。戸惑いながら
も再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けて
いた運命とは??。
歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。
架空戦記、軍事サスペンスが得意な大石英司さんのタイムスリップ小説です。2006年に小林聡美さん主演でテレビドラマ化されています。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛
親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒濤のラストは圧巻
汐見夏衛さんのデビュー作。2023年に福原遥さんと水上恒司さん主演で映画化されました。続編は『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』で、スピンオフ作品として『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。Another』が発刊されています。
まとめ|タイムリープ、タイムトラベル、時空がテーマのおすすめ小説15選|時を超える非日常の世界へ
タイムトラベルや時空もの小説は、私たちを非日常の世界に連れて行き、時間を超えた物語の魅力を存分に味わわせてくれます。
お気に入りの作品を手に取って、過去や未来への冒険を楽しんでくださいね。



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