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北海道新聞2023年9月19日 22:02(9月19日 23:07更新)
自民党の杉田水脈衆院議員がブログなどでアイヌ民族を侮辱的に表現した問題について、札幌法務局が「人権侵犯の事実があった」と認定し、杉田議員側に人権尊重への理解を求める「啓発」を行ったことが19日、分かった。法務局に人権救済の申し立てをしていた当事者らが明らかにした。
認定は7日付。認定されたのは、2016年の国連女性差別撤廃委員会の際、杉田議員が「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」と写真付きで書いたブログやフェイスブックの投稿と、同委の様子を撮影したツイッター(現X)の投稿計3件。杉田議員に中傷されたとして、同委に札幌アイヌ協会の会員2人と参加した多原良子さん=札幌市=が3月、法務局に救済を申し立てていた。
杉田議員の事務所は19日、北海道新聞の取材に「法務局から啓発を受けた」と認めた。法務局は「個別事案については回答できない」としている。
多原さんは15日、法務局から報告を受けた。多原さんによると、杉田議員が投稿を削除していたため、法務局は捜査機関への告発などの「措置」を取ることは「猶予」とした。法務局は規程に基づき、杉田議員に「アイヌ文化を学び、発言に注意すること」と口頭で伝え、人権尊重を働きかける「啓発」を行ったという。
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(吉田隆久、武藤里美)