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無意識の差別や偏見 ウポポイ職員悩ます 「アイヌも進歩」「もういない」… 専門家「組織が対応を」

2023-07-30 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年7月29日 19:36(7月29日 21:22更新

開業3周年を迎えたウポポイ。無意識の差別や偏見による来場者らの何げない言動が職員を戸惑わせている
 【白老】マイクロアグレッション(小さな攻撃や、けなし)と呼ばれる無意識の差別や偏見に基づく何げない言動が、今月開業3周年を迎えたアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)で働く職員を悩ませている。中にはアイヌ民族の存在を否定するような発言もあり、専門家は「発言した側に悪意がなくても、アイヌ民族にとって深刻な精神的ダメージにつながる」と対策を訴えている。
 「床暖房が入っている。アイヌも進歩してるんだね」。2021年冬、チセ(家)の中で来場者を案内している時、若い男性が発した言葉に、体験教育課の杉本リウさん(27)は違和感を覚えた。「アイヌは粗末な家で昔ながらの生活をしているという偏見に基づいたような発言で、言葉が出なかった」と振り返る。
 杉本さんは和歌山県生まれ。父方の祖母がアイヌ民族にルーツがあるかもしれないと聞き、大学卒業後の19年にウポポイを運営するアイヌ民族文化財団に就職。現在はウポポ(座り歌)体験など文化解説を担う。チセで耳にしたような発言に「とっさに反応できないこともあり、後からもやもやしてしまう」と話す。
 国立アイヌ民族博物館の学芸員でアイヌ民族の北嶋イサイカさん(50)は、来館者に「もうアイヌ民族はいないんでしょ」と言われ、自身がアイヌ民族だと伝えると「アイヌに見えない」と言われた。
 北嶋さんは「自分の存在を否定されるのはつらい」とした上で「全員ではないが、同じようなことを聞いてくる人は多い」と明かす。
 また「アイヌ民族の身体的な特徴は何か」と聞かれることもある。「毛深いと言われている」と答えるときもあるが、北嶋さんは「そもそも誰でも、背が低いとか太っているとか身体的な特徴を聞かれるのは嫌なはずだ」と話す。
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(斎藤雅史)
☆北原モコットゥナシ教授のシは小さい字
<ことば>マイクロアグレッション 日常のちょっとした言葉や行動に現れる、人種や性別、性的指向など特定の集団を軽視したり、侮辱したりするような否定的表現。意図的かどうかは問わない。加害者は偏見や先入観に基づく言動が相手をおとしめたと気づいていないことが多く、被害者を沈黙させる影響などがあるとされる。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/885516/

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