こっちのけんと ブレーク経て使命を実感「人のために歌っている」 目標は2年連続紅白「緊張しすぎて…」
【インタビュー】「♪ギリギリダンス ギリギリダンス(踊れ)」。このフレーズを多くの人が耳にしただろう。アーティストのこっちのけんと(29)が昨年5月に配信リリースした「はいよろこんで」はMV再生回数が2億回に迫るほどの大ヒットを記録した。けんとはブレークを通して音楽活動への向き合い方が変化したという。「人のために歌っているんだなと感じるようになりました」と明かす。生きづらさを抱える人に音楽を通して寄り添うけんとに、音楽活動への思いを聞いた。(望月 清香) 【写真あり】「こっちのけんと」が結婚報告 妻と肩組み2ショット披露 「はいよろこんで」は昨年大ヒット。けんとはNHK紅白歌合戦に出場するなど、瞬く間に時の人となった。「今まで積んできた徳が全部発散されたんじゃないかというくらいありがたい1年でした」と感謝した上で、「正直怖さはありました」と吐露した。環境の急激な変化に時に戸惑いを覚えたという。「ファンの方の間で“手の届かないところに行っちゃう”みたいな雰囲気があったんですが、僕自身も同じ感覚。本名は菅生健人なのですが、こっちのけんとが菅生健人から離れて行ってしまう感覚がありました。正解が分からないまま全力を出し続けていた感じです」。 「無茶し過ぎないように一度休もうと思いました」。今年の元日から約2カ月間活動をセーブした。活動休止ではなく、あくまでセーブ。新婚旅行に行くなどプライベートの時間を大切にしながら、音楽活動は続けた。そこには自身と同じ病気と戦うファンへの思いがあった。けんとは双極性障害であることを公表している。「完全に休むと自分のせいで“やっぱりこの病気はダメなんだ”と思われてしまう気がした。ブレーキを踏むのではなく、ただアクセルを踏まないでいることを自分が表立ってやろうと思いました」と明かした。 ファンの存在を実感するようになったのはブレークがきっかけだという。「見てくださる方が凄く増えました。ライブをやるごとに僕と同じように精神の病を持っている方や身体の障害を持っている方も目に入るようになりました」。ファンの存在は音楽活動への向き合い方に変化をもたらした。「僕が表に出て歌っていることはこの人たちにとって意味のあることなんだなと感じるようになった。必要としていただいている感覚が凄くあります。それまでは自分のために歌っている意識だったんですけど、人のために歌っているんだなと感じるようになりました」。 けんとは「自分の感情が揺れるかどうか」をポイントに楽曲を制作しているというが、自分自身に手を差し伸べる感覚で紡いだ言葉は、いつしか多く人の生きる希望になっていた。最新曲「ごくろうさん」は「♪負けてもいいから僕ら」というメッセージが共感を呼んでいる。「自分がお腹いっぱいになっても、まだまだ歌っていかないとみんながお腹いっぱいになれない。だからこそ、無茶しないことを自分に課しながら歌っていきたいです」と使命を語った。 これから楽曲を通してどんなことを伝えたいかを聞くと、自分に言い聞かせるように言葉を選んだ。「とにかく言い訳できるようにしてほしいです。全部自分のせいにしちゃうと良くない。自分を責めすぎちゃうのは良くない。言い訳をちゃんとしてほしい。それから自分を下げることを癖にしないことが大切だと思います。自虐ばかりしていると本当に自分がダメになってしまう気がするので、プラスの入り口からスタートダッシュした方がいいんじゃないかと思っています」。 最後に今年の目標について、「2年連続で紅白歌合戦に出たいです」と答えた。「去年出させてもらってめちゃめちゃ楽しかったんですけど、緊張しすぎて頭が真っ白だったんです。初デートでディズニーに行ったら緊張しちゃってディズニーも楽しめなかったしデート相手を楽しませられたのかも分からないみたいな(笑い)。もし可能なら、紅白にもう1回アタックしたいですね。今度は心から楽しみたいです」。続けて、「プライベートだととにかく軽井沢に行きたいですね。軽井沢って凄く大人のイメージがあるので」と大きな口を開けて笑った。 こちらの質問に、時に悩みがら真剣に、時にユーモアたっぷりに答えたけんと。温もりを感じる嘘のない言葉1つ1つに、けんとの言葉だからこそ救える人がいるのだと感じた。 ○…けんとは10月19日に開催される音楽イベント「TOKYO FM LIVE in 渋谷音楽祭」に出演する。TOKYO FMがリスナーへの日頃の感謝の気持ちを込めて行うイベント。「ラジオイベントらしくおしゃべりにも重きを置いた楽しいライブにしたい」と意気込んだ。チケットは一般発売中。
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