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【のらえもんの「マンションバカ一代」】(11) “コミュニティーを買う”…これがマンション管理の重要性だ!



重要な話なので、前回に引き続き、“管理”について解説させてもらいます。国土交通省の『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』に記載されている、20階以上の高層マンションの修繕積立金の目安は1㎡あたり338円(※平均値)です。一方で、延床面積5000㎡未満の小規模マンションでは月額335円。なんと、費用負担がタワマンと大差ないんです。

小規模だと少数の区分所有者で共用部維持費を負担する為、一戸あたりの積立金が割高になるわけです。どうせ同じ金額を負担するなら、共用設備が充実しているタワマンのほうがQOLが上がるわけでして、本連載では一貫してマンション規模の大切さをお伝えしています。ちなみに、一番管理のコスパがいいマンションは、200戸程度の板状マンションだったりします。

1㎡あたり338円がタワマンの修繕積立金の目安とすると、70㎡のファミリータイプの場合、月額2万3660円が適正金額となります。一 方で、埼玉県某都市の駅前には月の修繕積立金が4000円というタワマンが存在します…。これって明らかに持続不可能な金額設定で、まともな購入検討者だったら不安を覚えるはずです。突然、「来月から修繕積立金を5万円に値上げします」と言われる可能性がある上に、値上げを巡って反対派住人が絶叫する未来がありありと浮かびます。

修繕積立金不足に陥ったマンションに待っている悲劇は“爆裂”です。通常、コンクリートの中に埋まっている鉄筋は、空気に触れず錆びにくい状態を保っていますが、コンクリート(※アルカリ性)は時間経過と共に徐々に中性化します。その過程で鉄筋の皮膜が壊れ、空気中の酸素と水分による鉄の酸化が進行。酸化した鉄の体積は2~3倍に膨張し、周囲のコンクリートを内側から押し広げ、爆裂が発生するんです。その結果、雨水も浸入するようになり、加速度的に建物の劣化が進行します。

これを防ぐには定期点検や防水塗装が重要なんですが、“先立つもの”が必要。そこで「積立金が足りないから」と、予定していた大規模修繕を先送りしたら、「その間に工事費が30%も上がっていた!」なんてことが現実に起こっているので笑えません。新築時の修繕積立金って、分譲会社が“買ってもらいやすい”ように低く設定しているのが常です。

だから、竣工5年目を過ぎたあたりで、将来を見据えて現実的な積立金設定に見直すのがおすすめ。そのほうが後から入ってくる住人も助かるし、未来の選択肢を減らさなくて済みます。もしあなたがマンション管理組合の理事になったら、まずすべきことは滞納者のチェックです。理事になれば、組合員の部屋番号・氏名等が明らかになります。

もしその中に6ヵ月以上の滞納者がいれば、完全にナメられている状態です。電気代と水道代は払えているのに管理費は払えないなんて通りません。即刻、滞納者に対するレギュレーションを決めて、弁護士・管理会社と連携、早期対処すべし。真面目な住人がバカを見る状況はすぐに是正しましょう。

また、マンションで多い“騒音”に関するクレームですが、物理的な対策って正直限界があるので、管理によるコミュニティーの構築で緩和するといいでしょう。例えば、知らない子供の足音は騒音になっても、顔見知りの子供の足音なら「◯◯ちゃんは今日も元気だなぁ」と受け取りほうが変わる傾向にあります。

その為には、お祭り等のイベントを開催して顔見知りを増やすのが有効。こういったイベントは“次の理事候補を発掘する仕組み”としても非常に優秀です。各戸にポスティングして理事を募ったとしても、せいぜい反響は0.5%程度ですが、イベントを手伝ってくれた方への声かけだと歩留まり率は跳ね上がります。

マンション理事の決め方って、持ち回り制ないしは立候補制のどちらかだと思いますが、“立候補を可”としている組合の場合は若干注意が必要です。立候補者の動機がマンション全体と一致すれば問題ないのですが、食い違っていたりすると後々禍根を残すからです。

例えば、近々大規模修を控えているマンションの一室を建築コンサルタント会社が購入して、大規模修繕委員会に刺客を送り込むケースもあります。「大規模修繕があるなら修繕委員長をやります」と挙手。これで10億円の工事を発注して、1億円のバックマージンを抜けるならボロい商売です。コンサルタント会社は数年保有した後、部屋を売却して去っていきます。区分所有者が立候補している以上、ダメとも言えないし、これって別に犯罪でもありません。つまり防ぎようがない。

最後に“神管理”の事例を紹介します。私が敬愛してやまない“はるぶー”こと應田治彦さんは、東京都足立区にある総戸数515戸のマンション『イニシア千住曙町』の管理組合で理事長を務める人物です。その管理手腕には学ぶべき点が多く、同マンションでは竣工から十数年が経ったところで棟内ミニショップをスタディールームに変更したり、シニア層が増えるのを見越してカラオケルームや麻雀の兼用部屋をつくったりしています。居住者の年齢の移り変わりに応じて、必要な設備投資ができているんですね。

他にも白い外壁を高圧洗浄で維持したりと、総じて関わる人達のマンション愛がすごい。今の住人が満足していることが、新しい住人を呼び寄せる材料となっていて、管理のモデルケースと言えます。通常、管理組合が黒字になると管理費を下げるマンションもある中、ここでは黒字を居住者に還元する設備投資に充てていて、それを自己決定できているのがすごい点です。

マンション管理って地味な作業の積み重ねですが、これが未来の“選ばれるマンション”か“敬遠されるマンション”かを分けます。マンション購入は“コミュニティーと居住者を買う”のと同義であることを忘れないで下さい! (聞き手・構成/フリーライター 栗林篤)


のらえもん マンションアナリスト・『スムログ』発起人・住み替え支援サービス『すみかえもん』プロデューサー。自身のブログやSNSでマンション購入に役立つ情報を13年以上に亘り発信。著書に『本当に役立つマンション購入術』・『絶対に満足するマンション購入術』(廣済堂新書)。


キャプチャ  2025年6月3・10日号掲載

テーマ : 住宅・不動産
ジャンル : ライフ

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Author:George Clooney

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