高専学生の自殺「悲劇は防ぎ得ただろう」 第三者委が認めた経緯とは
東京工業高等専門学校(東京都八王子市)で3年生の男子学生(当時18)が5年前に自殺した問題があり、検証していた第三者調査委員会は5日、調査報告書を公表した。学生を指導した教員が、攻撃的な態度で必要以上の負担感や罪悪感を与えたことなどが自殺に影響したと指摘。「それだけ背負いきれない苦痛があったものと考えざるを得ない」と断じた。
報告書は昨年8月1日付(11月20日付で一部表記など修正)。第三者委(委員長=野村武司・東京経済大学教授)から高専を設置・運営する国立高等専門学校機構宛てに提出された。
亡くなった男子生徒は、学生会の会長を当時務めていた野村陽向(ひなた)さん。2020年10月5日午後1時ごろ、神奈川県内の自宅自室で亡くなっているのを父親の正行さん(55)が見つけた。自室には「私の中で負担となっているのは学生会」「精神的に様々な要因で追い詰められてた」などと書かれた遺書が残されていた。
報告書などによると、陽向さんは2年生だった19年4月に学生会長に就任。3年生でも再任された。だが、20年4月にコロナ禍で休校となり、学生会の活動はオンラインに限定された。同6月には文化祭の開催を巡り、主催者である学生会として役員全員の総意で中止する方針を決定し、陽向さんが学校側に中止を求める要望書を提出した。
教員へ「とても傷つきました」
一方で、文化祭の実行委員会…