幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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こうしてる間にもラズ上はボコられてるんやなって


55話

 ハルカとの激闘の末、なんとか勝つことができた。

 

 メガバシャーモがとんでもなさすぎて、危うく負けるかと思ったのだが──。

 

「ムクホークにメガシンカがあるなんて聞いてないよー!!」

「俺も知らなかったけどね?」

 

 なんかメガバシャーモの対面にムクホーク出した瞬間にセルフメガシンカしやがった。

 

 だから勝手にするのやめろって。ていうかお前のメガシンカ見つかってないはずだろ。メガシンカがあるかどうかシロナさんに確認してんだぞこちとら。

 

「あー、悔しい! こんな気持ちになったの久しぶりかも!」

「文句があれば全部ムクホークにお願いします」

ホォ!?

 

 当たり前だろ。いや、お前がなんかやらかしたら俺も責任は取るけどさ。

 

「文句なんてないよ! 久々に本気で熱くなれて、とっても楽しかった!!」

「よかったなムクホーク。許されたぞ」

「ホッ」

 

 安堵の息を吐いたムクホークを見て、俺はふと思いつく。

 

 メガムクホークにカツラ付けたら、メガアローラムクホークが生成出来るのでは……?

 

「ムクホーク。ちょっとそのままステイな」

「……ホァ!?

「おまっ……!」

 

 カバンを触り始めた俺を見て、ムクホークはこちらの魂胆を察したのか、勝手にボールに戻っていった。

 

 ……そりゃ、まあ。脱走癖があるなら自力でボールに戻る手段くらい確保してるか。

 

「ねえシバリくん! ジム巡りしようよジム巡り!」

「へ?」

 

 ハルカが目を輝かせながらこちらに駆け寄ってきた。

 

「だからジム巡り! シバリくんならきっと──!」

 

 シンオウとかガラルでも言われたなそれ。うーん、やっぱりポケモントレーナーなら一回くらいやっておくべきなのか?

 

 とはいえ今はあんまり興味もないし……。

 

「いつかやるかもしれないけど、今はいいかな」

「そんなぁ……リーグでバトルしたら緊張感も増して、もっと楽しいはずなのにぃ……

 

 何やらとても残念がっている。

 

 ……もしかしてあれかな、サイトウさんから聞いた怠けないケッキングと、俺のケッキングの対決が見たいとか、そういう感じだったりするのかな。

 

 確か持ち主はジムリーダーのはずだし、ジム巡りすれば自然と会うことになるしね。

 

 えっと……確か、センリさんだっけ?

 

「……ジム巡りはしないけどさ」

「うん……」

「ノーマルタイプジムのセンリさんのところなら行くよ」

「へ?」

 

 ハルカはポカンとした表情で俺のことを見てくる。

 

「な、なんでそこだけ……?」

「ハルカが行きたいかなって」

「何であたし──がっ!?」

 

 急にハルカの顔が真っ赤になった。

 

「ち、違っ! 確かにシバリくんがジム巡りしたらチャンピオンになってホウエンに君臨する(そうなる)かもしれないけど、それは別にずっと一緒に居たいって(そういう)意味じゃなくて……! だから挨拶なんて、そんな──!」

 

 ふむ。ジム巡りしたらセンリさんに会うことになる(そうなる)けど、ケッキング対決が見たい(そういう)わけじゃないのか。

 

「でも俺としてはセンリさんに会っておきたくてさ」

「はえっ!?」

 

 止まらないケッキングを育てたトレーナー同士、良い話が出来るだろうしね。

 

「だから、もし良ければ付き合ってくれないか?」

「ええええええええええええええええ!?!!!!?」

 

 ハルカは顔を赤くしたまま、目をグルグルさせて後ずさった。

 

「あ、あのっ! あのあのあのっ! あたし、その、まだ、恋愛(こういう)の、よくわからなくて……!」

「あー……」

 

 確かに、ジム巡りするわけでもなくただただ特定のジムリーダーに会いたいだなんて、結構無茶な要求だよな。

 

 案内を任されている身だとしても、ジムリーダーにどうやって取り次ぐべきなのかとか、想定はしていなかったのかもしれない。

 

「ごめん、無理言ったかも。一旦忘れてくれないか?」

「え、えぇ!? わ、忘れっ……忘れ!?」

「……もしかしてさっきの、頭に残るくらい嫌なお願いだったか……?」

「い、いやっ、そうじゃなくて! だってあれを忘れろって、そんな、そんなのっ……! えぇ……?」

 

 頬に手を当ててうずくまってしまった。

 

 ……ジム巡りでもないのに特定のジムリーダーと会おうとするのって、そんなにアレなことだったのか……。

 

 そ、そりゃそうか……。ジムリーダーだって暇じゃないし、会いたい人なんか他にも居るだろうしな……。俺個人の勝手なお願いでそんなことは出来ないか……。

 

「よし、今の話は一旦ナシにしよう。そんなことよりフエンせんべいが食べたいな俺」

「そんなことより!? ……あ、う、うん! フエンせんべいね! ここからなら一旦キンセツシティの方に──

 

 ハルカはすぐに表情を切り替えると、そのまま俺の手を引こうとして──。

 

「……あっ」

「ん?」

 

 俺の手に触れた瞬間、ハルカはまた顔を赤くして手を引っ込めた。

 

「こ、こういうの、きっと良くないよね……。そんな気もないって言ったばっかりなのに……。あはは……」

「なんで急に自覚を……? まあ、普通の異性同士ならやらないんだろうけど……」

 

 先程俺を空港から連れ出したハルカのことを思い出す。

 

 確かに急に手を引かれて驚いたし、ここまで走らされて疲れはしたけど……。

 

「別に、ハルカらしくていいんじゃないか? 遠慮してぎこちないハルカよりも、元気いっぱいなハルカの方が俺は好きかな」

「好っ……………!?」

 

 俺の言葉を聞いて、ハルカはこちらの肩を掴んで揺さぶってきた。

 

「ねぇシバリ君! 自分が何言ってるかわかってる!? 忘れろって言ったのシバリ君だよね!?」

「な、なんだよ!? 別に掘り返すようなことしてないだろ!?」

「してるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 とんでもない勢いで揺さぶられたが、しばらくするとハルカは手を止めて、荒い息を吐きながら手を離した。

 

「はぁ……ふぅ……、も、もういいもん。ならこっちだって、遠慮しないから……」

「へ?」

 

 ハルカはしっかりと俺の手を掴み、まだ少し顔を赤く染めたまま口を開いた。

 

「後で勘違いさせるようなことするなって言われても、聞かないからね!!」

「え? あ、うん」

「ならよし! 行こっか! シバリくん!」

 

 そうして、心なしか耳を赤くしながらハルカは走り出した。

 

 ……俺の体力、持つかなぁ……。




・メガムクホーク
メガストーンの運命を秒で破壊した。
ラズ上は泣いて良い。

・メガバシャーモ
ハルカのバシャーモがメガシンカした姿。
メガムクホークの無反動ブレバに撃沈。
百戦錬磨のバシャーモも、ムクホークのメガシンカには流石にびっくりした。

・ハルカ
絶賛勘違い中。センリ(お父さん)と会いたいって話が早すぎない!?

そっちがそう言うなら普段通りにするからね!!

・シバリ
センリさん会ってみたいなー(ケッキングトークしたいだけ)

・キルネア
まだムクホークのセルフメガシンカを認知していない。

・メガアローラムクホーク
多分エスパーっぽいって理由で特性がヨガパワーになる。
なれ(願望)

どの手持ちポケが一番良かった?

  • シバリ:ムクホーク
  • シバリ:ジュカイン
  • シバリ:シャンデラ
  • シバリ:パルシェン
  • シバリ:ゴローニャ
  • シバリ:ケッキング
  • ラズ:エレキブル
  • ラズ:ドドゲザン
  • ラズ:ギャラドス
  • ラズ:ドーブル
  • ラズ:カクレオン
  • ラズ:メタモン
  • サイトウ:柔道整復師カイリキー
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