1960~1970年代に一世を風靡したイタリアン・ホラーの礎を築いた名匠マリオ・バーヴァがこの世を去って40年。この節目に日本初公開作含む13作品が初めてブルーレイでリリースされます。スコセッシやタランティーノら名だたる映画人たちに影響を与えたバーヴァの世界をご案内しましょう。(文・久保田明/デジタル編集・スクリーン編集部)
(カバー画像:「血ぬられた墓標」(1960)© Naor World Media Films, Inc All Rights Reserved.Photos by GettyImages)

第Ⅰ期ブルーレイBOX収録作

「没後40年マリオ・バーヴァ大回顧第Ⅰ期」BD BOX 2020年6月10日(水)発売

画像: 販売:キングレコード 価格:33,600円+税(7枚組) 特典:山崎圭司監修ブックレット封入、バタリアンズによる オーディオコメンタリー他

販売:キングレコード
価格:33,600円+税(7枚組)
特典:山崎圭司監修ブックレット封入、バタリアンズによる
オーディオコメンタリー他

「血ぬられた墓標」(1960)

画像2: 「血ぬられた墓標」(1960)

吸血鬼の烙印を捺され、憤怒のなかで処刑された女が2世紀後に蘇る。「恐怖の振り子」(1961)「ピラニア」(1978)などでホラー・クイーンとして人気を集めたエキゾチック女優、バーバラ・スティールの出世作。流麗なカメラワーク、魔女が復活する場面のトリック撮影などがいまも新鮮!モノクロ画面が神秘的で美しい。

「呪いの館」(1966)

画像: 「呪いの館」(1966)

神に見放されたといわれる村で起こる連続怪死事件。警察署長と検死官がナゾの解明に挑む。地面を這う霧。螺旋階段。廊下の奥に立つ少女。ゴシック・ホラーの逸品としてフェリーニ監督ら名匠からも支持を集めた傑作が美画質で復刻!日本では1973年、オカルト映画ブームのなかで公開された。

「ナイヴズ・オブ・ジ・アベンジャーズ」(1966)

本邦初公開

画像: 「ナイヴズ・オブ・ジ・アベンジャーズ」(1966)

流れ者のヴァイキング(「ミネソタ無頼」などの米国男優キャメロン・ミッチェル)が、横暴な支配者から隠れて暮らす女と息子を助けて去ってゆく、という名作西部劇「シェーン」の翻案作品。海賊たちは拳銃の代わりに投げナイフで戦う。イタリア娯楽映画の人気ジャンルである史劇アクションの珍品。

「ブラック・サバス/恐怖!三つの顔」(1963)

劇場未公開

画像2: 「ブラック・サバス/恐怖!三つの顔」(1963)

モーパッサン、トルストイ、チェーホフの短編小説に材をとった3話構成のオムニバス映画。出所した男からの脅迫に怯える「電話」、吸血鬼伝説が残る村を舞台にした「ヴルダラク」、降霊術の最中に死んだ老女の呪い「水滴の音」。ゴージャスな色彩設計と洒落た語り口。ファンの間で永く愛されてきた人気作。

「知りすぎた少女」(1963)

劇場未公開

画像: 「知りすぎた少女」(1963)

殺人事件を目撃した女性が事件に巻き込まれるミステリー。“ジャッロ映画”の原点ともいわれている。

「ファイブ・バンボーレ」(1970)

劇場未公開

アガサ・クリスティーの原作『そして誰もいなくなった』を基にしたサスペンス。バーヴァいわく“失敗作”らしい。

「ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック」(1970)

劇場未公開

画像: 「ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック」(1970)

「青春の旅情」(1961)のブラッド・ハルゼー主演のマカロニ・ウェスタン・コメディー。コミカル西部劇の先駆け的な作品。

第Ⅱ期ブルーレイBOX収録作

「没後40年マリオ・バーヴァ大回顧第Ⅰ期」BD BOX 2020年8月5日(水)発売

販売:キングレコード
価格:28,800円+税(6枚組)
特典:山崎圭司監修ブックレット封入、バタリアンズによるオーディオコメンタリー他

「血みどろの入江」(1971)

劇場未公開

画像: 「血みどろの入江」(1971)

避暑地で繰り広げられる殺人事件。80年代のスプラッター(血しぶき)映画を先導したといわれる残虐ホラー。特に「13日の金曜日」(1980)に与えた影響は大きく、ナタでの顔面まっぷたつやアベック串刺しなど似た名場面が登場している。クラシックな怪奇映画を得意としたバーヴァ監督が一歩踏み出した作品。

「ラビッド・ドッグズ」(1974)

本邦初公開

車で逃走する狂犬のような強盗犯たちに拉致された男女の混乱と恐怖。撮影終了間際に出資者の他界で製作が頓挫。息子のランベルトらが1998年に完成させたいわくつきの犯罪映画。出演は初期作「モデル連続殺人!」(1963)に助演していたリア・ランデールと、「死刑台のメロディ」(1971)の名優リカルド・クッチョーラ。

「フォー・タイムズ・ザット・ナイト」(1971)

本邦初公開

日本未公開のコメディー作品。ダニエラ・ジョルダーノ、ブレッド・ハルゼー、ディック・ランドール共演。

「リサと悪魔」(1973)

劇場未公開

画像: 「リサと悪魔」(1973)

カンヌ国際映画祭で評価を得つつも配給先がなくお蔵入りに。「新エクソシスト/死肉のダンス」(1975)のオリジナル。

「処刑男爵」(1972)

劇場未公開

画像: 「処刑男爵」(1972)

当時の人気女優エルケ・ゾンマー主演。「血ぬられた墓標」(1960)に並ぶゴシックホラーとして名高い。

「新エクソシスト/死肉のダンス」(1975)

劇場未公開

画像: 「新エクソシスト/死肉のダンス」(1975)

「リサと悪魔」(1973)にシーンを追加し再編集、「エクソシスト」(1973)人気にあやかり大ヒットした。ミッキー・ライオン名義。

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Photos by GettyImages 

画像: 【ホラーファン必見】“ホラー映画の父”マリオ・バーヴァの世界
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ジェイソン・ステイサムが、今は養蜂家だが元は凄腕の特殊工作員だった男を演じるアクション映画『ビーキーパー』の続編『ビーキーパー2』The Beekeeper 2 の共演者が決定。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのポム・クレメンティエフと、元プロレスラーの『スカイ・ミッション』やドラマ「ヴァイキング 海の覇者たち」のアダム・コープランドがこの続編に出演する。
 ストーリーや、2人が演じる役は未発表。監督は『Mr.ノーバディ2』のティモ・ジャイアント。脚本は前作と同じカート・ウィマー。製作はミラマックス、ロングショット・プロダクションズ他。撮影は英国で行われる。

表紙:『鯨が消えた入り江』

画像: 表紙:『鯨が消えた入り江』

付録:『鯨が消えた入り江』テレンス・ラウ&フェンディ・ファン  両面ポスター

画像1: ジェイソン・ステイサム主演『ビーキーパー』続編の共演者たちが決定
画像2: ジェイソン・ステイサム主演『ビーキーパー』続編の共演者たちが決定

特集

一通の手紙がつないだ、忘れられないあの夏へ
『鯨が消えた入り江』
・CHARACTER、CHECKPOINT
・スクリーンの向こう側の台湾へ〜天宇と阿翔の足跡〜
・テレンス・ラウ&フェンディ・ファン インタビュー
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アクション映画に情熱を注ぐ、熱き師弟の物語『スタントマン 武替道』
師弟ムービー10選

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大迫力&大興奮!SUMMER MOVIE BIG 2
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
・初登場主要キャラクター紹介
・サン・ユベール島に棲息する恐竜たち
・必見!「ジュラシック・シリーズ」を振り返る
・メイキング・オブ『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
・恐竜映画100年の歴史

画像2: 特集

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が拓くMCUの未来
ペドロ・パスカル&ヴァネッサ・カービーWインタビュー
『ファンタスティック4』をもっと楽しむためのキャラクター・ガイド&4つのキーワード
杉山すぴ豊が“MCU最重要作”を深読み考察

『スーパーマン』 みどころを全映画ファンに解説
『F1®/エフワン』 熱狂のエンジン ブラッド・ピット

画像3: 特集

ディズニー&ピクサーの最新ファンタジー・アドベンチャー
『星つなぎのエリオ』
あのジョン・ウィックの世界に新たな復讐の女神が誕生!
『バレリーナ:The World of John Wick』

注目スタジオ「FX」、その最新作!「エイリアン:アース」
・シリーズ初づくし! 「エイリアン:アース」
・「エイリアン」シリーズとのLINKをおさらい
・ドラマ賞レースの新たな顔!「FX」の軌跡
・大人向けのドラマ多数!おすすめ「FX」作品

画像4: 特集

今でも大活躍!人気海ドラスターTHEN&NOW
すべてがパワーアップ! 「ウェンズデー」シーズン2

UNSTOPPABLE Actors 10
— 世界を虜にするハリウッド俳優たち—
スカーレット・ヨハンソン/ペドロ・パスカル/アナ・デ・アルマス
レオナルド・ディカプリオ/セバスチャン・スタン/マッツ・ミケルセン 他

終戦80年特別企画 世界の巨匠たちが描いた第2次世界大戦

『隣のステラ』
八木勇征×福本莉子 SPインタビュー
劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』
菜々緒 SPインタビュー

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アニメ「オッドタクシー」の脚本で知られる此元和津也が原作・脚本としてオリジナルストーリーを書き下ろし、映画「もっと超越した所へ。」やドラマ「忘却のサチコ」などMV、CM、TVドラマや映画のディレクションを数多く手掛ける山岸聖太が監督を務めるミステリードラマ「シナントロープ」が10月6日(月)より放送。
街の小さなバーガーショップ“シナントロープ”。 そこで働く8人の若者たちのリアルな人間模様と、不穏な世界観の中で緻密な伏線や巧みな会話劇によって美しくエモーショナルに描かれる青春群像ミステリー。主人公のさえない大学生・都成剣之介を水上恒司が、都成がひそかに想いを寄せるヒロイン・水町ことみを山田杏奈が演じる。

撮影/久保田司
スタイリスト/藤長祥平【水上】、渡邊薫【山田】
ヘアメイク/中村みつき【水上】、菅長ふみ【山田】
取材・文/佐久間裕子

画像1: 水上恒司×山田杏奈が緻密で軽妙な会話劇で魅せる青春群像ミステリー「シナントロープ」インタビュー

――脚本を読んでどんなところにこの作品の魅力を感じましたか?

水上 会話劇にもいろんな種類がありますが、今回は台本の構成やからくりがおもしろいと思いました。例えば、シーン1の最後のセリフが、シーン2の最初のセリフに掛けられていて同じ文字を使っていても、意味やセリフを言う人が違ったりするんですね。そしてそこから物語がさらに広がっていく。セリフの中の言葉をシャレとして成立させるためだけに構成しているのではなく、それぞれのキャラクターたちが立つような要素になっている、そこが「シナントロープ」の核になる部分なのかなと思いました。

山田 私は此元和津也さん脚本の「オッドタクシー」をすごく楽しく観ていたので、「シナントロープ」の脚本もバーッと読み進めてしまいました。今回も此元さんの中にキッチリと世界が作られていて、私たちが演じる役も一つの駒としてその世界を作るために動いている。一つひとつの役割がすごく魅力的に映る脚本だなと思いました。

水上 監督の山岸(聖太)さんとも話しているんですが、僕が演じる都成はいかにも主人公という人物ではないと思うんです。そういう様を新しい主人公像としてカテゴライズして、世の中に提示できたらいいなと。そういう主人公であることで、他のキャラクター一人ひとりの人物像を際立たせていくことができるんじゃないかと思っています。民放ドラマって、視聴者の方にこの役者さんが出ているから観ると思わせるような作品がまだまだ多いじゃないですか。そう思ってもらうためには、山田さんは良いのですが水上恒司ではまだ足りないと思うんですよね。

山田 そんなことはないですよ(笑)。

水上 いやいやいや、そう思うんだよ(笑)。そういう状況の中、先程山田さんもおっしゃったように、この作品において我々は駒の一部、歯車のひとつなんだって、心の底から僕は思える。なぜなら作品自体がちゃんとパワーを持っているから。それが僕は嬉しいです。

――それぞれ役柄を演じていて楽しいことを教えてください。

水上 脇を演じていると、そのとき自分の役が何をしているか説明されていないときもあるんですね。それで困ったら「じゃあ自分で作ろう」と考えて、「とりあえず主人公の一挙手一投足を見つめる脇役になればいいか」という選択肢がある。そういう脇の経験もあるから思うんですけど、今回の主人公はめちゃめちゃ無視されているんですよ。一人でブツブツブツブツブツ言っているみたいな(笑)。

――確かにバイト仲間の中でも冷遇されているような(笑)。

水上 でも人間、生きているとそうじゃないですか。いろんな人がいて、それぞれが主役の人生という舞台に立っていて、その人以外は脇役として存在しているだけ。かといって、その人生をずっと見ているわけでもない。僕は「シナントロープ」をそれぞれのキャラクターが主人公の舞台が混ざり合っているチームとして捉えているので、一人ひとりの人生をちゃんと成立させて、これが世の中のリアリティーだって意味を持たせて演じられることが楽しいです。

――山田さんはいかがですか?

山田 会話において各々のキャラクターが立ってくる感じがシンプルに面白いですし、その中に自分がいるのがすごく楽しいです。なんて言うんでしょう……ストーリーの都合上、これを私が言っておかなきゃいけないというセリフがない。そして大人数がいるシーンでありがちな、「この人とこの人がセリフを交換しても同じだよね」って思うようなセリフがなくて、キャラクター全てに役割があり、一人ひとりその人が言うべきセリフをちゃんと喋っている。だから役者として作品に参加していて本当に楽しいです。

水上 そう、キャラクター一人ひとりが、作品の都合による駒じゃないと思えるんだよね。

画像: ――山田さんはいかがですか?

――おふたりはさえない大学生の都成剣之介と、その都成が心を寄せる水町ことみを演じます。今回演じるキャラクターと似ている、もしくは全く違うと感じる部分はありますか?

水上 それぞれの人との距離感みたいなものが似ていると思います。水町に対しては恋愛感情があるし、他の人には儲け話をしたり、夢や家族の話もします。バイト仲間とは仲良しこよしではないけど、ちゃんと会話をして挨拶もする。世間話もすれば冗談も言い合い。でも友達? って言うような関係性ってあると思うんです。そういう都成の人との距離感が僕と似ていると思います。そして似ていない点は、もっとはっきり喋れよって思うところ(笑)。

山田 似ている点……、あるかな?

水上 オレ、あると思うよ。

山田 ホントですか?

水上 したたかなところ(笑)。

山田 他の取材でもおっしゃっていましたね(笑)。「したたかだよね」って。

――自覚あります?

山田 うーん、したたかって悪いことじゃないなと思いますけど……。

水上 全然悪くない。絶対必要!

山田 そうですよね。水町のキャラクター紹介として、気が強いという意味でしたたかという趣旨のようなことがあるんですけど。そういう部分は嫌いじゃないなと思いますし、逆にそういう人でいたいなと思うようなキャラクターです。水町はいろんな面があるので、全部が私と同じというわけではないんですが、集団の中にいるときの立ち位置みたいなものもちょっと似ている部分ではあるのかなって思います。

水上 バーガーショップの場面は、4日間ぐらいで1〜3話みたいにブロックごとに撮影しているので、どこかのブロックで僕がひたすら水町に暴言吐かれているところがあったんですね(笑)。杏奈ちゃんに「こうこうこうだよね」と言われて、「ごめんなさい」みたいな。そういうところは杏奈ちゃんにはないよね。

山田 それはそうですね(笑)。

水上 それはそうか(笑)。

山田 水町はしたたかではあるけれど、出さないしたたかさというか。彼女なりのいろんな考えがあってのことですからね。

――ちなみに山田さんのどんなところにしたたかさを感じるのでしょうか?

水上 僕もしたたかなんですけど(笑)。こういう仕事をしていると、無難なことしか言わない人もいるじゃないですか。絶対、他のこと考えているだろうって思うような。

――腹の中は絶対違うよね、みたいな?

水上 そういうのもあるし、すごく真っ当な人がこんなことするんだ! って報道があったりするじゃないですか。そう考えると、僕らってやっぱりしたたかなんですよ。僕は山田さんと5年前に初めてご一緒してから僕にもいろんなことがあり、山田さんもいろんなことを経験されてきて、その上でしたたかさを身に付けることって、絶対必要だと僕は思っているんです。そして人とのコミュニケーションや接する上で、一番大事なのは健気さだと僕は思っていて、山田さんにはそれがあると思っています。だからこそ、僕は「したたか」という言葉で表現できる。本当にしたたかさしかない人には、こんなことは言えないですから。いろんな経験で得た強い部分を濃くしつつも、僕も杏奈ちゃんもまっすぐさや正しさを持ち続けているので、そこを忘れずにいたいなと。

――では、水上さんから水町と山田さんの似ている部分が出ましたたが、山田さんから見て都成と水上さんの似ている部分や共通点はあります?

山田 どうだろう……。都成は一途ですよね。好きな人や尊敬できる人には、こじ開けてその気持ちを伝える。水上さんにもそういう部分があったら一緒なんでしょうけど、そういう部分を見ていないのでわからないです。どうですか?

水上 うん、一途だし冷めるときも一瞬です(笑)。一生一途、冷めるの一瞬みたいな。

山田 「好き好き好き! もう嫌い」みたいな?

水上 うん。なんかそういうと、犬みたいだよね(笑)。

――本能的ってことですね。では今回、会話劇ということで読み合わせなど、事前に準備はありましたか?

山田 リハーサルがありました。

水上 うん、シナントロープ店舗内の3話ぐらいかな。

山田 そうですね。3話ぐらいまでの長めのシーンを2、3シーンほどリハーサルしましたね。

水上 つかみとして8人が初めて一緒に会話をする居酒屋のシーンもやりました。僕や坂東龍汰さんは、バチバチに最初からやってました。

山田 飛ばしてましたね。最初にリハーサルをやったのが、都成と坂東さん演じる木場がずっと喋っているシーンで、その二人の様子を見て、これはもう大丈夫だって思いました。

水上 ほら、したたかだ(笑)。

山田 どういうことですか(笑)。私はリハーサルでひと言目を発する人になってたら、もう前の日寝られなくなっちゃうんですよ。

水上 そうなんだ。全然そう見えない。

山田 うん、緊張はしないですから。

水上 オレは毎日めちゃめちゃ緊張してる(笑)。

水上恒司
生年月日:1999年5月12日
出身地:福岡県

<近年の主な出演作>
映画『火喰鳥を、喰う』(10月3日より公開)
映画『九龍ジェネリックロマンス』(25年)
劇場アニメ『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(25年)
連続ドラマW「怪物」(25年)
ドラマ「ブルーモメント」(24年)

<待機作>
映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』(12月5日公開予定)

『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』のアレクサンダー・スカルスガルド、『ブルックリンでオペラを』のピーター・ディンクレイジ、『TENET テネット』のエリザベス・デビッキがコメディ映画で共演する。

その作品は『ローズ家 崖っぷちの夫婦』のオリヴィア・コールマン主演の『藤編みのかご』Wicker。共同監督・共同脚本は『さよなら地球!スマホを切ったら世界が終わってた』のコンビ、アレックス・ヒューストン・フィッシャーとエレノア・ウィルソン。原作は英国作家ウルスラ・ウィリス=ジョーンズの短編小説『藤編みかごの夫』The Wicker Husband。
オリヴィアが演じる、村外れに住みバカにされている独身の漁師が、村の人々にうんざりして、村の藤編み職人に藤編みの夫を作ってくれと頼んだことから、騒動が起こる。製作はトピック・スタジオ、ロボ・フィルムズ他。撮影はハンガリーで行われる。

『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが、ミュージカル映画『私が愛する男』The Man I Love に主演する。

 共演は『ゴジラvsコング』シリーズのレベッカ・ホール、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のエボン・モス=バクラック、ドラマ「サンドマン」のトム・スターリッジら。監督は『ポルトガル、夏の終わり』のアイラ・サックス。脚本は監督と、監督が『ポルトガル~』『人生は小説よりも奇なり』で組んだマウリシオ・ザカリーアスが共同執筆する。
 ストーリーの詳細は未発表だが、80年代末の活気溢れるニューヨークが舞台の、ミュージカル・ファンタジア。マレックが演じるのは、ダウンタウンのアーティストで、病気のために死が迫っているが、それでも美と愛が可能なことを証明しようとする。製作はビッグ・クリーク、アッセンブル・メディア、メリノ・フィルムズ他。撮影は秋にニューヨークでスタート。

デビュー作以来、はずれなしと言われる現代アメリカ映画界の名匠、ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)。世界3大国際映画祭の監督賞を総なめにしているPTAの待望の最新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』の衝撃を目撃する前に、これまでの彼の独特なセンスが光る監督作9本を再確認しておきたいもの。他に類のないPTAの世界にはまってしまうこと必至!(文・杉谷伸子/デジタル編集・スクリーン編集部)

カジノを舞台に“PTAらしさ”が炸裂する長編デビュー作『ハードエイト』

画像: 『ハードエイト』

『ハードエイト』

初老の賭博師シドニーは、母親の葬儀代を稼ごうとしてカジノで大負けし途方に暮れていたジョンに、勝ち方を指南。シドニーを慕うようになり、身なりも真似るようになったジョンだが、あるトラブルに巻き込まれ、再びシドニーの助けを必要とすることに…。シドニーとジョンの間に生まれる擬似親子的な絆を軸にクライムサスペンスの要素を交えながら描かれるのは、過去を持つシドニーの贖罪のドラマ。見知らぬ男の親切な申し出を警戒するジョンとシドニーのやりとりなど、プロローグから会話の面白さで楽しませるあたりにも、既にPTAらしいセンスが炸裂。贖罪や“家族”といった題材も、カジノという主人公の職場を丹念に描写するあたりもまさにPTA印。

製作年:1996
監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:フィリップ・ベイカー・ホール、ジョン・C・ライリー、グウィネス・パルトロー、サミュエル・L・ジャクソン

画像1: 名作、傑作、必見作がいっぱい!ポール・トーマス・アンダーソン監督作ワンポイント・レビュー集

『ハードエイト』

DVD:1,572円 (税込)
発売・販売元:ハピネット・メディアマーケティング

©1996 RYSHER ENTERTAINMENT, INC. AND GREEN PARROT. ALL RIGHTS RESERVED.

ポルノ映画業界の繫栄と衰退を味わい深く描く群像劇『ブギーナイツ』

『ブギーナイツ』

PTAが生まれ育ったサン・フェルナンド・バレーを舞台に、1970年代末〜80年代のポルノ映画業界の興隆と衰退を描く群像劇。ポルノ映画の巨匠にスカウトされた17歳のエディは、“ダーク・ディグラー”の芸名でポルノ男優としてデビューし、一躍スターとなるが、ドラッグに溺れていく。エディの成功と転落、再生を、オーバーラップやスプリットスクリーンなど効果的に使った映像と、’70年代ディスコサウンドで彩り、音楽センスもPTAの武器であることを印象付けた。当初はレオナルド・ディカプリオが予定されていたエディ役だが、結果的にマーク・ウォールバーグの男臭いルックスと甘い囁きボイスが、役にも作品にもリアルな魅力を与えて大成功。

製作年:1997
監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:マーク・ウォールバーグ、バート・レイノルズ、ジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メイシー

『ブギーナイツ』

デジタル配信中
DVD発売元/販売元:ハピネット・メディアマーケティング
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン

© 1997 New Line Productions, Inc. All rights reserved.

それぞれに問題を抱えた9人の男女に“ある出来事”が?『マグノリア』

余命宣告を受けたクイズ番組司会者、看護師、警官、元天才クイズ少年など、LAに暮らす9人の男女を見つめた群像劇。リレー歌唱される「Wise Up」をはじめ、登場人物の感情と重なる劇中歌がミュージカル並みに大きな役割を果たしている。それぞれに問題を抱える9人が、ある出来事に遭遇するクライマックスが圧巻。超常現象研究家チャールズ・フォートの著作から得たアイデアだが、旧約聖書「出エジプト記」8章2節に同じ現象があると知り、作中に「exodus8:2」や、82という数字などを忍ばせている。トム・クルーズは、『ブギーナイツ』を観てPTAに連絡してきた彼のために加えられた男性向け自己啓発セミナー主宰者を巧演。ベルリン映画祭金熊賞受賞作。

製作年:1999
監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:フィリップ・ベイカー・ホール、トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョン・C・ライリー

『マグノリア』

デジタル配信中
DVD発売元/販売元:ハピネット・メディアマーケティング
権利元:ワーナー ブラザース ジャパン

© 1999 New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.

突然キレてしまう男を主人公にした風変わりなロマコメ『パンチドランク・ラブ』

『パンチドランク・ラブ』
Photo by Getty Images

普段は内気なのに突然キレてしまう男が主人公のロマンチック・コメディ。ラバーカップの販売会社を営むバリーは、姉の同僚であるリナと惹かれ合う。しかし、利用したテレフォンセックス・サービスで見栄を張ったことから、トラブルが降りかかってくる…。

バリーの青いスーツとリナの赤いワンピースという色彩が印象的な世界で繰り広げられる物語は、癖ツヨなのにハートフル。アダム・サンドラーは、食品メーカーのキャンペーンの盲点をついて飛行機のマイレージを貯めようとする変わり者のバリーが、「キレる」という弱点をプラスに変える「愛の力」に覚醒する姿をキュートに演じて、さすが。

製作年:2002
監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、フィリップ・シーモア・ホフマン、ルイス・ガスマン

富と権力に取りつかれていく石油王を描く壮大なドラマ『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
Photo by Getty Images

自身によるオリジナル脚本を監督してきたPTAが、アプトン・シンクレアの「Oil!」を原作に手がけた大河ドラマ。20世紀初頭のカリフォルニア、一攫千金を狙っていたダニエル・プレインビューは、苦労の末に石油を掘り当てるが、富と権力に取り憑かれていく。

家族を求めながらも自分以外は誰も信じず、あらゆるものを利用して欲望のまま突き進むダニエルの孤独と狂気を体現し、2度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いたデイ=ルイスはもちろんだが、ダニエルと対立する牧師イーライを演じるポール・ダノも信仰を武器にする男の胡散臭さを体現してお見事。それぞれの“神”のために二人が激突する洗礼シーンとラストが鬼気迫る。

製作年:2007
監督・脚本・製作:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー、キアラン・ハインズ

画像: 名作、傑作、必見作がいっぱい!ポール・トーマス・アンダーソン監督作ワンポイント・レビュー集
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『ジュラシック・ワールド/復活の大地』公開記念! スクリーンアーカイブズ「ジュラシック・シリーズと恐竜映画の世界」ではシリーズ全6作+恐竜映画の原点まで徹底網羅! 貴重なインタビュー、恐竜ビジュアル図鑑、制作秘話も満載!

「ジュラシック・パーク」をはじめとするジュラシック・シリーズと、恐竜映画の名作の貴重な記事を網羅!

スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した『ジュラシック・パーク』。1990年代を代表するこの名作から始まるジュラシック・シリーズを、『ジュラシック・パーク』から『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』まで、サム・ニール、クリス・プラットらの当時のインタビューを含め、シリーズ全作品を一冊にまとめて復刻しました!さらに、『原子怪獣現わる』『地底探検』『恐竜100万年』など恐竜映画の数々の記事も網羅して、読みどころ満載です!

● A4判
● 88ページ
● 販売価格 2,300円 +税

画像1: 名作、傑作、必見作がいっぱい!ポール・トーマス・アンダーソン監督作ワンポイント・レビュー集
画像2: 名作、傑作、必見作がいっぱい!ポール・トーマス・アンダーソン監督作ワンポイント・レビュー集

目次

●現代に甦った恐竜たちが大暴れ!! スピルバーグ監督のSFX超大作
『ジュラシック・パーク』
驚異のSFXが恐竜を現代によみがえらせた!『ジュラシック・パーク』ワイド特集
“ジュラシック・パーク”で暴れ回る恐竜たち
いまアメリカは恐竜ブーム!!
太古の恐竜がスクリーンで動き回る! 恐竜映画大全集
夢のテーマ・パークは実は恐怖の島だった!『ジュラシック・パーク』特集
LA発インタビュー すっかり恐竜ファンになってしまった出演者たち
アメリカでは記録破りの大ヒット!
映画から学ぶ楽しい英会話
娯楽映画のもう一つの楽しみ方

●新たな恐竜も登場するスピルバーグの大ヒット作続編の見どころ&インタビュー
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』これが恐竜対人間の死闘だ!
恐竜と人間の壮絶バトルが展開するスピルバーグの大ヒット作続編
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

●ティラノサウルスを超える巨大で凶暴な新恐竜が出現
『ジュラシック・パークIII』
『ジュラシック・パークIII』の恐竜大図鑑
『ジュラシック・パークIII』で来日 サム・ニール インタビュー

●世界最高のテーマパークは新種恐竜の暴走で逃げ場のない戦場と化す!
『ジュラシック・ワールド』
『ジュラシック・ワールド』一行来日 ブライス・ダラス・ハワード インタビュー
ワイルドだけどユーモラスな新たなヒーロー・スター クリス・プラット

●恐竜絶滅の危機的状況を打破する救出作戦の裏で恐るべき陰謀が進行していた……
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
クリス・プラットが教えてくれる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の見どころ

●シリーズついに終幕
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』クリス・プラットほかインタビュー

『原子怪獣現わる』
『怪獣ゴルゴ』
『地底探検』
『恐竜100万年』
『恐竜の島』
『地底王国』
『続・恐竜の島』
『おかしなおかしな石器人』

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