新時代の七文字しりとり必勝法『狙いやすい文字』を徹底的に狙う
今回は、「ず」攻めに代わる有効な七文字しりとりの戦術について考えてみたいと思います。
頻度ランクから考える新しい単一文字攻め
まず、それぞれの文字についてパラメータを定義して分類してみましょう。
そこで、頻度ランクについて説明します。
頻度ランクとはその名の通り、一般的な七文字しりとりにおける出現頻度の高さです。具体的に紹介すると
頻度ランクA:「い」「う」「す」
七文字しりとりにおいて頻度的に重要な文字三傑とも呼ばれます。特に「い」「う」はスパイラルに陥ることでも有名です。その理由として、日本語の特徴として「い」「う」で終わる接尾辞が多いということが考えられます。「~xuu」「~xou」(xは任意の子音)という日本語が多いため、「う」で終わる単語が多いのです。
頻度ランクB:「く」「し」「ち」「と」「ら」「る」「ぐ」
ランクAの文字に比べると出現頻度は急激に落ちますが、これらも出現しやすい文字です。これらの特徴として、英語との関連性が推察されます。英語の特徴として「k」「t」「l」「g」などで終わる単語が多いという点があります。
(例:「time-shock」「print-out」「ultra-soul」「programing」)
外来語を多く取り入れている日本語において、このように英語の影響も受けている部分が多いのです。
頻度ランクC:「き」「ち」「つ」「ふ」「む」「や」「よ」「り」「ろ」「わ」「ど」「ぶ」
先述した英語との関連で、「f」「m」「d」「b」で終わる英語から「ふ」「む」「ど」「ぶ」がランクインしています。「や」「よ」は小さい文字としてのや行によるものであり、基本ルール七「小さい文字で終わる単語はその大きい文字から続ける」というルールの賜物です。
頻度ランクD:「か」「こ」「さ」「の」「ま」「み」「め」「ゆ」「れ」「が」「ぎ」「ご」「じ」「ず」「だ」「び」「ぼ」「ぷ」
頻度ランクE:それ以外
以上にランクインしていない文字が頻度ランクEに属します。これらの文字の出現頻度はA~Dの文字と比較するとかなり少なくなっています。逆にこれらが七文字しりとりでは狙い目となることがあります。
次に七文字しりとりの攻撃ポイントについて見てみましょう。
言わずもがな、七文字しりとりで勝利するためには、相手が回答できないほどに単語のストックを枯渇させることが必要です。代表的な戦略が「単一文字攻め」で、ひとつの文字を集中的に狙って枯渇させるという戦法です。
文字の攻撃性の評価には以下の二種類が考えられます。
ⅰ. 最初の文字の希少さ
ⅱ. 最後の文字の豊富さ
先ほど説明した頻度ランクは二次的に攻撃性の指標となり、すなわち頻度ランクの少ない文字を狙うことが有効な攻撃と考えることもできます。しかしながらここで注意しておきたいのは、頻度ランク下位の文字を狙うことは必ずしも攻撃性に優れるというわけではないという点です。なぜなら、頻度ランクはあくまで「出現頻度」の指標なので、「その文字で終わる単語の多さ」を表しているに過ぎないのです。つまり、もとよりストックの少ない文字を枯渇させるという戦略には不向きな指標なのです。したがって、頻度ランクはあくまで「二次的な」攻撃性の指標にしかなり得ないので、ⅰ. 最初の文字の希少さを狙った攻撃には用いにくいと言えるでしょう。
ここで今回考えてみたいのはⅱ. 最後の文字の多さです。これは頻度ランクの考え方が直接応用できる点です。
つまり、もとよりストックの少ない文字を枯渇させるのではなく、ストックの多い文字でもそれ以上に狙うことで枯渇させることができる、という考え方です。
七文字しりとりの格言の一つ『「う」のストックはいくらあっても足りない』は、まさにこの戦術の有効性を示唆しています。「う」で始まる単語は決して少なくありませんが、頻度ランクAである「う」で終わる単語はそれより遥かに多いので、単一文字攻めが成功しやすいと言われるのです。
実は、初心者同士のしりとりでは「う」の枯渇により終了することがほとんどなのです。上級者になると「う」のストックは増えスパイラルにも対処できるようにもなるものの、それでも『決着が付くのは「ず」でなければ「う」』と言わしめています。
逆に、もとよりストックの少ない文字を枯渇させるという最もメジャーな戦術が当てはまるのは、かの有名な「ず」攻めなどですね。「ず」攻めが勝利への近道と言われる七文字しりとりですが、ここまで説明してきたように、逆にストックの多い文字を枯渇させる作戦も非常に有効なのです。
頻度ランクが高い文字は安心だと過信しているプレイヤーが、その文字を付かれてストックが枯渇し一挙に不利な形勢に陥って負けてしまうというのは、まさに七文字しりとりにおける塞翁が馬、青天の霹靂と言えるでしょう。
今回の議論をまとめると
・希少な文字を枯渇させるのは難しい。
・それよりも、狙いやすい文字の単一文字攻めは成功しやすく、実は効果的である。
ということですね。
「防御力」の概念の導入
もう一つ文字を評価する指標として「防御力ランク」について考えてみたいと思います。
防御力ランクは、平たく言えば「ストックの豊富さ」と言えます。
「防御力ランク」を、「ストックの豊富さ」と定義します。
つまりこれは、その文字が単一文字攻めをされた際の対応の容易さに結びつきます。ストックが豊富であればあるほど、文字が尽きることはなく、切り返しは容易なものとなります。
各防御力ランクに属する文字を具体的に紹介すると
防御力ランクA:「い」「う」「し」「す」
やはり有名どころが続きますね。それぞれ具体的な単語は、「公式七文字単語集作製企画」カテゴリの記事などを参考にして下さい。
防御力ランクB:「お」「か」「き」「く」「ち」「と」「ど」「ま」「り」
このあたりまでは、中級者であればすぐに単語が思いつく文字です。逆に言えば、防御力ランクAやBの文字がすぐに複数個出てこないようであれば、中級者とは言えませんね。
防御力ランクC:「あ」「こ」「さ」「せ」「た」「み」「む」「め」「ふ」「ほ」「や」「ゆ」「ら」「る」「れ」「ろ」「わ」「ぐ」「ぶ」「ぷ」
このあたりでじわじわと難易度が上がってきます。具体的には「公式単語集の単語が10~15個程度」の文字がランクインしています。
防御力ランクD:「え」「け」「つ」「て」「な」「ね」「も」「よ」「は」「ひ」「が」「げ」「ご」「じ」「だ」「で」「ば」「び」「ぱ」「ぽ」
防御力ランクE・F:それ以外
D~E以降になるとかなりマイナーになりますが、実は頻繁に七文字しりとりに登場する文字も出てきています。すなわち、ターゲットにされやすい文字です。
ただし一つ注意していただきたいのは、防御力ランクおよび頻度ランクは会長である私の主観で定められている、という点です。
私自身、最も古くから七文字しりとり研究を行なっており、地球上の誰よりも七文字しりとりをした回数は多いと自負しておりますが、防御力や頻度ランクはそんな私の百戦錬磨の経験から導き出したものであって、実際に全世界で行われている七文字しりとりから統計的に導いたものではない、ということです。
もう一つ防御力ランクに関して補足なのですが、今回防御力ランクを定めるにあたって公式七文字単語集の収録単語をある程度参考にしました。しかしながら、すべて単語集の単語数で定めたわけではありません。なぜなら、よくターゲットにされる文字はよく研究されるので、自ずとストックが増えますが、逆に出現頻度が低くターゲットにされにくい文字は研究の対象とならず、単語のストックが少ないまま、ということがよく起こるからです。つまり、ターゲットにされにくい文字の単語は、まだ発掘されていないだけであり、これからも発掘されることが多々あるだろうと考えられるのです。
このような考えも加味したうえで、各文字について防御力ランクを定めました。
では、防御力ランクの応用について考えてみます。
防御力ランクの意味するところは、防御力ランクの低い文字を狙うのが効率的であるということですね。この理論は容易に理解されると思います。
実は防御力ランクを用いた七文字しりとり論はこれだけで成立しません。冒頭で議論した「頻度ランク」と組み合わせることで、真価を発揮するのです。
頻度ランクと防御力ランクの相関関係
これまでに頻度ランクと防御力ランクという概念について説明してきましたが、今回はその二つの概念を組み合わせて考えてみたいと思います。
まず、頻度ランク、防御力ランクに対するそれぞれの文字の帰属をまとめたのが次の表です。
※ 頻度ランクに関しては、前々回の記事ではランクA~Eのみでしたが、今回は便宜上ランクFまで分類しています。また、頻度ランクと防御力ランクはともに、A=6,B=5,C=4,D=3,E=2,F=1としています。
最後のリストは、それぞれXが頻度ランク、Yが防御力ランクを表します。右端の列には「=IF(X>Y,"◯","-")」という関数が入力されています。こちらについては後ほど解説します。
以上はこれまでのおさらいを可視化したデータでわかりやすく行ったという感じですね。
次に考えてみたいのは、頻度ランクと防御力の相関関係です。まず、以下のグラフをご覧ください。
このグラフは、横軸(X軸)に頻度ランク、縦軸(Y軸)に防御力ランクとして、それぞれの文字の数を疑似カラー表示したものです。グラフの右側ほど「出現頻度が高い文字」、グラフの上側ほど「単語ストックの多い文字」を示し、暖色ほどその数が多いことを意味しています。
ひと目で見て分かるのは、頻度ランクと防御力ランクに正の相関が見られることです (r = 0.713, p = 8.89x10^-12)。
つまり、頻度ランクの高い文字は防御力ランクの高い文字であることが多いということ、すなわち、七文字しりとりで頻繁に現れる文字はストックの豊富である文字であることが多い、ということが考えられます。
さらに言えば、Y≧Xである単語が非常に多く、その数はなんと60を超えています。すなわち、ほとんどの文字では頻度ランクより防御力ランクの方が大きいのです。
では、頻度ランクと防御力ランクの意味するところについて、もう少し深く考えてみましょう。
まず、頻度ランクとは、文字の現れやすさの度合いを表していますから、その文字で単一文字攻めする際の攻めやすさを表しているといえます。つまり、頻度ランクの高い文字での攻撃は、攻めやすい攻撃であるということです。
ここで議論をわかりやすくするため、頻度ランクを「攻撃力」、防御力ランクを「防御力」と考えてみましょう。
ここに、攻撃力の高い武器と低い武器、防御力の高い防具と低い防具があります。
どのようにすれば最も大きなダメージを与えられるでしょうか。
答えは簡単ですね。
弱い防具を強い武器で攻撃することです。
これを七文字しりとりにおける頻度ランク、防御力ランクの議論に用いると、防御力ランクが低く頻度ランクの高い文字で攻撃することが最も効率的であると言えます。
つまり、ターゲットにすべき文字は、頻度ランクが高く(出現頻度が高いため攻めやすく)、防御力ランクが低い(ストックが少ないので効果的な)文字であるということが考えられます。
しかしながら、先程も説明したように、頻度ランクと防御力ランクには線形的な相関関係がありました。
ところがその中でも、直線Y=Xよりも下にある文字、すなわち、防御力ランクより頻度ランクの値が大きいものがいくつか存在します。
つまり、座標(3,2)、(4,3)、(5,4)に位置する文字ですね。
その文字を判定したのが、冒頭の関数「=IF(X>Y,"◯","-")」です。したがって、◯と表示されている文字は防御力ランクより頻度ランクの値が大きい文字なのです。具体的に挙げると「つ」「ぎ」「ぐ」「ず」「の」「よ」「ら」「る」「ぼ」の9つです。
いずれも頻度ランクと防御力ランクの差は1しかないのですが、どの文字も今までなんとなく「攻めると効果的な文字」と言われてきた文字です。
・初心者がまず狙うべき文字と言われてきた「る」
・言うまでもなく恐れられてきた「ず」
・最近のトレンドで新進気鋭な文字「の」
これまでなんとなくターゲットにしていた文字には、「出現頻度が高くストックが少ない文字」だったのです。
以上のような複雑なロジックが隠れていたのですね。
さらに言えば、頻度ランクと防御力ランクに正の相関が見られるという部分で説明した「ほとんどの文字では頻度ランクより防御力ランクの方が大きい」という法則がありましたが、これらの文字はこの規則から少し外れた文字(X>Yを満たす文字)であるということです。
今回の議論をまとめると
・頻度ランクと防御力ランクには正の相関が見られるが、一般に防御力ランクの方が頻度ランクより大きい。
・ターゲットにされやすい文字には「出現頻度が高くストックが少ない文字」という共通点がある。
ということですね。