考えてばかりで動けない人の「頭の中のひとりごと」ワースト1
「“考えすぎ”から解放された」「心が軽くなった」「今を大切にしたくなった」 そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13.000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。本連載では「考えすぎ」から解放される5つの習慣を紹介。今回はライターの照宮遼子氏に「第1の習慣:ストレスを管理するコツ」について寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局) ● 「考えすぎ」から解放される5つの習慣 とかく私はプライベートでも仕事でも考えすぎてしまう傾向にある。 本書では、下記の「5つの習慣」を紹介している。 この習慣を身につけることで、「考えすぎ」や「思考の無限ループ」から解放されるかもしれない。 1 ストレスを管理する(第1の習慣) 2 時間を管理する(第2の習慣) 3 心と体を瞬時に落ち着かせる(第3の習慣) 4 思考や行動を変える(第4の習慣) 5 「態度」を変える(第5の習慣) 今回は「第1の習慣」を一緒に考えてみたい。 ● いつも「タスクに追われている人」の頭の中 私の頭の中には、よく働く秘書がいる。 やることがたまってくると、彼らは一斉に声を張り上げ始める。 「それより先に、こっちを片づけないと」 「いや、まだ終わっていないものがあるだろう」 タスクの交通整理をしてくれるのはとても助かっている。 忘れかけていた用事を思い出せることもある。 けれど、彼らはあまりにも熱心すぎる。 次から次へと読み上げられるうちに、私は机に向かいながら小さなパニックに陥ってしまう。 ありがたい存在でありながら、どこかやかましい――それが私の脳内秘書たちだ。 仕事以外でも、私の頭の中では会議が勝手に始まる。 特によくあるのが、誰かにメッセージを送った後だ。 「もっといい言い方があったのではないか」 「返事がこないのは、そのせいかもしれない」 ネガティブ担当が机を叩くように騒ぎ立てる。 相手からの返事が遅れるたびに、頭の中では「小さな糾弾会」が開かれるのだ。 しばらくすると、「もう送ってしまったのだから仕方ない」と、フォロー担当が口を挟む。 そうして会議はようやく閉会になる。 誰に頼まれたわけでもないのに、私の中では日常的にこうした脳内会議が繰り返されている。 ● 頭の中の声に疲れてしまう人が 陥る「落とし穴」 ビジネスの現場では、実際のタスクそのものより、頭の中の声に疲れてしまうことがある。 たとえばプレゼンの直前、「声が震えたらどうしよう」と不安が広がる。 上司にメールを送った後、「余計なことを書いたのでは」と後悔が押し寄せる。 現実には何も起きていないのに、心の中では小さな裁判が始まっている。 まだ失敗していないのに「どうせダメに決まっている」と判決が下され、動く前から自信を失ってしまう。 そして気づけば「自分はダメな人間だ」という烙印を、自分自身で押してしまうのだ。 ● 恐ろしい「頭の中のひとりごと」 頭の中で勝手に展開される対話や独り言の正体は、心理学でいう「セルフトーク」だ。 セルフトークにはいくつか種類があり、忘れ物を防いでくれる実用的な声もあれば、「まあ仕方ない」と慰めてくれるやさしい声もある。 問題なのは、ネガティブな声が主導権を握ったときだ。 「なぜ私ばかり」 「どうせ失敗するに決まっている」 こうした感情的な言葉が頭を占領すると、まだ起きてもいない未来にまで追い詰められてしまう。 その声はたいてい事実ではなく、感情が濃く反映された解釈にすぎない。 にもかかわらず、私たちはそれらを真に受け、行動を止めてしまう。 気づけば、目の前の事実ではなく、自分の思い込みに左右されている――それがセルフトークの厄介なところだ。 ● あらかじめ「新しい司会者」を用意しておこう これについて、本書の著者ニック・トレントンはこう述べている。 あらかじめ幸せを感じたときに心を奮い立たせる「セルフスクリプト」をつくっておき、不安や悩みを抱えたときにそれを見ながら自分を立て直せる ――『STOP OVERTHINKING』(P.220)より この脳内会議にどう向き合えばいいのか。 その方法として紹介されているのが「セルフスクリプト」だ。 ネガティブな声を無理やり黙らせるのではなく、あらかじめ新しい司会者を用意しておく、という考え方である。 たとえば「前にもこの状況を乗り切った」「失敗しても学びになる」――そんな言葉を自分に言わせてみる。 ノートやスマホに書きとめておくだけでも、脳内会議の雰囲気はがらりと変わる。 「セルフスクリプト」は都合よくすべてを解決する魔法ではなく、むしろ会議室に応援団を迎え入れて空気を変えるようなものだ。 批判ばかりだった声の中に「大丈夫」という一票が加わるだけで、心のバランスは驚くほど整っていく。 「セルフスクリプト」は、いわば自分専用の応援フレーズだ。 ただし注意したいのは、現実からかけ離れた言葉や、自分にウソをつくような言葉は逆効果になりやすいという点である。 問題が存在していないふりをしても、心には響かない。 大切なのは「私は失敗しても大丈夫」「これまでも乗り越えてきた」といった、現実に根ざしながら気持ちを軽くしてくれるフレーズを選ぶこと。 誰かが考えた正解ではなく、自分自身が聞いてしっくりくる言葉こそが、心を支える力になる。 ● 魔法のひとこと 気がつけば、今日も脳内会議は止まらない。 そんなどうにも静まらないときは、自分から一言、「まあ大丈夫、なんとかなる」と差し込んでみればいい。 その一言があるだけで、心のざわつきは驚くほど落ち着いていく。 小さな声を持ち札にしておくことが、日々の自分を立て直してくれるのだ。 (本稿は『STOP OVERTHINKING ―― 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)
ニック・トレントン/児島修