申し訳ない
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寿司フライ様より地雷服のドロシーをいただきました!
かわいい~~
服が押しのけられエッチな格好に!
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XX_ouga様より 赤ぎれずきんの御伽噺のFAを頂きました
幾つものカードデザインを頂いており、今回から紹介許可を頂けました
X(旧Twitter)でもたくさん描いて頂いております 本当に素敵です!
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朽木様より、バニーなサレンちゃんまでいただけました!
く、素直クールでえっちだ・・・
でも懐くと湿度も高くてとてもヒロイン力が高いんですよ、よき
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リン様より、サレンちゃんのFAを頂きました!
かっこいい、愉快なサレンちゃんだ!
本当にありがとうございます!
平和な日曜日の午後である。
「はぁ」
めんどくせえ。
「なんかモブさんが溜息ついてます」
「給料でも安かった?」
「失礼な事言わないでくれる??」
なんていう
「大丈夫です、今のところ給料には満足してますから」
ちょっと前に時給も上げてもらったしな。
無駄遣いしなければそこらへんの高校生よりはリッチなぐらいだ。
まあそれでもカードを買うとカツカツになるんだが。
この世界一枚買うだけでボックス買うより高くつくカードが多すぎんだよ。
店長の在庫品から譲ってもらったカードとかなかったらエニグマの改良とか新しいデッキも組めなかったぐらいだし。
まあそれでも店長のコレクションのカードは凄い種類がある。
その殆どが埃をかぶって――はおらずにきちんと保管されていたが、リスト化して商品として売り出していけば一財産になる。
幾つか思いつくままデッキも組んで店長とサレンで遊んでみたが評判は上々だったし、楽しかった。
この世界だと
精々実現可能なのがコモン限定レギュぐらいで、Life部に所属していた時に3デッキ。
あとは客がいらないっていって放り込まれたリサイクルBOXから回収して、体験用のレンタルデッキとして造った17個ぐらいのコモンデッキぐらいだ。
デッキのカードリストも記載してあるし、在庫も確認してるから気に入ったら丸々買ってもらえるある種のオリジナルストラクチャーデッキというべきだろうか。
まあコモンだからこの世界基準でもそんな高くないやつだ。
ジュース奢る報酬で販促にユウキちゃんとサレンで休憩時間で遊んで貰ってたら、いつもの小学生たちも遊んでくれるようになって嬉しかったりする。
まあ勝率からするとサレン>店長≧僕>師道くん>ユウキちゃん>他三名のキッズだったりする。
あの師道くんだけなんか妙に強いんだよなぁ、引きだけなら王門くんのほうが強いんだけど、頭がとてもいい感じがする。レンタルデッキも毎回違うの借りていくし。
あと店長もメガバベルの事件から簡単なデッキ診断とか、テーブル限定だけどファイトをするようになった。
前もデッキ診断とかは相談されたり、注文されたカードを調べたりとかはしてたんだけど少しやる気が上がったみたいな?
ファイトするにしても大体相手は仕事の後のサレンとかだけど、元プロなだけあって傭兵ファイターとかだった彼女相手でも普通に勝ったり負けたりしてるらしい。
サレンはなんというか後から段々と勝率が馬鹿みたいに高くなってくるタイプ。
いや普通そういうもんだけど、その勢いがおかしい。引きたいカードを選んで引けるというか、やりたい動きに合わせてデッキが回ってる感じがある。
ルーターもそこそこ使って土地と交換して、手札を引き込むんだけど明確に細い筋でもねじ込んでくるみたいな?
相性が有利なデッキで、デッキタイプを見極めてやらないと僕でも勝率が四割を切るぐらい強い。
んでもって負けず嫌いなのか、負けると感想戦長くなる。
楽しいんだけど彼女が帰る時間が遅くなるから休みの日でもないとしづらいタイプだ。
んでユウキちゃんは――うん。
まずカードの種類を覚えることからかな。
知らないカードだと対処出来ないのは当たり前だけど、知ってる奴が多ければ多いほど推測が出来るからね。
ただ一度したミスとかは、丸くない判断とかは教えるときちんと憶えていくから凄い教え甲斐あるんだよね。
どっちもうかうかしてたら追い抜かれそうですごく嬉しい。
でもユウキちゃんと戦う時は絶対デッキを少し改良していくよ、灼刃は渡さないからね。
そんな遊びをしてくれているおかげか、たまに自分のデッキがいまいち決まらないとか、倒したいファイターがいるんだけどいつも負け越してるみたいな人がレンタルデッキを借りてみて、そのまま使い心地がいいのか買ってくれる事も出てきた。
今のところ7個ぐらいだけどストレージの肥やしになってるだけだったコモンがごそっと売れていくのは嬉しいね。
こうやって制限のある、強く作るのは難しいけど出来たら嬉しくて安上がりなコモンレギュとかが流行っていくといいなぁと思ったりしてる。
まあまず無理だろうけど。
レアカード普通に当たりにくいから流行る土壌はあると思うんだけどなぁ。
流行らねえかなぁ。
そしたらコモンでも出来るマイナーコードのコンボデッキとか少しずつ混ぜていくんだ。
上位互換のカードが出てたり、環境デッキで封殺されるからマイナー落ちした元メジャーコードのとかも一部ギミックを仕込んだり、とにかくエンジンを回す、仕組んだデッキの楽しみに気づきを得てほしいんだよな。
多少速度が遅くても、もっと早く回せるカードとかを探したり、自分の持ってるカード資産から思い出したりして入れたり、それで回ったり回せなかったりする体験をしてほしい。
絶対楽しいと思うんだけどなあ。
楽しいんだけどなぁ。
いやまあ一人回しとか一般的じゃねえから無理っぽいけど。
カードの種類はクソ多いくせに、相変わらずwikiの一つも作られないし、あっても断片的過ぎるやつしかないブログとかのやつしかないんだけどさ。
まあいいよ。
どうせ趣味だし、自分の遊ぶ環境だけでも強くなってほしいって思うだけさ。
「ふぅうぅうぅ」
現実逃避終わり。
時計を見る。
「店長、時間なのでタイムカード切りますね」
「了解~」
許可をもらったのでエプロンを外して、店の奥においてあるタイムレコーダーを押しにいく。
「あれ、モブさん。もう上がりです?」
「うん、今日は午後から用事があるって……」
「そう、だから早めに代わりに出勤してる。私はえらい」
エプロンを置いて、学校鞄から使うデッキケースを取り出しながらそんな三人の会話が聞こえた。
「戻りましたー」
「あれ? 戻ってきた」
「おかえり」
「そろそろ時間だけど、もう電源いれて準備しとく?」
「いや、来てからでいいと思います」
「来てから?」
「すみませーん、予約したもんですけどー」
カランカランと鳴る入室ベルと同時に聞き覚えのある声が響いた。
入ってきたのは三人の少女。
そして、
「女子が3名……バトルフィールドの予約した子かな?」
「どうも、すみません。電話で予約した湊手嶋です、少し時間より早く来てしまったんですが大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよー。あ、荷物があったらそちらのセルフクロークでお願いします」
「ありがとうございます」「ウチはポーチぐらいだからいらんけど、ドアは鞄預けとく?」「はい、デッキとボードだけ出しますね」
店長の案内に従って3人がまず店の入口付近に用意してあるセルフクロークで荷物を利用している。
僕はため息を吐き出しながら、右手の手袋を嵌め直そうとして……気付いた。
「ユウキちゃん、どうかした?」
なんかユウキちゃんの目が死んでる。
言うなればハイライトが消えたみたいな。
さっきまで元気だったのに。
「チクショー」
≪人間はこれだから……≫
闇落ちしてそうな言葉吐き出してるけど。
「んー、あの三人?」
サレンの呼びかけ。
「モブが約束してたのって」
「うん。俺の客だ」
サレンの質問に頷く。
本来なら休みのはずのサレンとシフトを変わってもらったのもこのため。
「おーす。茂札、今日はよろしゅうな」
「どうも。羽島さん、本日はよろしくお願いします。当たり前ですけど、私服なんですね」
「休日にまで制服する趣味はないで?」
ひらひらと手を振って応える羽島リナ。
その後ろでバツ悪そうな顔をしている湊手嶋部長に、険しい顔をしている天儀。
その3人とも私服だ。
羽島はラフなタンクトップの上にブルゾンを羽織っているし、湊手嶋部長は落ち着いた色調のオフショルダーのトップスにジーパン。
これがよく似合ってる。
背筋が伸びている姿勢なだけあって遠目から見るとなんかかっこいい感じのボーイッシュな感じだ。王子様かぁ?
で、天儀は……
うぉ、でっ。
いや淡い空色のオーバーシャツに羽織ったカーディガン、裾の長いスカートという、きちんと着てるんだけどその感想がまず出てくる。
いや、でっ…………危ないですよ!?
「み、んなかわいいですよ?」
「おう、なんで目線逸らしてるんや」
「いい天気ですね」
「ここ室内や」
ボケに厳しい。
大阪弁キャラはこれだから。
「うちは京都出身やで」
心が読まれてる?! まずい。
「なんや?」
いや読めてないな。
当たり前だけど。
「……あの、すみません。今日はよろしくお願いします」
そんな目線をそらしていたからだろうか。
想定してなかった方角から声をかけられて。
「ああ、よろしく」
すんと、思ったよりも慌てずに返事が出来た。
天儀ドロシーに。
今日これから彼女とファイトをするのだ。
俺が。
◆
「バトルフィールド、準備完了です」
「フィードバックレベル、カジュアル設定でOK……BGMとかも設定出来るけど、クラシック、ポップ、ヒーリング、和風、デスメタルとかあるけど希望ある?」
「で、デスメタル?? せめてクラシックでお願いします」
「普通に有線音楽で引っ張ってるだけだから」
テキパキとバトルフィールド――MeeKingに備え付けられている設備で準備が進むのを観客スペースで見ながら、ぼくはお腹を擦った。
「うぅ、大丈夫かな」
胃痛がする。
正直帰りたい。
でも部長として、ドロシーの友達として耐えなければいけないのだ。
「大丈夫大丈夫やって、茂札の奴がちゃんとOKしてくれたんやし」
「いや本当によく出来たよね」
こんな状態になった元凶、いや功労者であるリナを横目に見る。
あの一件の後、茂札くんとドロシーの問題をどうするか悩んでいたところで言い出したのだ。
――もうごちゃごちゃいってないで、ファイトでケリ付けたらどうや?
と。
――あっちの事情も事情であるだろうし、こっちはこっちで第三者視点しかわからんし、いっそ夕日の河原で殴り合いするのは無理やからファイトすればええんやない?
脳筋過ぎる発想で、いや、それはこっちの都合過ぎるだろ。
彼は関わりたくないって言ってるわけだし、とも反対したのだけど。
――とりあえずメールで聞いてみるわ。アドレス交換したし。
とリナはメールを送ったようなのだが。
「……本当にOKが貰えるとはなぁ。それも彼のバイト先でバトルフィールドまで使えるなんて」
どんな魔法を使ったのか。
リナは茂札くんから約束を取り付けたのだ。
「学校のフィールドを使ったらまーたごちゃごちゃ言うアホ出るやろ? この店、駅前から微妙に遠いし、知ってないとウチの高校から来るやつ殆どおらんやろ」
ファイトをするにしても学校でやるとしたら間違いなく目立つ。
以前のぼくとリナが茂札くんとファイトした時は理由というか建前があったが、ドロシーと茂札のファイトともなればまたいらぬ噂になるだろう。
だったらテーブルでささっとファイトをするというのも考えたのだが。
本気でやるとするならばやはりバトルボードを使ったファイトであるべきだ。
というわけで外部、それもバトルフィールドのレンタル利用が出来るカードショップなり、公共スペースを探したのだが……
「だね。ドアがこの店がいいって指定した時はてっきり利用したことがある店だと思ってたけど」
「まあそれが茂札がバイトしてる店だとはうちも驚いたけどなぁ」
リナがメールでこの店を使いたいとメールをしたところ、返信で教えられてびっくりをしたもんだ。
別の場所にするかと確認をしたけれど、伝手もあってここでいいと他ならぬ茂札くんから許可が出た。
おかげでとんとん拍子にことが進んだが……
「どうか、後味がいいファイトになりますように」
ぼくは、十字円を指で描いて祈った。
「それは保証出来ない」
祈りの独り言に返事があった。
「モブとファイトをするのには覚悟がいる」
お店のエプロンをつけたバイトだろう紫髪の子が腕組みをしながら言った。
「ですね。あんな手札が見えるか定かじゃない人が勝てるでしょうか」
何故かその横に同じように腕組みをして、年下らしい桜色の髪の少女が同じ腕組みをしていた。
「……君たちは?」
「モブの同僚」
「通りすがりの常連です」
まったくわかりそうでわからない自己紹介だけど、力強いなぁ!
「サレンちゃーん、仕事してー」
「客が来たらするから大丈夫」
おい。
セッティングをしてる女性店長さんに怒られてるけど、その態度でいいの? いいのかい??
「今のところの客の私が見学してるから大丈夫です」
「と、客が言っている」
フリーダムか!
この店大丈夫? 休日の昼間なのにぼくら以外の客もいないし。
ちなみに後で聞いたところ、ぼくらが入ってきた後辺りでお店の看板を休憩中――特別に貸切という形にしておいてくれたらしい。
一時間程度だったけれど、そんな配慮をしてくれたことにその時のぼくたちは気づいてなかった。
「で、あの子はなんでモブとファイトするの?」
「聞いてないのかい?」
「全然知らないです」
「ちょっとややこい事情があってなー。もう殴り合ったほうが早いやろって感じでファイトするんや」
「なるほどー、わかりました」
「わかっていいの!?」
「大丈夫。男の子にはそういう時期もある」
「ドアは女の子だよ?!」
「私も女の子ですけど、わかります!」
「リナ! 助けて! ツッコミし切れない!」
「関西人だからってそういう担当を喜んでするわけやないで」
くそ!
普段ツッコミ役とリアクション担当のドロシーがいないからぼくに全部のしかかってきてる!
「お、そろそろやるで」
なんてぼくらがふざけている間にフィールドのセットが終わったようだ。
茂札くんがフィールドの奥側に、ドアが手前側の立ち位置に、女性の店長さんがジャッジの位置に移動している。
茂札くんが腕まくりをして、ドロシーがぼくが預かっているカーディガンのないオーバーサイズシャツの上から腕バントを付ける。
「うわ。気合いれてるで、ドア」
茂札くんが、学校でも見かけた分厚い手袋を右手に嵌めた。
ドロシーが、両バンドを付けた手でヘアゴムで髪をまとめた。
ぼくらには見慣れたドロシーのルーティーンだけど。
「あれ、なんか食べてる?」
テールに髪をまとめたドロシーが、ポケットから取り出した瓶の中身を煽る。
ゴリゴリと音がするのを、ぼくらは知っている。
「あ」
「……ふぅう、これはガチだね」
「え、なに? 薬かなんかです?」
「ファイト用のブーステッドドラッグは流石に止めさせてもらうけど」
「ッ?!」
キッと鋭い店員さんの視線に、少し背筋が冷たくなる。
が、慌てて否定する。
「いやいや、違う違う。あれはただのラムネだよ」
「……ラムネ?」
「そう」
それを摂取するのを見たのはぼくらも二回。
関東予選の決勝で完全な完封劇を披露した時と、エレウシスの決勝。
あの女帝との死闘――
「あの子が本気でやるということだ」
あのドロシーが。
あの子が。
本気になる。ぼくら二人が敗れた不甲斐なさもあるが、それだけの覚悟でいくということ。
あの。
「ドロシーが勝つだろう」
「ふん」
あの子の実力をよく知るぼくの言葉に、何故か店員の子は鼻で笑って。
「簡単に勝てるとは思わないほうがいい」
「モブは私に勝つこともある強者だし」
「私もサレンさんに勝つこともあるんですけど!?」
「三割を超えてからどうぞ」
「ちょっと後でモブさんにメタデッキ組んでもらいます」
「それはルール違反だと思う」
うーん仲良しだなぁ。
始まったファイトをみながらぼくはそう結論づけた。
「――全く、お前らはいつも出鱈目でまとまり無く騒がしいなっ!」
――滑り舌のランバート