刀持った探索者くんは倫理観がどっか言った青春に転生した模様。 作:鋭角移動のりゅーたろー
第一の太刀 転生って雑なように見えて意外と繊細
━━━━━━━━━━━━いつからだろうか、俺は死んだ。
家族に会うこともなく、虚しく1人で死んでいく様は悲しい様子だな。
目を閉じる刹那、俺は確かに見えた。
誰かに撃たれる瞬間を。
気がつけば、俺は電車内で目を覚ました。
目の前には綺麗で…血まみれの女性が。
……少しすると何かを話し始める。
「……私のミスでした。
私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況
結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……。
……今更図々しいですが、お願いします。
先生。
きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。
何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……。
ですから……大事なのは経験ではなく、選択。
あなたにしかできない選択の数々。
責任を負うものについて、話したことがありましたね。
あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます。
大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択。
それが意味する心延えも。
……。
ですから、先生。
私が信じられる大人である、あなたなら。
この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。
そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。
だから先生……どうか。」
……彼女が話し終わる瞬間、俺は意識を落とす。
……これ以上眠くないってのに………
━━━━━━━でも、俺の刀があるだけいいか。
「……さい、起きてください」
「……んぁ……ここどこだ…??」
「ようやく起きられたのですね、【先生】」
「は、いや、え????」
「ちょい状況整理させて?」
「どうやら夢でも見られていたようですね、ちゃんと目を覚まして集中してください」
「もう一度、今の状況をお伝えします。私は七神リン、学園都市の連邦生徒会所属の幹部です」
「俺は海崎トシ……まあつまり、俺が先生?ってやつでいいのか?」
「はい…おそらく……そのようですね。」
「…………まあそりゃそんな反応なるわな。」
「混乱されていますよね…。分かります」
「こんな状況になってしまった事、遺憾に思います」
「……ほんとそれな。」
「でも今はとりあえず、私について来てください。どうしても、先生にやっていただかなくてはならない事があります」
「学園都市の命運をかけた大事なこと…ということにしておきましょう」
「了解。」
俺は七神と一緒にエレベーターから降りると、そこには何人かの女性?生徒?がいた。
「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
「首席行政官、お待ちしておりました」
「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています」
「トリニティ自警団です、連邦生徒会長に直談判を――」
(うわぁ……色々終わってるよこの世界。なんも聞き取れんて…)
(というか銃持ってない?!いやまあ刀持ってる俺が言えることではないけど…!)
「はぁ……。今、学園都市に起きている混乱の責任を問いたい――ということでしょう?」
「そこまで分かってるなら、なんとかしなさいよ! 連邦生徒会なんでしょ!? 幾千もの学園自治区が、今まさに混乱に陥ってるのよ! この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」
「連邦矯正局で停学中だった生徒の一部が脱走したという情報もあります」
「不良たちの登校襲撃も急増しています。治安の維持が困難です」
「戦車やヘリの不法流通も、2000%増加です!」
(…………思ったよりこの世界終わってる?いや終わってるよねこれ!)
俺は心の中で叫ぶのだった。
「こんな状況で連邦生徒会長は何してるの!? 何週間も姿を見せてないって、どういうことよ!」
部屋に沈黙が落ちる、そりゃそうじゃ。
「連邦生徒会長は今、席におりません。.....正直に言いますと、行方不明になりました。」
「....え!?」
「....!!」
「やはり....あの噂」
(うっそーん………)
「【サンクトゥムタワー】の最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態にあります。」
「タワーの認証を迂回できる方法を探していましたが、先程までそのような都合の良い方法は見つかっていませんでした。」
「先程まで....?では今は方法がある、ということですか?」
「はい。」
「この『先生』こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
「「!?」」
「えっ…………俺が?」
「ちょっと待って!そもそもこの『先生』は一体どなた?どうしてここに居るの?」
「キヴォトスではないところから来た方のようですが.....『先生』だったのですね。」
「はい。こちらの海崎先生は、これからキヴォトスの『先生』として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」
「行方不明になった連邦生徒会長が指名した『先生』...?ますますこんがらがってきたじゃない...。」
「海崎トシだ.....来たばっかで状況はさっぱり分かんないし、できる限りなんでもしてやるよ。
ああただ、俺の刀にだけは触れるなよ?」
「あっ…わかりました。」
いやまあそりゃそんな反応だよな。
「こ、こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクールの…………って、挨拶なんて今している場合じゃ....!」
「そのうるさい方は気にしなくても───」
「誰がうるさいですって!?私は早瀬ユウカ!覚えておいてくださいね!海崎先生!」
「続けますよ…。」
「....先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることなりました。連邦捜査部、通称「S.C.H.A.L.E
(…多分だけどさ、あそこだよね!?煙吹いてるところを見る)
「海崎先生を、そこにお連れしなければなりません。」
彼女はタブレットで誰かを呼び出した。
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど────」
と、思えば急に目の前にでもはや慣れたホログラムが展開された。
「シャーレの部室?......あぁ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?」
モモカ、と呼ばれたホログラムに映る少女は、ポテトチップスをつまみながら七神に返した。
「大騒ぎ....?」
「矯正局を脱走した停学中の生徒が騒ぎを起こしてるの。そこは今戦場だよ?」
「.......」
目の前の少女の顔つきが鋭くなる。
気にせずホログラムの少女は続けた。
「連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良達を先頭に周りを焼け野原にしてるみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れて来たみたいだよ?それで、どうやらシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに何か大事なものでもあるみたいな動き。ま、でもとっくにめちゃくちゃな場所なんだから、別に大した事───あ!!先輩、お昼ご飯のデリバリーが来たから、また後で連絡するね!」
「………………」
(あれ完全にブチギレてるよね!?ブチギレてるよ!?)
「....っ、だ、大丈夫です。少々問題が発生しましたが、大した事ではありません。」
「本当に大丈夫なのかよ!?」
薄暗い苦笑いを見せながらそう言った。
そして、何かを思いついたのか、早瀬達を見つめる。
「....な、何..?どうして私たちを見つめてるの?」
「いえ、ちょうどここに、各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので。」
「えっ!?」
これは完全にブレーキレバーぶっ壊れたやつじゃん……おれしーらね
「キヴォトス正常化の為に、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。さあ、行きましょう。」
そうして俺と沢山の困惑した生徒を置いて、七神は歩いていく。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!どこに行くのよ!」
ああもうどーにでもなれー(棒)
次回予告
「……俺の常識壊されそうなんだけど、」
「どうして私達が不良達と戦わなきゃいけないの!?」
「……あんまり見せたくはないが、信頼を得るためだ、やむなし!」
「桜ノ一太刀………」
次回:第二の太刀
戦場指揮よりぶっちゃけ近距離で切り伏せるのが好きです
どうも鋭角移動のりゅーたろーです。
たまにはこういうもの書きたくなったので書きます。
そんで転生したトシくんですが詳細プロフィールとかは次回書きます。はい。
書いてたらこいつ意外と脳筋だった。
評価、感想お待ちしてます。