人生の瓦解
私は裏表なく生きてきた。
あまりにも裏表がなさすぎて、幼い頃から周囲の人を心配させるほどだった。
そんな私にとって「嘘をつく」ということは至極難しい。
何か間違ったことを言っても「あ、ごめん、間違った。今のは嘘です。」とすぐに言ってしまう。
ずっとそう生きてきた私だったが、一人の人間が発した嘘によって、私は瞬く間に「嘘つきで、生活に困っていて、元々精神疾患持ちで、能力がなく、人を欺き、不正を重ねる人間」になった。
私を知らない人だけではない。
心を通わせてきたと思っていた人たちまで、「あいつは嘘つきだ」と言っているのを目にした。
かろうじて残っていた、胸のいちばん柔らかなところが破れたような感覚だった。
命を絶とうとしたことも嘘。
助かってしまったことも嘘。
電話をするのも、文章を書くのも嘘。
警察や弁護士に相談したことさえ嘘。
嘘、嘘、嘘。
死ねば許してもらえたんだろうか。
死ねば満足してもらえたんだろうか。
死ねば嘘つきにはならずに済んだのだろうか。
死にきれなくてごめんなさい。
生き伸びてしまってごめんなさい。
どうやって人生を取り戻せばいいのだろう。
そもそも人生を取り戻すことなど可能なんだろうか。
毎日こんな苦しみを味わうぐらいなら、
明日なんてこないで欲しいと切に願う。

