上尾―浦和学院 8回裏浦和学院1死二塁、玉栄の中前打で二塁走者西村が勝ち越しの生還を果たす。捕手並木
■終盤に底力接戦制す
浦和学院は終盤に勝負強さを発揮し、上尾との接戦を逆転で制した。勝利への執念が最後に報われた形となり、森監督は「苦しい中でも全員がつないで、最後は浦和学院らしい野球を見せてくれた」と目に涙を浮かべて選手たちをたたえた。
2―3で迎えた八回に西村が同点適時二塁打を放ち、なお1死二塁。森監督から「おまえなら打てる」と背中を押され打席に入った玉栄は、外の変化球を中前にはじき返し、勝ち越しの二塁走者を生還させた。「あの場面でヒットを打てて本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
八回の先頭打者として安打を放ち、逆転の呼び水となったのは3番法量。今大会はここまで11打数1安打と苦しんでいたが、ここ一番で重要な役割を果たした。「ビハインドの試合も何度も経験した。絶対に勝てると思っていた」と強い精神力で逆境を打ち破った。
準決勝を勝ち抜き、関東大会出場が決定したが、チームが見据えるのはあくまで県の頂点。主将の蜂巣は「必ず県1位で関東大会に行く」と決勝戦に闘志を燃やした。
■44大会ぶりへあと一歩 上尾
上尾は44大会ぶりの関東大会出場へあと一歩に迫った。持ち前の粘り強くつなぐ打線で浦和学院を終盤まで追い詰めた。高野監督は「多くの方の期待と、誇りを胸に戦った。必死に食らい付いたが勝ち切る強さが足りなかった」と悔しがった。
1―1の七回に森田の右前打で勝ち越した。その後、関根にも適時打が生まれて2点をリード。球場の雰囲気は上尾に傾いたが、相手の追い上げを振り切れなかった。森田は「いい試合では駄目。壁を越えられないのは力不足」と下を向いた。
2年生右腕辻岡は3試合連続で完投した。球数は計493球となり、最後は上ずった球を捉えられた。それでも1年生5人がスタメンの若いチームをけん引。辻岡は「来年の春は強豪校に勝てるように練習を積みたい」と敗戦を糧に成長する。