施設老朽化によりアッキー親方
が乗れなかった日本平動物園(静
岡県)のオートチェア。
ここは望月三起也氏の名作劇画
「ワイルド7」の最終章で日本を
軍事独裁国家化させるヒグマ大
臣一味と平和民主主義国日本を
守るワイルド7が最期の対決をし
た場所のモデルとなった。
この自然環境を利用した動物園
でワイルド7はリーダーの飛葉
以外全員が殉職する。
そして、日本は軍事独裁国家と
なり、警視正の警察官である飛
葉も国家反逆罪で指名手配とな
ってしまう。
ここまではすべて不気味な占い
師の老婆の予言通りになった。
飛葉の命が助かるには「夏に雪
が降る」事が起きないとならな
いと悟ったワイルドのサブメン
バーの本間ユキは、救出された
ヘリから飛び降り自殺をして飛
葉を助ける。
そして1969年から1979年まで10
年間にわたり週間少年キングに
に連載された大人気劇画『ワイ
ルド7』の物語は終了する。
作品中のラストの流れは、日本
の右傾化と軍事国家化に警鐘を
鳴らす漫画家望月三起也氏の魂
の叫びを作品で表現したものだ
った。
その後の番外編、続編シリーズ
でも、日本は完全にナチスドイ
ツのような軍事独裁国家に変貌
してしまっている。
その国体に対し、民主主義を取
り戻そうと自衛隊の有志やワイ
ルド7隊長の草波や旧体制の検事
を中心にレジスタンス活動が密か
に進められてはいたが、まだ日本
は軍国主義独裁国家のままで物語
が進行する。
望月三起也氏が1979年に「ワイ
ルド7」で展開させた筋書きは、
同氏の1970年の名作『ジャパッ
シュ』において日本の軍事独裁
国家化に先行的に警鐘を鳴らす
物語として発表されていた。
1970年代当時は、それが絵空事
の物語で、「まさか平和民主主
義国家の日本がそんなことに
はならない」という感覚は国民
の大多数が抱いていた。
だが、2025年の現代。
多くの漫画(かわぐちかいじ「軍
靴の響き」等)や映画(「野性の証
明」等)や小説等の多くで表現さ
れて来た暗黒の日本の近未来、
という図式は、今となっては笑
えない現実として現実社会に登
場し始めた。
そして、先の参院国政選挙での
極右政党の躍進に続き、昨日、
2025年10月4日、日本は完全に
戦後から「戦前」に舵を切った。
自衛隊幹部たちの多くが不支持
であり懸念していた人物が政権
政党首長になった。
日本を守る自衛隊幹部たちが懸
念していたのは、次期自衛隊最
高指揮官に国際軍事バランスを
欠いた素人の好戦主義者が任命
される事により「新日中戦争」
が現実化する事態になったから
だ。
戦争に行かない安全地帯の連中
たちがいつも戦争を準備し、戦
争を推進し、戦争を遂行する。
自分と自分らの家族一族だけは
生き残る算段をしてから国民を
危険に曝し、自国民を殺す。国
防、正義、美しい日本の美名の
下に。
今の日本は、もはや漫画や映画
や小説の作品群が暗黒近未来日
本を描いていた絵空事ではなく、
本物の危機的な戦争推進国家に
変貌しようとしている。
それは今。