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【本と名言365】ブルーノ・ムナーリ|「ファンタジアとは、…」

| Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda   text_Keiko Kamijo   illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)

これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。グラフィックデザインや彫刻、アート、教育者と独自の活動を続け、子どものような遊び心を持ち続けたイタリアの偉才ブルーノ・ムナーリが説く、クリエイティビティとは。

ファンタジアとは、これまでになかった新しいことを考えださせる人間の能力である。 ブルーノ・ムナーリ
ブルーノ・ムナーリ/デザイナー、芸術家、教育者
ファンタジアとは、これまでになかった新しいことを考えださせる人間の能力である。

裏が透けるトレーシングペーパーを用いて霧を表現し、紙の重なる層も含めてストーリーに盛り込んだ斬新な絵本『きりのなかのサーカス』や、誰もが知る太陽をどうやって描くかを巡り読者と一緒に想像を広げる『太陽をかこう』、木材やビニール、紙等の素材を小さな本にした五感で楽しめる「本以前の本」である『I PRELIBLI』等、数々の機智とユーモアに溢れたアートブックを世に送り出したブルーノ・ムナーリ。

ミラノに生まれたムナーリは活動の初期に未来派という芸術運動に参加する。機械に使われるのではなく、芸術家は機械のことを知らなければならないと言い「役に立たない機械」という彫刻シリーズを発表する。その後、デザインスタジオを立ち上げデザイナーとして働きながら、作家としての作品も発表し続ける。彼の転機となったのは、息子アルベルトの誕生だ。息子の教育のために全10冊の仕掛け絵本を考案する。視覚はもちろんだが、紙をめくる時の立体感、開いていく展開の楽しみ等、紙を重ねて束ねた本という媒体はムナーリの想像力を掻き立てた。その後、デザイナーや画家、彫刻家として幅広く活動しながらも、子どもの教育に力を注ぐことになる。

ムナーリの作品やデザインに共通すること、それは遊び心のようなものであり、彼は「ファンタジア」と呼ぶ。ファンタジアとは、頭の中でイメージを創り出すことのできる精神の力だとし、創造力とはファンタジアと理性とが結びついてなにかを生み出す能力を指すと述べる。創造力と発明、想像力に加えてファンタジアを自由に働かせれば人はみんなクリエイティブになる、とムナーリ先生は説く。方法は簡単だ、見るものの大きさを変えてみたり、逆にしてみたり、他のものと対比させてみたりする、視点をあちらこちらへと変える、物の素材や重力を変換してみる、そうして自由に発想をすることで一気に世界は開けるのだ。


創造力とは何か?という疑問に対しムナーリ先生がビジュアルとユーモアに満ちた言葉を通し、そのメカニズムを分析・解明する。『ファンタジア』ブルーノ・ムナーリ著、萱野有美訳、みすず書房、2,400円/2006年
創造力とは何か?という疑問に対しムナーリ先生がビジュアルとユーモアに満ちた言葉を通し、そのメカニズムを分析・解明する。『ファンタジア』ブルーノ・ムナーリ著、萱野有美訳、みすず書房、2,400円/2006年
ブルーノ・ムナーリ

ブルーノ・ムナーリ

1907年ミラノ生まれ。後期未来派の芸術運動に参加し、絵画や彫刻を制作。33年に《役に立たない機械》を発表、後に『ナンセンスの機械』を刊行する。この頃より子どもの創造力を喚起する絵本づくりを始める。56年よりイタリアのプロダクトブランド「ダネーゼ」とコラボレーションを開始。著書『ファンタジア』『デザインとヴィジュアルコミュニケーション』(みすず書房)等多数。

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