ダンジョンの真上、白亜の巨塔『バベル』では、神々の宴が開かれようとしていた。
「ででんでんででん」
「「ででんでんででん」」
「「「ででんでんででん」」」
「セルフBGMやめろ」
「うおーー!
「わっしょいわっしょい!」
「俺、
「前回からどのくらい経ってるっけ?」
「黒竜討伐直後だったから、一ヶ月くらい?でもあれは実質論功行賞扱いだしな」
「で、今回の司会は?」
「はぁーーい!今回の司会は、青春の女神のぉ〜〜イズンでお送りしまぁーすっ!アオハル〜☆」
『『『イエェーーーーーーーーーーーーーッ!』』』
「まじかよイズンかよ」
「大当たりキター!」
「出たな、三度の飯よりアオハル女神」
「アオハル〜☆」
「はよ学区戻れ」
浮かれた神々が様々な反応を示しながら、宴の幕は切って落とされた。
「早速だけど、私から新しい祭典の提案がありまーす」
「「「なーにー?」」」
「元気な返事、グッジョブよ☆みんなきいて〜!その名もっ、
「なにそれなにそれ!」
「甘美な響き!」
「アオハルしちゃう感じー?」
十五分後。
「というわけで、過半数ゲットね!レッツアオハル〜☆」
『『『アオハルぅーーーーーーーーーーー!』』』
「そんな不純な祭典、ボクは絶対認めないぞーー!」
「黙れヘスティア」
「都市最大派閥風情が」「それ褒めてるぞ」
「自分、いい加減諦めぇや。確かにあんの少年とアイズたんがいちゃこらするのはぐぬぬ!やけど、今更覆るもんやない。会議を進めるのが優先や」
「よく言ったロキ」
「ぺちゃぱいの星!」
「巨乳に負けるなー!」
「んがぁぁぁぁぁ⁉︎な・ん・や・とーーーー⁉︎」
「やったれロキ!」
「いけぇヘスティア!」
「は〜いそこまで!みんな、肝心の優勝賞品なんだけど……なにかいいアイディアあるかしら?」
「えー普通にヴァリスで良くね?」
「だめよ、お金はアオハルからもっとも縁遠い存在なんだからぁ。ノットアオハル〜」
「はいはーい、ジャガ丸くん一択っしょ」
「「「そのこころはー?」」」
「ベルアイが釣れる」
「「「それだ」」」
「はぁはぁはぁデレるアイズたんデレるアイズたん照れるベルきゅん照れるぼくのべるきゅーん」
「きっしょ」
「いや冗談抜きでベルアイは必須だろ」
「じゃあ優勝賞品はジャガ丸くん一年分で決定で!」
「「「異議ナーシ」」」
「大アリやボケナスどもぉーーーー⁉︎」
「でもそれだとその二人以外参加しないんじゃないかしら……」
「「「たしかに」」」
「はいはいはーいバベル最上階!!」
「「「そのこころはー?」」」
「にっくきフレイヤの古巣ーー!」
「「「やっふーーーー」」」
「だまれ嫉妬魔女神ども」
「自分が住んでた場所がカップルの愛の巣になるとか……プークスクス」
十五分後。
「じゃあ優勝賞品はバベル最上階と、ジャガ丸くん一年分に決定ね〜」
『パリィィン‼︎‼︎』
「うおぉーいシル何某、お茶全部落とすんじゃなぁーい!」
女神達の命令で給仕をしていた街娘、暴走。
「でもいいの?バベルの最上階なんて賞品にしたら、カップルを偽って参加する輩が大量発生するわよ」
「ナイスやファイたん!うちもアイズたんが同棲し始めたらと思うと胸が苦しく……」
「あなたは黙っていなさい」
「…………」
「カップルじゃなきゃできないレベルの競技にすればいいっしょ」
「それサイコー!」
「羞恥心を隠して参加してたらしてたで楽しめるしヒャッハーじゃん」
「じゃあ……なにか案がある人はいる〜?競技募集っ!」
「ポッキーゲーム!!」
「それどうやって競技にすんだよ」
「じゃあパピコ」
「いやアオハルっぽいけど」
「あ〜ん選手権」
「一旦食べ物から離れろ」
「あのぉ、みなさん?」
沈黙を保っていた街娘が、最恐の笑顔を貼り付けて動き出した。
お茶の間、いや、神の間が凍りつく。
「私、怒ってるんです。ええ、感傷です。感傷ですとも。でも、とっても怒ってるんです」
「「「ひぇぇぇぇぇ」」」
「サーセンやりすぎました許してくださいお願いします」
「
「あっ、手が滑って…!?」
「お呼びですかシル様」
「「「あ、終わった」」」
「オッタルさんも、
「仰せのままに」
「「「なんか百倍面白くなった」」」
──【