シャインマスカット“海外流出” 無断販売も…損失は年間100億円以上か ライセンス契約めぐり山梨県と国は対立 日本の“ブランド果実”どう守る?【識者解説】
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種苗法では、「品種登録制度」が定められています。植物の新しい品種を登録し、知的財産として保護するための制度です。 登録された品種は、許諾を得なければ栽培や譲渡、海外輸出を行うことができません。 現在、シャインマスカットの苗木や種の海外輸出は行われていません。
■なぜ日本の果物が狙われる? 相次ぐ海外流出…「100%防ぐのは難しい」
ほかにも、日本生まれのイチゴ「章姫」と「レッドパール」について、開発者から許諾を受けた韓国の農家から第三者に流出し、この2つを元に開発された新品種がシェア9割以上を占めているといいます。
さらに、初競りで1房100万円で取引されたこともある高級ぶどう「ルビーロマン」についても、石川県と契約書を交わした100軒ほどの農家のみが栽培することができますが、韓国やタイに流出している疑惑もあります。 なぜ日本の果物が狙われるのでしょうか。折笠さんは「品種改良のレベルが、世界的に見ても非常に高く、高品質な新品種を開発する能力が高いため」と説明します。 折笠さん: 農家のみならず、国が高いコストと時間をかけて開発した品種が、そのまま取られてしまうような形になるので大きな損失です。 しかし、厳しく取り締まったとしても、やはり農産物なので様々な形で持ち出されてしまいます。完全に100%防ぐことは難しいという現状だと思います。
■「ライセンス契約」or「海外輸出」 それぞれのメリット・デメリット
日本が誇る“ブランド果実”をどう守ればよいのでしょうか? シャインマスカットをめぐり、山梨県は海外輸出の拡大を目指す一方、農水省はライセンス契約を検討していますが、双方にメリットとデメリットがあります。 <ライセンス契約:メリット> ライセンス契約の場合は、日本でシャインマスカットが作れない時期でも海外で生産し、いつでも旬のマスカットを食卓に届けられるというメリットがあります。そして、品種の不正流出を防ぐことができるといいます。 折笠さん:勝手に持って帰ってしまうことはゼロにはできませんが、ライセンス契約で栽培されたものの方が品質が良いとなれば、不正栽培に圧力をかけることができます。 <ライセンス契約:デメリット> 一方、デメリットとしては、同じ品種で競合してしまうことが挙げられます。例えば、ニュージーランド産のシャインマスカットが日本産のものより安い値段で販売された場合、競争力が失われる恐れがあります。
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