外国人向け「経営ビザ」実態調査に同行、表札は空欄で応答なし…「移住目的」ペーパー会社急増
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日本で起業する外国人経営者向けの在留資格「経営・管理ビザ」の取得要件が、10月中旬に厳格化される。移住目的で実体のないペーパー会社を設立する事例が目立ってきたことが背景にあり、出入国在留管理庁は審査時の実態調査を強化する方針だ。読売新聞は、大阪出入国在留管理局の調査に同行した。
経営・管理ビザの取得要件は、資本金が500万円以上から3000万円以上に引き上げられ、1人以上の常勤職員の雇用が義務化される。経験や学歴の要件も追加され、「経営・管理経験3年以上」か「経営・管理に関する修士相当の学位」を求める方針だ。
大阪入管の職員2人が2日午後、大阪市内の住宅街にあるアパートの一室を訪ねた。経営・管理ビザで中国から来日した人の会社の所在地になっており、ビザの更新申請に伴い、会社の状況を確認するためだ。
職員はまず、外観や建物の構造などを確認。調査対象の社名が貼られた郵便受けなどを写真に収め、事務所がある部屋に向かった。表札は空欄で、ドアには南京錠がかけられている。職員がインターホンを3回押したが、応答はなかった。
職員の一人が、申請書類に記載されていた携帯電話に連絡したが、出たのは別人だった。応答した人物は「本人の名前と会社は聞いたことがあるが、直接は知らない」と話したという。
大阪入管は今後、調査結果も踏まえ、ビザの更新の可否を判断する。
アパートの郵便受けには、調査対象の会社以外にも中国系法人の名前が記された部屋が複数あった。職員は「複数企業が入る建物は、最近の調査で目立つ」と話した。職員はこれらの中国系法人の部屋も記録し、今後在留許可申請の有無を確認するとした。
取得要件が厳格化されるのは、こうした経営実態の判然としない法人が問題化したためだ。制度の趣旨に外れていないかどうかの見極めには、事務所の現地調査も重要になる。ビザの審査は通常、提出された書類を基に行うが、これまでも内容に疑義が生じた場合には入管職員が現地調査を行ってきた。経営・管理ビザの許可件数は昨年、過去最多の3万5126件(更新や変更を含む)に上り、これに伴って調査件数も増えている。
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