ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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お久しぶりです。
早く出したいなどほざきながら、長い日が経ちました()
新作書いてるから許してクレメンス。



【後日談】バレンタイン

 

未だに寒さが残る2月頃。

キヴォトスはとあるイベントで盛り上がりを見せていた。

ミケも当然そのイベントに参加しては居る。

居るのだが彼はオフィスから出る事が出来ない。

 

 

「……今日中に消化は無理だな」

 

 

辺りを見回せば、チョコ、チョコ、チョコ。

チョコの山に囲まれ、彼は物理的に身動きが出来ない状態であった。

 

現在彼は、片っ端から差出人の名前を確認してから生チョコを味わっている最中。

既にダンボール1箱分は消化した気がするが……。

終わりは見えず、半ば諦めモードに入っていた。

 

こんな大惨事に陥ったのには理由がある。

そしてソレが起こるのは必然と言ってよかった。

なんて言ったって今日は──

 

 

バレンタインなのだから!!

 

 


 

 

【ただい──おおっ、大量だぁ】

 

 

チョコレート保管所(元事務室)に先生が帰ってきた。

チョコに埋もれてるミケを見て、乾いた笑みが零れる先生。

 

そんな彼の手にはパンパンにチョコが詰め込まれたビニール袋が8つ。

ラッピングされてるモノと換算しても、持ってきたチョコだけで2週間もつんじゃないだろうか?

 

 

「帰ってきたか。君も随分と貰ったな?」

【はは、色んな学園を回ったからね。でも量は君に負けるよ】

 

 

意外に思うかもしれないが、貰ったチョコの量自体はミケの方が多い。

何故なら彼には機械神教(ファンクラブ)があるから。

知らない内に信仰者数は倍増し、現在はレッドウィンターの凡そ7割が信仰しているらしい(ミノリ調べ)

 

事実、今部屋を埋め尽くさんとするチョコは殆どがレッドウィンターからである。

因みにチョコレートは殆どがチェリョンカ。

敬虔な信徒はそこまで多い訳じゃなさそうだ。

 

 

【いつ食べ切れるんだろう……】

「生チョコ由来のモノは早めに食べた方がいい。それ以外は結構日持ちする」

【詳しいんだね、チョコ博士みたいだ】

「寒冷地じゃ日持ちする高カロリー携帯食として優秀だったからな」

【……そう言えば戦争経験者だったね君】

 

 

仕分けしていたのは、痛みやすい生チョコから食べるという理由からだった。

先生は遠い目でチョコの山を見る。

確かに生チョコ系のモノは、その場で渡された生徒を確認してから食べられている。

 

遠い目で眺めている先生。

ポリポリとウイスキーボンボンを頬張りながら、ミケが語りかけてきた。

 

 

「君も座るといい、ついでに面白い話でもあれば聞かせてくれよ」

【そんなに多く無いよ?】

 

 

差し出されたコーヒーカップの中身は空。

反対にミケのカップに入ってるのは、またもやチョコレートであった。

ホットチョコレートと言うやつだ。

何とも言えない表情をしながら、先生はミケの隣に腰を下ろす。

 

 

「チョコに飽きが来てるなら、そのポッドに入ってるレモンティーでも良い」

【なんだ、しっかりチョコ以外もあるじゃん】

「コレは生徒(ミノリ)からの贈り物だ」

 

 

男2人がバレンタインに一緒……。

そこで急遽始まるのがチョコレートの紹介(自慢)タイムである。

 

先生の貰ったチョコが気になる人はブルアカを始めよう!!(唐突な催促)

という訳で、遂にミケの番となった。

 

 

「1番初めに貰ったのはAL-1Sからだった。彼女はパンケーキだったよ」

【パンケーキかぁ、確かにチョコレートだけを渡す必要も無いもんね】

「君も食べたことあるなら、分かるんじゃないか?」

【めちゃくちゃ美味しかった】

 

 

AL-1Sのパンケーキは、キヴォトスNo1と言っていい程の完成度を誇っていた。

店を出したら普通に繁盛する気がする。

今は他の料理にも挑戦中らしい。

 

 

「2番目はチームⅤだった、彼女達もチョコではなくプレゼントしてきたのは──腕時計だった」

【今腕に付けてるやつ……ってローレライの1番新しいモデルじゃん!?】

「コツコツとバイトしてるとは思っていたが、まさかこの時の為とはなぁ……」

【へぇ、愛されてるね〜?】

 

 

ミケがその腕につけてるのは、なんだか会心値の上がりそうな時計。

高級ブランドという訳では無いが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()その事実が何よりも嬉しかった。

 

ソレには「私達との時間を忘れないで」という意味があったりするらしい。

あとメンバー2は「ホワイトデーは期待してます!」と言っていた。

 

 

【なんだか意外かも、全員凄い高クオリティだね!】

「……そうでも無い」

【あれぇ!?】

「ウチには問題児がいるからな」

 

 

内1人であるコユキはまだ良い。

ミケと過ごしてその苛烈さは収まった。

チョコレートも普通の手作りだったので美味しく頂いた。

問題は──カイだ。

 

 

「まぁ、なんだ。予想通りというか、チョコに《仕込んで》いた」

【あぁ……】

 

 

ミケの体は骨の上にホログラムを投影して人に見せかけている状態だ。

飲食は不思議な力で可能だが、基本その体が熱を帯びることは無い。

それを良しとしない生徒が1人いた──申谷カイだ。

 

カイは薬学に関しては天賦の才能を持つ生徒の1人である。

そう、彼女は作れてしまったのだ、一時的に肉体を付与する薬を

因みに見た目は丸薬のような豆粒で、効力は丸1日だとか。

 

 

「やっぱり肉体があった方が、色々便利だと思うんだよねぇ!」

 

 

彼女の言う通り骨の体で不便だと思う時はままある。

通信障害のある場ではホログラムにラグで不具合が出たり、ミレニアムでリオのメンテナンスを定期的に受けなければならない。

最初よりは減ったと言え、ガワを被らなければ怖がる生徒が居るのも事実。

だがこのチョコ(薬物混入)があれば、より簡易的に一時外の目を気にせず過ごす事が出来るのだ!

 

 

「今はバレンタインだからねぇ、チョコに混ぜてみたんだよ。折角だから此処で食べてくれるかい?」

 

 

ミケにとっては願ってもない様な良い話だった。

 

強力な媚薬成分がなければ。

 

だが、惨事は起こらなかった。

ミケは危うく食べそうになったところを、ミチルによって止められたからだ。

 

 

「食べてはなりません、主殿!」

「ちっ、良い子ちゃんぶっちゃってさぁ!君も購入してるのは知ってるんだぞぉ!?」

「……ミチル?」

 

「み、みちうは危険がないか、あくまで調査の為に購入しただけだにょ?」

「おい、こっち向いて話せ」

 

 

聞くと既に《意中のあの子を自分のモノに!?》、という触れ込みでブラックマーケットに出回ってるらしい。

お陰で半日はトラブルの収拾に駆け回る羽目になってしまった。

 

特に残念だったのは、説教されてる間も嬉しそうで反省の色が見られなかった事か。

やはり七囚人は変態の集まりなのかもしれない。

 

 

【(思い当たる節(狐坂ワカモ)があり過ぎる……!)】

「大体の生徒は手作りを渡すようで、手間はそこまで掛からなかったのが幸いだったよ」

 

 

そんなたわいの無い話をしてると、一日が過ぎていく。

時間は既に夕暮れ、1時間の成果はチョコ半分と言ったところか。

ホットチョコレートを飲み干した先生は身支度を整える。

 

 

【休憩終わり、じゃあまた行ってくるよ!】

「精が出るな?」

【凄い数来てるんだよモモトークが、ほらずっと揺れてる!】

「……すまないが、少し待ってくれ」

 

 

ミケがまた外に出ようとする先生を呼び止めた。

バレンタインの日に男が男に渡してはならない理由は無い。

ミケはこれからを歩む同士として、先生にとあるプレゼントを用意していた。

 

 

「戻る前に私から君に渡すものがある」

【……チョコはもう良いかなぁ】

「流石に考えてるさ、渡すのはコレだ」

【コレって──もしかしてチョーカー?】

「見た目はな」

 

 

黒い無地のチョーカー……のような物。

マグネット式なのか、首に掛けるとフィットする。

身につけた瞬間、ナニカと繋がった様な感覚を感じた。

 

 

「それは所謂、生命維持装置と言うやつだな」

【生命維持装置!?】

「《死者ノ軍勢(エインヘリアル)》を使用する時、負荷に無理やり耐える為に作ったのだ」

 

 

普通の人間は数百人分もの神秘に器が耐える事が出来ない。

コレはポケ〇ンで言う《きあい〇タスキ》だ。

どれだけ神秘を注ぎ込んでも、瀕死で耐える為の装置。

 

 

【でも、バレル以外の装備は全部壊れたんじゃ?】

「当時の私は特攻する気マンマンだったからな、生命維持装置に神秘を使う位なら火力に回せ……と思って使わなかった」

 

 

薩摩魂が過ぎる。

それ程までに、ナグルファルでは手段を選んでる暇がなかったのだろう。

 

 

【どうしてコレを私に?】

「私の所持している《神名のカケラ》の殆どをソレに注ぎ込んだ。生徒1人分にも満たないが、お守り程度にはなるかと思ってな?」

【君が付けていた方が良いんじゃ……】

 

 

自分にはアロナが居る。

自衛する手段のないミケこそコレを使うべきだと思うが。

ミケはコレを拒否した。

 

 

「結局は使わず仕舞いだったが、私にとっては最高のお守りでもあった。……私はもう十分に守ってもらった、だから私は良いんだ」

【……良いんだね?】

 

 

純粋な感謝と心配。

そんなミケの意思を無下になんて出来るわけが無い。

先生は素直にその生命維持装置を、受け取る事にした。

思い出したようにミケが嘯く。

 

 

「因みに1度付けたら壊れるまでは外れんぞ」

【えっ!!もう着けちゃったんだけど!?】

「冗談だ、首の後ろを叩くと外れる」

【あ、ホントだ。……びっくりさせないでよ】

 

 

彼のお茶目さに辟易しつつも、今度こそ出発の準備を整えた先生。

この場を去る前に、先生はタブレットのモモトークを開いた。

 

 

◀︎
既読スルー?なんで?
 

 

◀︎
もしかして私以外の生徒と一緒ですか?
 

 

◀︎
反吐が出る
 

 

◀︎
今からソッチに行きますね
 

 

◀︎
先生、お時間頂戴しますね
 

 

 

あらゆる生徒からメッセージが送り続けられている。

不味い、今から全力で回っても必ず待ち時間が発生してしまう。

 

先生は握りしめたチョーカー型生命維持装置を見やる。

決心は早かった。

 

 

【早速使う時が来たって……こと!?】

「まぁなんだ、健闘を祈る」

 

 

その後も大量のチョコを貰う先生なのであった。

 

生命維持装置はまだ壊れてない。

 

 





次は最終編の反応掲示板になりそうです。
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