ブルーアーカイブRTA 称号「崇高」獲得まで   作:ノートン68

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お待たせ致しました。

ちょっと文字数少なめだけど許してね!
小説パートです。



最後の切り札

 

「やってくれたな、コユキ!!」

 

 

色彩は次元バリアに篭もった後、全体に波状攻撃を仕掛けてきた為、ミケ達は攻撃を避け続けざるを得なかった。

相手の攻撃は多次元バリアで無効化し、自分の攻撃は《消滅》により当たれば即死する。

初速から速くて範囲も広いというオマケ付き、チートもいい加減にして欲しい。

 

そんな時、色彩を覆っていた多次元バリアが卵の殻のように呆気なく自然に崩れていくではないか。

ミケ達は確信した、コユキ達がやり遂げたのだと。

 

 

「やっと姿を現してくれたねぇ!!」

「油断は禁物だ、攻撃の殺傷力は変わってないぞ」

「主殿、指示を!!」

 

 

後は()()()()()()を決めるだけだ。

ミケはチラリと自身がもつ大人のカードを見やる。

大きさは更に縮み、元の1/10サイズと言ったところか。

 

 

「(問題ない、だが──)」

 

 

最後の切り札は文字通り1発限りの切り札。

つまり、失敗すれば後がない。

 

ここは好機と見て攻勢に出るべきか、若しくは冷静に機をうかがうべきか。

あの頃(ナグルファル)の記憶が過ぎ、とっくにない心臓が早打つ様な感覚に苛まれた。

 

 

「(バレルの神秘残量も心許なくなってきた。最善は速攻だが──本当にそれでいいのか?)」

 

 

一瞬だけ逡巡していると、誰かから通信が入る。

ウトナピシュティム本船の誰か、声はノイズで判断が付きづらいが生徒だろう。

 

 

私が最後ソッチに向かうかアシストして!!』

 

 

せめて最期は私の手で……』ガガッ

 

 

ノイズが酷く、正確な言葉は分からない。

それでもミケには誰が、なんの為に、何をしたいか理解出来た。

その意味を理解し───ミケは吹っ切れた。

 

 

「君の本当の願いは、そうだったのだな……」

 

 

例え()()()()()()()()()()()生徒の言葉だろうとも。

今のミケは、それが生徒の望みならば最善(過去の自分)を捨てる事だって出来るのだから。

 

 

全員突撃!!」

「「「ッ!!」」」

 

 

言うが早いか、号令をかけたミケはバレルの出力を最大にする。

後先考えない最大出力での突撃、しかしあの時(ナグルファル)とは違い彼女達が居る。

 

 

「《瞬》ってねぇ!!」

「忍法・変わり身の術!」

 

 

カイとミチルが陽動し、

 

 

「受け止めろ、クリフォト!!」

 

 

高火力の攻撃はミノリがクリフォトで壁をして防ぐ。

そうやって生徒達の繋いだ道をミケが走る。

目的地はプレナパテス(色彩)だ。

 

カイ達が陽動を買って出てくれてはいるが、凄まじい量の弾幕がミケを狙う。

対比で言うなら3:7でミケの方が多い。

 

 

「好都合だ、私なら捌き切れる」

 

 

色彩の攻撃はレーザーの様な()()()へと変貌していた。

真っ直ぐ飛んだかと思えば急停止、直後に屈折する事もある。

これら全て即死級の火力が多方向から飛んでくるのだから堪ったものでは無い。

 

しかし今や彼女は3000人の魂を燃やして動く超人。

『Geburah』で氷の壁を作り、僅かな隙間を縫ってグングンと距離が近まっていく。

 

 

「そろそろだな……」

 

 

背中に装着した《バレル》から音声が流れる。

 

 

──残量が0%になりますが──申請を受理しました。

──擬似神格の接続準備へ取り掛かります。

 

 

バレルの機能は神秘の貯蔵と抽出である。

溜め込んだ神秘を使用者に抽出する、言葉で表せば単純な機能。

現在その99%はナグルファルの生徒の神秘、ならば残る1%は誰のものなのか。

 

 

──リソース名チェルノボグの神秘を確認。

──最も効率の良い方式で抽出を開始します。

 

 

()()()がミケの右手に握られる。

コレこそがミケの持つ最後の切り札。

 

通常抽出する神秘に権能は無いが、チェルノボグは特別である。

その権能は()()()()()()()()

コレによって色彩()()を斬り倒そうというのだ。

使い捨て故にチャンスは1度きり。

 

例え色彩をプレナパテスから斬ったとしても、先生の生命活動は停止したままだろう。

それでもいい、それが()()の願いなのだから。

 

 

「死線超えと行こうか?」

 

 

刀身は普通の日本刀と同じサイズだ。

コチラの攻撃を当てようと接近すれば、当然色彩の弾幕は過激になる。

 

攻撃のバリエーションも増え、数も2:8と負担がデカくなった様だ。

攻撃の隙間は人一人が潜り抜けられるかと言ったところ。

 

 

「それがどうしたっ!!」

 

 

避けて、避けて、避けて、防いで、避けて。

最早ワープで回避する様な余裕もない弾幕の数。

即死級の攻撃が掠る様な状況で尚、ミケは恐怖心を抱く事無く前へと前進する。

 

命が惜しくない訳では無い。

足を少しでも止めたら死ぬ状況下なら、動き続けた方が生存率は上だと言う身も蓋もない話。

 

それに自己犠牲は廃業した。

何処ぞのFOXと「生きて帰る」と約束したのだから。

そうして何とか色彩の眼前へと躍り出た時。

 

 

 

 

 

──神秘の抽出終了まで、残り10秒

「クソッ、まだ遠い……!!」

 

 

大人のカードより先にバレルの方が尽く事態に。

知ってか知らずか、色彩の攻撃はミケに向けて集中され苛烈さを増した。

残り10秒で距離は20m、今の弾幕で色彩に辿り着くには遠すぎる。

 

 

 

 

 

残り──00:07

 

 

 

 

 

「まだだ、まだ詰める必要がある!」

 

 

多少無理をしてでも強引に間合いを詰める。

その隙を逃さず、色彩は冷静に照準をミケに合わせ……。

ほぼ360°、逃げ場無しの包囲攻撃。

 

 

「オーナーッ!!」

 

 

放たれた攻撃が着弾したと同時に、ミケの左腕が宙を舞った。

他の残骸は見えない。

直撃だったとすれば跡形も残らなかったのだろう。

 

 

 

 

 

残り──00:04

 

 

 

 

 

「忍法・空蝉の術」

 

 

左腕の義手を犠牲に何とか10mまで距離を詰めていたミケ。

だがこれ以上体を削る訳にもいかず、先には進めないだろうと判断。

もう無駄な行動は出来ない、文字通りこれが最後の行動となる。

 

 

「うぉおおおおッ!!」

 

 

咆哮を上げる。

決死の思いで《黒き刃》を色彩へと投げ飛ばした。

神秘ブーストの掛かっている状態で投じられたソレは黒き閃を描き真っ直ぐに向かい──

 

 

色彩は軽々とそれを回避した。

 

 

「真っ直ぐは当たらんか……」

 

 

 

 

 

残り──00:01

 

 

 

 

 

「ワープ起動!」

 

 

最後の最後で《ワープ》の発動。

色彩の後ろを通り過ぎたタイミングで起動し、真横から首を掻っ切るべく()()()が迫る。

 

 

 

 

 

残り00:00

 

 

 

 

 

全身から溢れ出ていた力がフッと、急激に無くなる。

体が重い、これ程までに自分の体は不便だったのかと錯覚を覚える。

そして肝心の色彩だが……

 

 

 

 

 

「ーーーーッ!!」

 

 

 

 

 

()()()()()1()()

それがミケの全身全霊を使った結果であった。

たった薄皮1枚でも、色彩相手に以前は届かなかった偉業。

ミケの中の溜飲が、一先ずは下がった。

 

 

「まぁ……リベンジは成功で良いだろう」

 

 

色彩の体に亀裂が入る。だが()()()()

致命傷を避けた色彩は眼前の宿敵へと向き直る。

片手を上げ、目の前の人物を屠るには過激な大きさのエネルギーを収集する。

あまり思考しない色彩でも分かることはある。

 

 

──コイツは最後まで油断ならない。

 

 

無慈悲に、最後まで慢心せずにトドメを指すべく色彩はエネルギー弾を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──違和感

 

 

 

トスッ

 

 

 

───何故、胸から、刃が

「何度、何度お前を倒そうと思った事か」

 

 

骨の一心不乱の攻撃は届かず、しかし()()()()()には届いた。

黒き刃は確実に色彩の胸、人間でいえば心の臓を貫いていた。

 

 

「返してもらうよ、私の先生を!!」

ーーーーーーッ!!

 

 

袈裟斬り一閃。

切り裂かれた色彩の体は急速に亀裂が走り、最後には全身へと巡り──

 

 

「遂に………む?」

 

 

一瞬、色彩がミケの方を向いた気がした。

確かめる間もなく色彩は全身を発光させ───

 

その身に溜めたエネルギーを解放させた。

 

大きな衝撃を伴った爆散だ、脆くなった床の破片が舞い散り景色が曇る。

少し顔を顰めた後、ようやく気づいた。

 

 

それは、星空の様な眩さであった。

 

 

「圧巻だな……って体が消えかけてるぞ!?」

「あぁ、コッチも時間切れってわけねぇ?」

「主殿、お先に失礼致します──地上で後ほど」

 

 

大人のカードが機能を果たし、完全に塵へ帰る。

同時に生徒達の体が透けていくが、地上へと送還されるだけだ。

彼女たちには最後まで世話になってしまった。

 

 

「また、新しいのを撮らなければな……」

 

 

爆散した中心部、そこに2人の人影がようやく見える。

1人はホシノテラー、もう1人は勿論──

 

 

「先生ッ!!」

 

 

色彩によってその身から恐怖を吸い取られたホシノテラーには、もはや《消滅》の権能はない。

崩れ落ちる先生の体をホシノテラーは抱きとめた。

 

 

「やっと、やっと………」

 

 

やっとホシノテラーは大切な物を取り戻せたのだ。

 

色彩が乗っ取った影響か、重度の火傷跡は治癒されている。

だが死んだ人間は生き返らない。

 

 

それこそ、()()でも起きなければ。

 

 

 

 

 

 

ピクリ

 





次回で最終編はラスト。
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